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Demonic Days  作者: 白川脩
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第5話


第5話

"激戦"


工場から出て、"ガンマ"へと向かう美咲と達也と武司の3人。


道中にあった和宮高校の前を通りかかった時、美咲がある事に気付いた。


「あれ…?」


「…どうした」


武司が美咲を見る。


「いえ…。有紀奈さんとここを通った時には校庭が、…死屍累々って感じだったんですけど」


美咲の言う通り、校庭にあったはずの大量の死体や、それに群がっていた患者の姿が消えていた。


「死体なんか無いな。嘘じゃない事はわかるが…」


一面血だらけになっている校庭を見る達也。


3人は先に進もうとしたが、武司が校舎に何かを見つけて立ち止まった。


「危ねぇぞ。いきなり立ち止まんな」


ぶつかりそうになった達也がそう言うが、武司はそれを無視して、校舎を見たまま美咲に訊いた。


「お嬢ちゃん。…あそこに人が見えないか?」


「えっと…。あ、2階の教室ですね。3人…かな?」


「無視したな。良い度胸だ覚えとけよ。…んで、助けに行くのか?」


「当たり前だ。例の子は、有紀奈も探してるから大丈夫だろう。行くぞ」


「私、案内します」


3人は校庭を抜けて校舎の中に入ったが、中の惨状に驚いた。


壁にはいくつもの血の手形が付いており、所々に患者に喰い殺された死体があったが、全て直視できない程に荒らされていた。


達也が苦笑いしながら呟く。


「これは酷い」


「す…すみません、ちょっと…」


美咲は外に出て深呼吸を始めた。


達也が死体を横目で見ながら言う。


「なぁおっさん。こいつら、動かねぇよな…?」


「流石にそれは…」


武司が言い掛けると、その言葉を待っていたかのように死体が動き出した。


「…冗談だろう?」


溜め息を吐きながら銃を構える武司。


その横で、達也も銃を構えながら敵の数を確認する。


「8体ってところだな。…篠原!」


名前を呼ばれた事に気付き、美咲が扉を開けて中に入ってくる。


正面に居る患者を見て状況を察し、彼女はすぐに銃を構えた。


最初に達也が発砲し、他の2人もそれに続く。


3人掛かりの弾幕により、正面に居た8体は動かなくなったが、銃声を聞きつけた他の患者が奥から姿を現した。


アサルトライフルの再装填をしながら、達也が美咲に訊く。


「2階への階段はどこにある?」


「そこの角を曲がれば、すぐ近くにあります」


美咲はおぼつかない手付きで弾倉を取り出しながら、患者が出て来ている角を見て言った。


「よし、突っ込むぞ」


「はい。…え?」


「冴島、落ち着け」


患者は次々と出て来ており、10体近くは集まっていた。


「3人なら大丈夫だろ。それに、生存者の所に早く行かねぇと」


「…危なくなったらすぐに逃げるぞ。いいな?」


達也は武司の提案に頷いて見せる。


ふと、美咲が患者の服装を見てみると、大半の患者は和宮高校の制服を着ていた。


「校庭の死体、消えたんじゃなくて患者になったんだ…」


美咲は納得したように呟く。


「…篠原、こいつらは俺達がやる。お前は…」


流石の達也も、美咲に同級生を撃たせる事は気が進まなかった。


しかし、美咲は銃を構える。


「お気遣いありがとうございます…。でも、私言ったじゃないですか。もう"迷わない"って」


「…勝手にしな」


3人はそれぞれ、自分の正面に居る敵を狙って撃ち始める。


何体倒しても敵は次々と現れ、いつの間にか3人の背中は壁に付いていた。


