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C.D.V-M.R|O  作者: フーデリッヒ・シュタイナー
Introductory chapter : Commentary
1/12

Preface

 レヴォカンダウィルスと名付けられた冥界への連行人が初めて発見されたのは今から数年前の事であった。


 ドイツのノイハルリンガージールで犬の散歩をしていた中年の男性が突如吐血して病院へ搬送され、数時間後に死亡した。この原因不明の突然死についてドイツ感染症予防協会はウィルス性出血熱であると発表をし、関係者と施設、男が倒れた現場の消毒処理を行って問題は解決したと思われていた。

 しかしこの男の血液サンプルを研究していた研究機関はこの男が別の原因で死亡したという見解を示し、新たに発見されたウィルスをヴィーゾフウィルスと命名して警戒を促した。

 発見当初このヴィーゾフウィルスは特に警戒する必要のないウィルスとして扱われ、感染力も弱いとして政府は感染者をウクライナ北部のプリピャチに幽閉して多国籍研究チームを組織してワクチンの開発を行っていた。

 

 一時は世界各国でメディアを騒がせていたこの病気も時が流れると共に人々の記憶の深淵へとその存在を潜ませていったのだった。

 しかし今から数ヵ月前、プリピャチの研究所に幽閉されていた患者が脱走、市内を移動して感染を拡大させているという報告を受けてウクライナ軍はこの男を射殺、すぐさま街の封鎖に乗り出した。研究所によるとこの男は一度死亡が確認されていたという。

 この事件から数日後、数十体に渡る破棄された感染者の遺体が突然起き上がって歩き出し、市民に接触によって街中へとそのウィルスの脅威を広めていた。そしてこの事件によってヴィーゾフウィルスはレヴォカンダウィルスと改名されたのだ。


 政府は外部への感染を懸念し、調査チームを結成、連絡の途絶えた研究所へと派遣した。

 そしてこの調査チームに編入されていた第27空挺師団特務大隊の男と国立感染症研究所の女は高校時代に互いに想いを馳せながらも運命の悪戯によって不幸の別れを余儀なくされた関係であった。


 語られる2人の過去、そして隔離された街で繰り広げられる色を失った愛を追い続けた男と失われた光を探し求めた女との再会。

2つの世界はこの街で1つの物語になる。

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