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2018/06/04
翌日の早朝、私は休憩所で依頼主の馬車が来るのを待っていた。
休憩所の窓から入る光がチラチラと揺れ、小屋の中を照らす。
まだ門が開くまで暫く時間が有るので、私は先に来ていた衛兵さんとトランプで遊んでいた。前世で見た物と大体は同じだが、細部にちょっとした違いがある。
なんでも、昔召喚された勇者様が王様に特許を申し出て孤児院で作り始めた物だそうだ。
「おぅ……」
5枚あるカードの中から見事にジョーカーを引いた衛兵さんがガックリと顔を落とす。
「ん!」
「よし来た!」
「あぁ……」
そうこうしてババ抜きを続けていると、いつの間にか三、四人が集まっていた。
昨日の少年も居るので、依頼メンバーに間違いないだろう。
「カッドと依頼主のクレーランさんが来たら行くよー!」
「ほーい」
「オッケー」
「ん、わかった」
テッタの声に応え、顔はカードに向けたまま手を挙げる。
そろそろトランプも終盤。衛兵さんが持つ残り3枚の手札から一枚、中央にあったカードを引き抜く。
「うぐっ…」
2枚揃った炎と風の5を捨て、残りの手札が1枚になる。
衛兵さんが引いて残り0枚。上がりだ。
「はぁ……。
護衛頑張れよー!」
「ん、頑張る」
衛兵さんのエールを受けた後、テッタ達の集まっていた方へ歩く。
「よろしくな!」
集まっていた内の一人が拳を作る。
「よろしく。
私はララサ、クラスは軽業師。
貴方は?」
「あー、私達の方は聞いてたけど、そういえば自己紹介とかまだだっけ?
えと、私はクーニャ。クラスは弓兵よ。よろしくね」
軽装の女の子、クーニャが、少し戸惑った様な色を見せながらそう口にする。
「俺はエイク!
クラスは魔法剣士だ!」
こっちは赤い剣の少年。やけに剣が赤いな、と思っていたけど、クラスを聞いてなんとなく判った。
恐らくその剣は魔法関連の鉱物で出来ているのだろう。私も手の平サイズの蒼い欠片を、里の近くで一度だけ見たことがある。
「カルルだよ!
私は騎士見習い。
よろしくね!」
大きめの盾を持ち上げて見せる少女。
騎士と言っても鎧は革製で、剣や槍は持たないようだ。腰のベルトにはスリングが