「くっ…」


アサルトライフルの弾が切れてしまい、ハンドガンで応戦する達也。


武司も、一発だけ装填してすぐに撃つ、という事を繰り返していた。


大量の患者に向かって、銃をひたすら乱射している美咲。


先頭の患者が美咲に掴みかかろうとした時、入り口の扉が大きな轟音と共に吹っ飛んだ。


現れたのは、美咲がよく知っている人物だった。


「ふ…風香ちゃん!?」


時は遡り、30分前の事。


「………」


頭を撃ち抜かれた風香の母親は、床に倒れて動かなくなった。


風香は銃を下ろし、母親の姿を見ないで廊下に出た。


茜が追い掛ける。


「風香ちゃん…」


風香は声を抑えて泣いていた。


「これで…良かったんだよね…」


「…えぇ。あなたのお母さんは、もう二度と元に戻らなかった。最後にあなたの姿を見れて、安心して"向こう"に行けたはずよ…」


それを聞いた風香は、茜の胸に顔をうずめて泣き出した。


「大丈夫。ほら、お母さんの携帯、あなたが持っていなさいよ」


そう言って、携帯を取り出して風香に渡す。


受け取った風香は、それを強く握りしめた。


そして、母親の病室を見る。


「母さん…。じゃあね…」


最後の別れを告げた風香は、茜と共に階段へ向かった。


道中、茜が風香を横目で見る。


「………(気まずい…)」


「茜」


「な…何?」


「…ありがと」


「え…えぇ…。どういたしまして…」


茜は感謝された意味が理解できなかったが、とても嬉しかった。



「…さて、お母さんの事は気の毒だったけど、思い残す事はもう無いわね?」


茜が階段を降りながら、風香に訊く。


「あ…。そう言えば、お姉ちゃん達、大丈夫かな」


「…お姉ちゃん達?」


茜が訊き返す。


「私、独断でここに来たの」


「どんだけ傍若無人なのあなた…。絶対心配してるじゃない」


「そうだ、一緒に探してよ」


「はいはい…」


階段を降りた先には、1階から登ってきた患者が数体、待っていたかのように居た。


「風香ちゃん、今更だけど、銃の狙いの付け方ってわかる?」


「し…知らないわよ」


「この照門って部分を、先端にある照星って部分に合わせるの。後はブレないようにしっかり持って引き金を引くだけよ」


「わ…わかった」


風香が銃を構え、言われた通りに狙いを付けて引き金を引く。


弾は狙った患者の胸に当たった。


「そんな感じよ。あとは、頭に当てられるようになれば完璧ね」


そう言われ、頭を狙って撃ってみるが、弾は外れて後ろの壁に当たった。


「な…何で!?」


「最初はそんなもんよ。今は当てる事を意識して撃ってね」


茜はそう言った後、患者の1体の元へ走って行き、跳び蹴りを放つ。


続いて左手側に居る患者の顎を蹴り上げ、その奥に居た患者に回し蹴りを放った。


風香は茜の右手側に居た患者を狙って引き金を引く。


弾は肩に当たり、患者は風香に近付いて来た。


風香は焦らずに患者の接近を待つ。


そして充分な距離まで近付いた時、頭を狙って撃ち抜いた。


「ふぅ…。やった…」


「中々やるじゃない。その調子で頼むわ」


茜は予備の弾を風香に渡して微笑む。


「た…たかが1体だけじゃない。お世辞は結構よ」


風香は恥ずかしくなって、茜から目をそらす。


「もう、素直じゃないわねぇ。…さてと、とりあえず病院から出ましょう」


2人が階段を降りてエントランスに出ると、そこでもまた患者が待ち受けていた。


溜め息を吐く風香。


「連戦かぁ…」


「射撃の練習だと思って、頑張りなさい」


まず、風香が患者の1体に発砲する。


命中して仰け反った患者を茜が前蹴りで追撃し、倒れた所に踵落としを入れてとどめを刺す。


