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第十五話 〜虹の効力 美琴編 後編〜

(無事遅れずに理科室に到着したけど、理科って授業つまんない〜。なにか面白いものないかな〜)



などと進学校生徒にあるまじきことを考えている美琴があたりを見回していると、床の上に折り鶴を見つけた。


(そうだ!ボクも折り鶴を織ろう!)



そして過ぎていった理科の授業。







時は休み時間




「美琴!家に帰らずに直にオレん家に来いよ!」


「わかったよ。祐二君!でもお菓子買いに町の商店街によらない?」

学校の近くに商店街があるんだよね〜。なんとそこはとても大きくてなんでもあるんだよね〜。ゲームセンターも有るし、八百屋、本屋、音楽教室、カメラ屋などなど無いものはない!みたいな感じ。駄菓子屋ももちろんある。なんと似顔絵屋なんてものもある!ビックリだよ。




「その必要ねぇよ。菓子ぐらい家にあるからさ。」


「あ、な〜んだ。なら行かなくていいね。」

「そういうこと!んじゃラスト授業頑張ろうぜ。」


と言って祐二は自分の席に戻っていった。



(う〜ん、久しぶりによっていきたかったんだけどな〜。まぁ、別にいいか。)と言って、美琴はまた折り鶴をつくりはじめた。










そして一日の授業が終わり、祐二と遊ぶ約束をしていた美琴は約束通りに家に遊びにいったのだが………



「ねぇ祐二君。ここ、祐二君の家だよね。」


「あぁそうだけど、やっぱり驚くよな。」


「豪邸だよ?驚かないほうがボクは驚くよ………。」


そう、祐二の家は豪邸だ。美琴の家と比べられないほどの豪邸である。どの様なものかは想像していただきたい。


「まぁ上がれって!オレの部屋でゲームとかしたり、話をしようぜ。」


「お邪魔します………。」


(あいや〜。祐二君ってお金持ちなんだな〜。通りで完璧超人な訳だよ………って違うかな?きっと、祐二君の部屋までだいぶ時間かかるんだろうな〜)


だが、美琴の思惑に反して数分でついた。後に祐二に聞いてみると

「なんで、オレが部屋に行くまでに時間をかけなきゃいけないんだよ。デカイのは好きだが時間を無駄にしたくないな。」

だそうだ。



美琴は祐二の部屋で一番初めに目に付いたものは、飾られているトロフィーと表彰状だった。しかも、そのほとんどが祐二の中学生時代の部活のものだった。



「すごーい!祐二くん!こんなに中学時代活躍したんだ!」


「まあな。でも飽きっぽくさ、県大会出場でその部活辞めてんだ。」


「えー!もったいない!」


「なんか冷めちまうんだよな。なんかこう燃えたいんだけと、楽々勝ってしまうからテンション下がるんだよな。」

そう言っている祐二の顔には自信に満ち溢れていた。


「でも夏の大会も出場で、その半年後の新人戦でまた出場って呆れちゃうよ。ボクなんて………。」


「ま、まぁいろいろあるからな。気にすんなって!それよりゲームしょうぜ!これ、昨日発売されたゲームなんだけど………。」

祐二はその時、美琴が落ち込んでいる理由は努力したのにいけなかったと思っていたのだが、それだけでは無かった。美琴が落ち込んでいた理由は…………まだまだ謎にしておこう。




その後、美琴と祐二はずっとゲームをしていた。そして、一時間たつと、祐二がトイレに行くと言って部屋を出ていった。美琴は、部屋の中にトイレぐらいないのかな?と思ったが深く考えないことにした。

祐二がトイレに行っている間、美琴はゲームを一人でするのも嫌だと思い、祐二のトロフィーを見ることにした。


(すごいな〜。剣道個人戦一位、水泳個人戦一位、卓球シングル一位、柔道個人戦一位。一位ばっかりだ…。本当に神様は人間を平等に作っているのかな?)

こればかりは神様を恨んでしまうのは仕方ない。

そして、祐二の栄光を眺めていると、美琴は共通点を見つけた。それは………

「あ、美琴。ゲーム待っててくれたのか?」

祐二がトイレから戻って来た


「あ、うん。」


「悪いな。んじゃ続き始めるか。」


「それより祐二君。なんでこのトロフィーとかは個人戦しか無いの?」


「?なんでって、理由聞きたい?」


「うん。」


祐二が言った理由を簡単に説明すると、ただ単に足を引っ張られたくないからだそうだ。

「ねぇ祐二君。仲間を信じられなかったの?」


「信じられなかったわけじゃない。仲間が、オレが負けてしまう要素になるかもしれないからだ。でも仲間とは仲良かったぜ。オレ一人飛び抜けていたけど。」

祐二は得意そうに言っていた。だが、美琴が呟いた

「ボクとは違うんだ。」というセリフには気が付かなかった。しかし、美琴はすぐに元に戻り、あるいい考えを思い付き、祐二に言った。


「なら、ソフトテニス部に入らない?」

突然の勧誘だった。祐二は驚いた。訳が分からなかったのだ。


「どうしたらそうなるんだ?」


「祐二君はチームプレイみたいなのをやったことないんでしょ?ソフトテニスは二人でやるものだから始めたら?」


「だから、おことわりだって。チームプレイとかめんどいし。」


「ボクがペアになればいいじゃない!ボクがペアなら大丈夫でしょ?」

美琴の目は本気だった。祐二もその気持ちが伝わったのか、少し考えて結論をだした。


「やっぱり、ダーメ。と言うつもりだったけど、高校一番最初の友達だもんな!わかった、入部するぜ!」


「本当?やったー!」その後、美琴はずっと狂喜乱舞していた。またしばらくゲームをして祐二の家を出た。






そして美琴の家。そこでも、美琴の顔は笑顔だった。



美琴はすぐにご飯を食べ、風呂に入り、自分の部屋に入った。すると姉が意地悪そうな顔付きで部屋に入って来た。


「ど〜したのかな?美琴クン。顔がにやけているみたいだけど。そ〜いえば、今日は太陽の周りに虹が出来ていたらしいじゃない。」


「あ!お姉ちゃん!お姉ちゃんの言う通りになったよ!今日は忘れられない日になりそうだよ!」


「そっか〜。美琴にもやっと彼女が出来たんだな〜」


「違うよ!新しい仲間が出来たんだよ!」

そう美琴が言うと、姉はつまらなさそうな顔付きになり

「なんだ、そんなことか〜。私は彼女が出来たんだと思ったんだけどな〜。」

と言った出ていった。



姉が出ていった後、美琴は刹那に電話しようとしたが、明日ビックリさせようと思い、電話するのを止め、布団に入った。

そして、今日のことを振り返った。



(今日は密度の高い日だったな〜。部長の言う通り部員も獲得したし、折り鶴も上達したしな〜。そういえば、今日、女の子とぶつかったっけ。痛かったけど、あの女の子、可愛かったな〜。ショートカットでさ。)

美琴はいつのまにか、女の子のことばかりを考えていた。


(もしかして、あの女の子の出会いも虹の効力だったのかな?そうだったらいいな〜。お姉ちゃんが言ったこと、現実になっちゃうのかな。)




そう思いながら過ぎていった、美琴の密度の高い日。

グラシアス!

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