表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋はかなわないけど‥  作者: みるみる
32/47

32、タケルとマキシム


しばらく校庭のベンチで話していたタケルとレミーでしたが、暗くなる前に別れ、各々自分の寮の部屋へと帰って行きました。


「ただいま。マキシム、勉強は順調かい?」


「‥タケル、何だか機嫌が良いな。」    


「アハハ、分かるかい?」


「‥レミーと何かあった?」


「うん、あった。」


そう言うと、タケルは学校の勉強道具を片付け、二人分のお茶を入れ始めました。その間、マキシムは黙ってタケルの動きを見守っていました。


「‥‥‥タケル‥。」


「はい、マキシム。熱いお茶が入ったよ。」


マキシムが何かを言いかけたのを遮って、タケルはマキシムに熱いお茶を差し出しました。


マキシムは一瞬顔をしかめました。


この熱いお茶は「緑茶」といって、渋みと甘みがあって美味しいのですが‥猫舌のマキシムは、一度舌を火傷して以来このお茶を苦手としていました。


「アハハハ、ごめん。前に熱いのを飲ませて火傷させちゃったから、苦手になっちゃったかな?」


タケルはそう言って、お茶に氷を数個入れました。


「‥濃いめにいれたお茶だから、氷を入れて冷やしても美味しいんだよ。」


相変わらずニヤニヤしているタケルを不審に思いながらも、マキシムは黙って氷の入ったお茶を手に取り、口に含みました。


「‥美味しい。」


「‥だろ?」


それにしても、タケルは何だかやたらと嬉しそうです。‥にも関わらず、何があったのかをちっとも話し始めない為、マキシムは段々と苛々してきました。


「タケル、何があったのかをさっさと教えてくれ。何だか苛々してきた。」


「アハハ、ごめん。‥‥レミーさんが僕に言ってくれた言葉が嬉しくて、何度も頭の中で反芻してたんだ。」


「‥レミーさんと何を話したのか、聞いても良いのかい?」


「ああ、勿論。‥‥実は今日レミーさんに僕の身の上を話したんだ。レミーさんは、僕が王族の血筋だと知っても、ちっとも僕を見る目を変えなかった。


それに‥レミーさん、僕のせいで他の女子生徒達に絡まれたりして、大変な思いをしたにも関わらず、これからもずっと僕と一緒にいてくれるって言ってくれたんだ。


こんなに嬉しい事ってないよね。‥もうさぁ、僕はレミーさんの事が凄く好きで、レミーさんの事を思い出すだけで、顔がにやけちゃうんだ。」



タケルはそう言って両手で顔を覆うと、一息ついてから、マキシムの方に向き合いました。


「‥マキシム、僕はレミーさんに振られると分かってても、もう一度告白をしたいし、もう少し頑張ってみたい。‥それにレミーさんとの思い出も欲しい。だから、君に遠慮をするのはもうやめる!」


「‥ああ、分かった。」


「何だよ。まさか‥応援するよ、とか言わないよな?」


「‥言わない。僕もレミーが好きだ。だから、いつかレミーに告白もするつもりだ。他の男にレミーをとられるのは嫌なんだって、やっと分かったんだ。」


マキシムの真剣な顔を見て、タケルは愉快そうに笑いました。


「‥良かった。君がまた怖気付いてしまうのかと思った。‥これでお互いに堂々とライバルを名乗れるな。」


「そうだな。お互い頑張ろうな!」


そう言ってタケルとマキシムは、固い握手を交わしました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