ふと、茜が足元を見てみると、手頃な鉄パイプが転がっていた。


拾って近くに居た患者に振り下ろし、頭が下がった所に膝蹴りを入れる。


そのまま後ろに居た患者の頭を、振り向きながら鉄パイプで殴りつける。


殴られて転倒した患者は立ち上がる間もなく、風香の撃った弾丸に仕留められた。


そして、茜が最後の1体に鉄パイプを投げつけると、その場の決着は着いた。


風香が銃を下ろして茜を見る。


「鉄パイプって…」


「使える物は何でも使う…、強さの秘訣よ」


2人は病院から出ると、まず一番先に深呼吸をした。


風香がキョロキョロしながら呟く。


「お姉ちゃん達、何処にいるんだろ」


「どこではぐれたの?」


「和宮高校の近く…だった気がする」


風香が歩きながら答える。


「和宮高校…、避難場所だったかしら」


「うん。今は違うけど」


「どういう事?」


「地獄になってる」


「あぁ…なるほど」


しばらく歩いて和宮高校に到着すると、風香が校庭を見て、美咲と同じ事に気づいた。


「死体が…無くなってる?」


「どうしたの?」


「前に来たときは、死屍…なんとかって感じだったんだけど」


「死屍累々ね。恐らく、患者になって動いているんだと思うわ。校舎の中に居たりして…」


茜がそう言って校舎の中を見てみると、交戦中の美咲と達也と武司の3人を発見した。


「あら…、本当に居るのね」


「美咲!」


「え…?」


風香が校舎の入り口に走っていく。


茜は追いかけながら、校舎の中に居る3人を見た。


「(あの軍服…特殊兵器対策部隊の連中ね。素性を知られたら面倒だわ…)」


2人は校舎の玄関の前に立つと、改めて中にいる患者の数を思い知った。


「多いけど…助けなくちゃ!」


「よーし、格好良く登場しちゃいましょうか!」


茜はそう言って、玄関の扉を蹴破った。


「な…何だ!?」


吹っ飛んできた扉を見て、思わず驚愕する達也。


「美咲!大丈夫!?」


「風香ちゃん。ひとまず全滅させるわよ」


茜は美咲の元に駆けつけようとした風香を引き止め、患者の数を目で数え始めた。


「そこの姉さん、よければ手を貸してもらえんか?」


武司がショットガンに弾を込めながら、茜に言う。


「しょうがないわね。私の素性を訊かないなら、手伝ってあげるわ」


「いいだろう。訊くなと言うなら訊かないさ」


武司はそう言って、戦闘を再開した。


茜もそれを見て、近くに居た2体の患者を纏めて回し蹴りでなぎはらう。


風香は茜からこっそり離れ、美咲の元に居た。


「風香ちゃん!どうしてここに?」


「色々あって、あの人と一緒に居たの。見ての通り、人間離れしてるけど」


美咲が茜を見てみると、彼女は患者の攻撃を避けて、そのまま後ろ回し蹴りを放っていた。


「うわ、凄ッ!」


「おいガキ共、ボサっとしてねぇで戦ってくれ」


達也は銃を撃ちながら2人に言った。


2人が銃を構えた時、美咲が風香の銃を見て訊く。


「その銃…どうしたの?」


「あの人に借りたの。本人は、蹴ってた方が強いし」


風香が答えると、美咲は納得した様子で発砲し始めた。


しかし、会話を聞いていた達也は、風香の銃を見て疑問を抱いた。


「(Mk.23ソーコムピストル…。あんな銃、一体どこで…)」


患者の数もかなり多かったが、5人の協力により、無事全滅させる事ができた。


「片付いたな。協力、感謝する」


「礼には及ばないわ」


茜が武司に言う。


その横で、達也が茜に聞こえないように小声で風香に訊いた。


「おい、あいつは何者だ?」


「…知らない。訊いたけど、答えてくれなかった」


風香は茜の素性を知っていたが、D細菌の作成者とは言えずに、嘘をついた。


