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初恋はかなわないけど‥  作者: みるみる
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41、マキシムの帰国


マキシムがメディチ王国に行っている間、私は実家に泊まり、母から料理や家事の特訓を受ける事にしました。


実家に滞在中、母は私に料理や家事を教えながらも、私と親子の会話が出来る事を楽しんでいました。



「‥レミーが結婚かぁ。レミーが王子の婚約者候補だった頃は、まさか将来こうしてレミーに料理を教える日が来るとは、夢にも思わなかったわ。それに、相手があのマキシム君だなんて‥。」


「フフフ、マキシムは最高にカッコ良いのよ。その辺の王子なんかと比べても、断然マキシムの方が素敵なんだから!」


「‥‥そう?マキシム君は確かに良い人だけど、そこまでではないような‥‥。まあ、レミーがそれほどまで、マキシム君を好きだという事は‥良く分かったわ。」


まぁ、ほとんど親子の会話というよりも、毎回私とマキシムの惚気話になっていましたが‥‥。



そうやって何週間か実家で楽しく過ごすうちに、とうとうマキシムを港に迎えに行く日がやってきました。


私はドキドキしながら、船からマキシムが降りてくるのを待ちました。



‥‥ですが、船の中から真っ先に降りてきたのは、いつぞやの旭商会会長とフジコさんでした。


二人は周りを警備隊に囲まれながら、ゆっくりとタラップを降りてきました。


陸に着くなり、フジコさん親子は私の姿に気付くと、鬼の形相で睨んできました。


二人は、警備隊に囲まれて移送車に乗せられました。‥どうやら今度こそ拘置所に入れられるようです。


「‥‥。」


「レミー!ただいま。」


「マキシム!」


ようやくタラップを降りてきたマキシムに、私は思いっきり抱きつきました。


「アハハ、レミーは相変わらずだな。‥よしよし。」


マキシムはそう言って、私の頭を優しく撫でてくれました。


「‥皆んなが見てるから、これぐらいで許してくれるかい?‥あとで沢山抱きしめてあげるから。」


「‥‥約束ですよ。‥‥それにしても、マキシムは私の扱いに手馴れてませんか?」


「アハハ、レミーは単純というか扱いやすいのかもしれないな。‥まあ、そんなところも可愛いんだけどね。」


「‥マキシムったら。」


オホン、


「マキシムさん、例の身柄を確保した二人の件ですが‥他の人達と共に拘置所へ連れて行きます。」


「‥分かりました。もう後はそちらに任せます。」


船から降りてきた私服の警備員が、マキシムと何やら話していました。


「‥‥‥レミー、驚いただろ?僕達が船でヒノキ国へ帰る途中、漂流している小舟を見つけたんだ。‥そうしたら、旭商会の会長とフジコさんが乗った船だったんだよ。


‥‥さすがに犯罪者をそのまま逃すわけにはいかないからね。保護して、例の事件と今回の国外逃亡の疑いで、警察で取り調べを受けてもらう事になったんだ。」



マキシムが不安そうな私の様子を見て、フジコさん達が船から降りてきた理由を教えてくれました。  


「‥船に乗ってどこへ行くつもりだったんですかね。」


「‥それは分からないけど、まあこの国にいる限りは、犯罪者としてずっと追われる事になるからね。それが嫌で、外国に逃げたかったんじゃないのか。」


「‥そうですか。‥また逃げなきゃいいですけど‥。」




一方、その頃移送車の中では、フジコさん親子とガラの悪い一人の若い男が、ひそひそと何やら話し込んでいました。


「‥あんた達親子、何か訳ありみたいだな。」   

 

「そういう君こそ何者なんだ。」


「‥俺はしがない海賊だよ、今はね。‥‥だがそのうち太平洋一の海賊になるだろうよ。


今回だってたまたま捕まってしまったが、仲間が後で逃してくれる手筈になっているんだ。」


「何、逃げるだと?」


「‥何だい、おたくらも逃げたいのかい?‥だが、ただじゃ逃してやらないぜ。」


「‥何が欲しい、金か?それとも‥」


旭商会の会長は、横にいるフジコさんをチラッと見ました。フジコさんは嫌な予感を感じて身構えました。


案の定、男はフジコさんの顎に手をやり、その顔をまじまじと見ながら言いました。


「あんた、いい面をしてるな。それに物凄い殺気を発してる。‥‥‥誰か殺したいほど憎い奴でもいるのかい?」


「‥いたら何だって言うの。」


「‥良いなぁ。お前みたいな凶悪そうな女、嫌いじゃないぜ。‥俺についてきたら、お前の嫌いな奴をいつか殺してやるが‥どうだい?付いてくるかい?」


「‥あんた、約束守れるの?」


「ああ、約束する。海賊は嘘をついたら即サメの餌になるからな。‥‥だから俺達海賊は嘘をつかない。」

 

「良いわ。あんたに付いてくわ。‥‥その代わりお父様も一緒よ。」


「ああ、良いだろう。‥‥今からお前は俺の女だ。他の男を好きになったら、お前とそいつを即殺すからな、覚悟しとくがいい。」


「‥‥。」


こうして、フジコさんは若い海賊の男に付いて行く事になりました。




その晩、拘置所に何者かが忍び込み、中にいたフジコさん親子と若い男が逃げ出しました。


そして、夜中の海にヒノキ国の港から、どこの国の船か分からない不審な船が一艘出港していくのを、船乗り達が何人か目撃してたようです。


ただ、その船にフジコさん親子と若い海賊の男が乗っていたかどうかは不明でした。


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