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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

猫になりたい

作者: 愛嬌
掲載日:2020/10/17

僕は猫になりたい。暑い真夏の昼過ぎ。僕は呟いた。赤い髪をした君は「突然だね。」と微笑む。「私はね。君になりたいよ。」こちらを覗き僕をジッと見つめる。「何で僕になりたいの?」「それはね、君が綺麗だからだよ。」「なんだそれ。」君の方が綺麗だよ。とは言えなかった。僕は君に恋をしているのかわからない。だから、言えないんだ。「んー。暑いねえ。アイス食べたい。駄菓子屋行こ!」彼女は背伸びをしながら僕に微笑んだ。「そうだね。ちょうど僕も食べたかったし。行こっか。」ひまわりの向いてる方向を歩くかのように、太陽を見ながら駄菓子屋に向かう。「あ。ねえねえ!覚えてる?初めて私たちが会ったのここの駄菓子屋なんだよ!。」「うん。勿論覚えてるよ。」あの日も今日みたいにセミがいつになっても鳴り止まない。暑い日だった。今から10年ほど前だろうか。外で遊び疲れた僕は、近くにあった。この駄菓子屋に入り。アイスを買おうとした。僕と駄菓子屋おばちゃん以外誰もいない静けた、駄菓子屋だった。するともう一人、女の子が入ってきた。汗をかき、息を少し切らして来ていた。「暑~い。おばちゃん!アイス!。」「はいはい。わかったよっ、よっこいしょ。」おばちゃんは重そうな腰をゆっくりと上げて立つ。「ほれ。冷凍庫からアイス持ってきな。」「は~い。」業務用の冷凍庫から、カップ型のバニラアイスを手に持ち。おばあちゃんに手渡す。「あいよ。100万円。」「ちょっ。高いよお。おばあちゃん。」「お姉さんと読んだら、130円にするよ。」「100円じゃないのか。…お姉さん。」嫌々駄菓子屋のおばちゃんに小銭を手渡し、木製スプーンとアイスを手渡された。「坊や。」突然おばちゃんが僕を呼ぶと同時に彼女も振り返り僕を見つめる。「何か買わんのかい?。」吃ってしまう癖がある僕は、下を向き冷凍庫から彼女と同じアイスを取り出し手渡した。「あいよ。130円。」「ど、どうぞ。」支払いが終わると僕はアイスを片手に持ち、そそくさと駄菓子屋の前のベンチに座った。「ふう…。」ため息を吐いた後カップアイスを開け、木製スプーンを突き立てる。「つめた。」固く。食べることの出来ないアイスを太ももの上に置き太陽を眺めた。「眩し…。」手で影を作り、青空を眺めて。黄昏いると、おばあちゃんにからかわれていた彼女が横に座った。「よいしょっ!」「えっ!?」驚いていると彼女が微笑み僕の顔をジッと見詰める。「な、なに…」ニヤリと笑い彼女は自分の名前を僕に教えてくれた。「私!夏目ナツメ。貴方の名前は?。」「ぼ、僕はアキで、す。」「そうなんだ!一緒にアイス食べよ!。」夏目は自分の持ってるアイスを口に法張り。頬を手で抑え、笑顔を浮かべる。と夏目は僕と同じように青空を眺めた。その横顔が綺麗で、見とれてしまった。それに気づいた夏目が振り返る。「ん。何?。」「きれィ。」「ん?何て?。」夏目は顔を寄せ僕の目をジッと見詰める。「な、何でもない。」僕は照れくさくなり頬を赤らめ目を逸らした。「え~教えてよ!。」「何でもないって。…あっ。」(初めて、他人と喋って吃らずに言えた。)「えーもう、あ。何歳なの!私6歳。明は?。」「僕も6歳だよ。」「同じ年だ!。これからも一緒に遊ぼ!私、この前引っ越しして来たばかりで友達いないんだよねえ。」悲しそうにまた青空を眺めた、彼女のそんな姿を見てしまったら嫌だなど言えるはずがない。僕は恥ずかし気に答えた。「い、良いけど。」すると夏目は嬉しそうに空で無く僕の方を見た。「やった!初めての友達だ!これからも仲良くしようね。」(僕も初めての友達だよ。)「うん!。」「早速だけど、鬼ごっこしよ!。」「二人で!?」(ふふ。あれからもう十年か、長いようで早かったな。)「おばちゃん!お会計。」「ぼ、僕の分もお願いします。」「あいよ。…あんたら相変わらず。いつも一緒だね。」「うん!親友だもん!。」(親友、嬉しい。)「そうかい。あい、二人とも130円ね。」「はい。どうぞ。」いつもの用に二人でベンチに座りアイスを頬張る。「ねえ。」夏目が囁く。「なに?」「私ね、初めて明と会った時思ったの。…綺麗だなって。」夏目は僕を横目でジッと見詰める。(夏目も思ってたんだ、僕と同じこと。)「ぼ、僕。いや!私も初めて会った時から、綺麗。だと思ってたの。」「えへへ。嬉しい。」夏目の綺麗な笑顔を見て胸が痛くなった。綺麗。…初めて会った時から僕は、私は。(ねえ。…好きに、なっても良いですか?。)…私の心の声。聞いてほしい。でも気づかないでほしい。だって嫌われたくないから。「ねえ。」私が声を上げた。「ん?何?。」「やっぱり私、猫になりたい。」「ふふ。何で?」だって。「だって!猫になったら、何も考えづに夏目と一緒に居られるでしょ?。」微笑みながら呟く僕に夏目は言う。「猫になっても私と一緒に居たいの?」笑いながら言う君に即答した。「うん!いたいよ。だって、だって親友だもん!。」「そっか。ふふ、私も明とずっと一緒に居たいよ。…猫になっても。何になっても。」そんな、そんな事言われたら。夏目、!私。私!ずっと夏目の事好きになっちゃうよっ…。「帰ろっか、明。」「うん。そうだね。」帰り道、私は思った。(ねえ。神様、私を猫にしてくれても。夏目は一緒に居てくれるみたいだよ。ねえ、どうしよう。神様に頼んで、私から好きを取ってよ。嫌だっ。やっぱり取らないで、私は)「夏目が好きなの!。」言葉にしていないはずの心の声が帰り道を響かせた。僕を、夏目を。夏目は振り返り目を見開き驚いていた。(な、何で!。言葉にしてないのに何でっ。嫌われる、夏目と友達でいられなくなる!。…親友でいられなくなる。)「ご、ごめん!。夏目、今のは。その。」言い訳を考えていると、夏目は私に近づき。涙を流した。夏目が声を荒げる。「私も、ずっと前から。初めて会った時から!好きだよ!。」夏目が声を上げた所初めて見た。聞いた。涙を流す所を初めて見た。私も、涙を流した。声を荒げ言った。「好きっ、好きだったのずっと。ずっと!。」夏目は僕を抱きしめ、涙を流し。また言った。「好き、!好きなの、だからそんな辛そうな顔で!猫になりたい何て言わないで!、何も考えづに何て。言わないでよ…。ずっと明と一緒に居たいよっ。」「うぐっ!、ごめん。もう言わない!。言わないから。ずっと、ずっと一緒に居よ。」「うん!。愛してる…。」「…私も。」

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