「…そうかい。知らないならいい」


「どうしたの?」


「いや、ちょっと気になっただけさ」


達也は風香が持っている銃を一瞬だけ見て、武司の元へ行った。


「おっさん。そろそろ行こうぜ」


「そうだな。…あんたはどうする」


武司が茜を見る。


「私はちょっと調べたい事があるから、ここで別れさせてもらうわ」


茜はそう言って、風香の前に立った。


「ここでお別れよ。その銃はあなたにあげるわ。縁があったら、また会いましょ」


「…どこ行くの?」


風香が訊くと、茜は他の人に聞こえないように囁いた。


「D細菌の事を調べに行くの」


「1人で?そんなの無茶だよ…」


風香が心配した様子でそう言うが、茜は笑って風香の頭を撫でた後、校舎 から出て行った。


「茜!」


名前を呼ばれた茜は振り返り、追いかけてきた風香に微笑みかける。


「大丈夫、きっとまた会えるわよ。…じゃあね」


去っていく茜の後ろ姿を見て、風香は心の中でこんな事を思いながら校舎の中に戻った。


「(1人で…戦わなきゃいけないんだろうな。…頑張ってね、茜)」


3人の元へ戻ると、美咲が不安そうに訊いてくる。


「あの人…大丈夫なの?」


「あいつなら大丈夫だよ。…あ、お姉ちゃんは?」


辺りを見渡す風香に、達也が呆れた様子で答える。


「実姉に気付かなかったのか…。安心しな、俺達の仲間と一緒にいる」


「そう…。なら良かった」


4人は階段を登り、生存者の居る教室へ向かった。


階段を登りきった所で、達也が風香に訊く。


「…なぁ、ちょっと訊いて良いか?」


「何?」


「…年上にタメ口使うのか?」


「いいじゃん別に」


「まぁ…いいんだけどな。うん」



緑木公園噴水管理棟…


「晴香ちゃん。何か見つかった?」


管理棟の中を手分けして探索し終えた晴香と有紀奈。


晴香は死体を思い出してしまい、吐き気を抑えながら答えた。


「死体ばっかりです…。有紀奈さんの方はどうでしたか?」


「こっちも同じよ。…恐らく、ここに避難していた人達ね」


「あの、有紀奈さん。患者は…何の為に人間を襲ってるんですか?」


訊かれた有紀奈はしばらく悩んだ後、答えた。


「もしも、あなたの前に突然、ナイフを持った男が現れたらどうする?」


「に…逃げます」


「逃げ場が無かったら?」


「せ…説得します!」


有紀奈は溜め息を吐いた後、話を続けた。


「…武器を持っているとしたら、"戦う"でしょ?」


「いや…」


「戦うでしょ?」


「…はい」


「奴らも一緒だと思うわ。人間を襲っているのは、防衛本能なんじゃないかしら」


「防衛本能…ですか」


有紀奈の言葉を繰り返す晴香。


「奴らにとって私達は未知の生物だからね。…あぁそうだ。これ、渡しておくわ」


有紀奈が思い出したように取り出した物は、38口径のリボルバーだった。


「警察官の死体の側に落ちてたの。ナイフよりは使えるはずよ」


銃を受け取った晴香は、想像以上の重さに驚く。


「重い…」


「…渡してから言うのは変だけど、無理に撃てとは言わないわ」


有紀奈は美咲との口論を思い出して、俯きながらそう言った。


しかし、晴香は銃を両手で握りしめる。


「私も戦います。何もしなかったら、美咲に笑われそうだし…」


有紀奈は晴香を見て笑い出した。


「全く、あなたと居ると、調子が狂うわね」


「えへへ…」


有紀奈にそう言われ、恥ずかしそうに晴香も笑った。


「さてと、とりあえずここから出ましょうか。次は遊具エリアを調べるわよ」


有紀奈がそう言って、管理棟の出口に向かう。


出口の扉に手をかけたその時、2人の背後から何かが走ってきた。


「誰!?」


