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兄と海

 夏休みも半分が過ぎたころ、僕は海に来ていた。

 僕はこの夏どこにも行くつもりはなかったのだが、いろいろあって行かなければならなくなってしまったのだ。

 太陽はギラギラと視界がゆがむほどの日差しを浴びせてくるし、海岸で遊んでいるリア充どもはこれでもかというほどうるさい。

 

 「プライベートビーチじゃなかったのかよ」


 そんな僕の独り言に返答があるはずもなく、僕の前を通ったカップルに変な目で見られるくらいだった。

 だが、まあ。いいか。あんなに楽しそうにはしゃいでいるから。


****


 さかのぼること一週間前――


 「沙也加さやかー?いつまで寝てんだー?」


 今日ははるさんからの招集もなく、久しぶりの休日だった。

 夏休みなのに休日ってのは変だけど、ここ最近生徒会の仕事ばかりだったのだ。人使いが荒すぎる……。

 時刻は十一時を回り、もうじき暑さのピークを迎える。

 いつもは沙也加と一緒にテレビを見たり、ゲームをしたりしている時間なのだが――今日に限って沙也加はまだ起きてきていない。

 前にも言ったが、沙也加は休みでも八時には必ず起きているので、こんなことはこの夏――いや、これまでで初めてのことだった。


 「沙也加?入るぞー」


 呼びかけても返事がないため沙也加の部屋のドアを開ける。

 ――沙也加はベッドの上に座っていた。なにか物が飛んでくるんじゃないかと身構えたが、なにかが飛んでくることはなかった(いつもは勝手に部屋に入ると怒られる)。


 「起きてるなら返事くらいしろよ。お兄ちゃん心配しちゃったぞ?」


 冗談めかしてみたが反応はなく、動く様子もない。……寝ぼけているのだろうか。それとも座ったまま寝てるとか?なんにしても普通じゃないことは確かだった。

 反応がないとなんだか悲しいよ!


 「おい。沙也加?沙也加!」


 近づいて体をゆすってみると微かにまぶたが動いた。それを機と見て、僕は畳みかける!ほっぺをペしぺし叩いたり、耳に吐息を当ててみたり、水で濡らした手でほっぺをぐにぐにしたり。

 それにしてもこいつのほっぺすべすべしててやわらけぇ。


 と――「ぶえはっ!」


 殴られていた(・・・・・・)

 妹に殴られたこともなかったのに!と言っても、今殴ったのはその妹なのだが……。


 「さ、沙也加……?」

 「お……」

 「お?」

 「男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 「ぎゃあああああ」


 妹にボコボコにされる兄がそこにはいた。「いったいどうしたんだ?」とはわざわざ聞くまい。

 またアレがきたのだろう。

 憑依とやらが。

忙しかったので間が開いてしまいました。すいません!

短いですが勘弁してください!


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