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エピローグ


 エピローグ

 

 僕は静川さんと一緒に学校から家へ帰っている途中だ。

 季節はすっかり冬になってしまった。空気が乾燥していて、すぐに唇がかさかさになってしまう。寒さで震えが止まらず、強い風が吹くたびに僕は「寒い、寒い」と口づさんだ。手袋やマフラーを一応身につけているが、寒さはしのげても温まる事が無い。この時期、カイロは学生にとって大切な命綱だ。

「寒いね、宮本君」

 真っ白な息を吐き出しながら、静川さんは言った。

「そうだな。そう言えば、僕達も来年の春には三年生か。時が経つのって本当に早いな」

「あの時から、もう少しで半年が過ぎてしまうんだね」

 線路の横断しようすると、踏切の警報が鳴り始め、行く手を遮断機に阻まれてしまった。二つの赤い光が交互に点灯し、電車が通過するのを待っている。

 僕はあの時以来、電車には乗らなくなってしまった。当然、怖いからと言うのも理由の一つで、あんな地獄のような苦しみを二度と味わいたくないからだ。だからと言って、桐原玲香を止める事を諦めたわけではない。僕はこの名前を手がかりに様々な資料を読み漁り、約六十年前のある事件に辿り着いた。敵を倒すには、まず敵の事を知らないといけないからな。その事件と桐原玲香に関する情報が少ないので、時々行き詰ってしまう事もあるが。

 左方向からなじみの走行音を立てながら電車が近付いて来る。

 電車が踏切を通り過ぎる瞬間、僕はこう思った。

「これも、終点のない幽霊列車なのだろうか」


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