振り向いて銃を構える有紀奈。


目の前に現れた物は1体患者であったが、少し様子がおかしかった。


その患者は2人を見つけた途端、狂ったように笑い出し、こちらに突進してきた。


有紀奈が狙いを定めて頭を撃ち抜く。


「…ふぅ。笑う患者は初めてね」


「笑いながら走ってくると、中々怖いですね…」


患者が倒れたのを見て、外に出ようとした時、再び患者の笑い声がした。


2人が後ろを振り返ると、確かに頭を撃ち抜いたはずの患者が立ち上がり、こちらに走ってきた。


有紀奈は患者に狙いを付け、サブマシンガンを連射する。


しかしその患者は、ほとんどの弾をまともに喰らったにもかかわらず、狂ったように笑ったまま走り続ける。


そして有紀奈の前まで来ると、突然彼女に掴みかかった。


晴香が患者に銃を構える。


しかし、有紀奈に当たりそうで引き金が引けない。


有紀奈は左腕で患者を抑えながらナイフを取り出そうとして、晴香に渡した事を思い出す。


「晴香ちゃん!ナイフを投げて渡して!」


晴香は言われるままにナイフを投げる。


有紀奈はそれを受け取って患者の首に刺し、そのまま首を引き裂いた。


有紀奈を掴む力が抜け、患者は地面に倒れて動かなくなった。


「何なのよこいつ…」


「頭を撃ち抜かれたのに、動きましたね…」


晴香が患者の死体を見ながらそう呟く。


「突然変異…かしら。"暴走"してるようにも見えたけど」


有紀奈は完全に外に出るまで、患者から目を離さずにいた。


「(あの暴走状態の患者が複数出てきたら、かなり危険ね…。もっと強力な武器が欲しいわ…)」


2人が管理棟を出て遊具エリアに向かおうとした時、有紀奈の無線が鳴りだした。


「冴島、どうしたの?」


『報告すんのを忘れてたんだが、もう1人の生存者も発見したぜ』


それを聞いて呆れる有紀奈。


「それを忘れないで頂戴」


『すまんすまん。それで、今"アルファ"に居るんだが、生存者を見つけて救助しに行く所だ。お前達は"ベータ"に居るのか?』


「偶然見つけた公園を探索中よ。生存者が居るかもしれないから、私達はしばらくここを調べてみるわ」


『了解。何かあったら連絡してくれ』


有紀奈が無線を切り、晴香を見て言う。


「風香ちゃん、見つかったらしいわ。今は私の仲間と一緒にいるから、もう大丈夫よ」


「良かった…。すみません、立て続けに迷惑かけちゃって…」


「いいのいいの。それに、私にも責任はあったからね」


「有紀奈さん…」


2人は話している内に、来るときに通った遊歩道まで着いた。


「ねぇ晴香ちゃん。別のルートってあるかしら?」


有紀奈が遊歩道を見ながら晴香に訊く。


「1つ知ってますよ。遠回りになっちゃいますけど」


「この道を通るよりはマシよ。そっちに行きましょう」


「わかりました。こっちです」


晴香が案内したルートは、有紀奈が手榴弾で破壊した噴水に続く小さな水路を辿り、その噴水の地点まで戻るというルートだった。


水路の横には道があり、2人はそこを歩いて進む。


しばらく無言で歩いていたが、途中で有紀奈が口を開いた。


「…それにしても、自然の多い公園ね。こんな状況じゃなければ、ゆっくり散歩でもしたいわ」


「有紀奈さん。お散歩好きなんですか?」


「あら、似合わないかしら?」


「い、いえ!そんなつもりじゃ…」


晴香が焦った様子で両手を振る。


有紀奈は笑って晴香を見た。


「今度、一緒に散歩にでも行きましょ?私、いい場所色々知ってるわよ」


「は…はい!絶対連れてってくださいね!」


2人は顔を見合わせて笑った。


第5話 終




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