5
《フラッシュ》!《火焔斬り》!
ガッ!グアァァ!
ピコン。
「キマイラを討伐しました。ホルダーの効果が起動します。」
ピコン。
「《経験値A》のカードを取得しました。《経験値A》は消費カードのため、自動消費されます。」
ピコン。
「《経験値A》の効果により使用者のステイタスがアップしました。HP+0、MP+1、物理攻撃力+0、物理防御力+0、魔法攻撃力+0、魔法防御力+0、すばやさ+0。《経験値C》は消滅しました。」
「表示。」
名前:三上優
年齢:16歳
所持スキル:「ホルダー」
所持カード(技術):《体術》《剣技》
所持カード(魔法):《加速》《停止》《鑑定》《火焔》《雷鳴》《氷結》《道具再生》
所持カード(道具):《黒煙石のナイフ》《薬草》
ステイタス:
HP 532/532
MP 522/522
物理攻撃力 516
物理防御力 510
魔法攻撃力 516
魔法防御力 511
すばやさ 511
「・・・。やはりダメか。」
この世界に来てから3ヵ月、俺のステイタスは大幅に上昇していた。
いや、「していた」という表現は間違っているのかもしれない。「気づいたら、していた」のほうが近い。
カードを集めるのが楽しくて、いろいろと試行錯誤しているうち、気がつけば、初期の50倍程度のステイタスになっていた。
少なくとも、この森において、俺に敵うモンスターは、もういない。
しかし一方で、それが、カードゲーマーたる俺にとって大きな問題となっていることも事実だった。
すなわち、新しいカードが入手できないのだ。
これは未だ仮説だが、カードの入手には、俺自身の経験が関係していることは間違いない。それに加えて一定の条件、例えば、命にかかわる、あるいは、大きく自身の感情が揺さぶられる、というような事象を満たす必要があるものと考えられる。
その証拠に、この森の覇者たるキマイラを討伐して以降、実に1ヵ月もの間、新しいカードを入手できていない。
ステイタスの上昇も微々たるものだ。
・・・。
「そろそろ潮時だな。」
この森に留まる意味を見出せなくなった俺は、拠点を移すことを決意した。
麻縄と竹のような植物で作ったバックと水筒に水と干し肉を入る分だけ詰め、《加速》を起動する。
「日が暮れる前に、何とか次の拠点が見つかってほしいものだが・・・。」
そう願いながら、探索を開始した。
--------------------------------------------------------------------------------------------
毎朝8時に1話投稿します( *´艸`)!
高評価、ブックマークいただけますと筆者のモチベーションが上がります<(_ _)>