第十四話〜虹の効力 早野瞳編〜
━━ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピッ━━
「ふぁ、ん〜」
私は、目覚ましを止め、大きなノビをした。
はじめまして!、もしくは、お久しぶり!(これは無いよね)
早野姉妹の妹の方、早野瞳です。簡単に私のプロフィールを説明すると、身長は160センチ位。体重は…………やめとくわ。なんか殺気を感じる。『そのプロフィールはあんただけじゃない!』と心に聞こえてくる。
スリーサイズも言わない方がいいみたいね。
ふと思ったけど、女の子が自分の身長体重を話さないのはなぜなの?見た目は痩せて見えるけど、本当は太っていることをばらしたくないから?そこまでして見た目を良くしたいの?
私には分からない。第一印象は大事だと思うけど、話している内にそのメッキははがれる。はがれたくないなら、話さないかメッキをつけないか。
私は心を重視する。外見や他人の目ばかり気にしてる人は嫌いだ。そのままの自分を表現してる人が好きだ。
話がずれちゃったね。元に戻します。
まずケータイを開き、今日の運勢を見てみる。私はこういう占い事が好きで、毎朝起きて確かめている。
まずケータイの占いの結果は……………うん!やった!一位!
えっと、『理想の人が急に現れる』か…………。『理想の人』ねぇ。
次にタロット占い。
やった人は分かると思うけど、やり方が難しいので神経をかなり使うけど、結果が沢山あるから楽しみなんだよね!
よし、これだ!…………う〜ん、『運命の輪』か。タイミングをはずさない様にしないと。
(タロット占いを知らない人はごめんね。)
最後にテレビの占い。私は居間に行き、テレビの占いを見た。
『さて、今日一番ラッキーな星座は……………CMの後で!』
……毎回毎回思うけど、この手のCMムッとくるんだよね。視聴率なんかのために視聴者をわずらわせるだから。こんなことしてまで数字(視聴率)をとりたいの?
そして一分後。
瞳の機嫌は治っていた。理由はやはり今日一番のラッキー星座だったからだ。
うん、今日はいい日になるかも!でも『出会いの予感。出会うまで慌てないこと。』ってことで、今日の占いは恋愛要素ばかりね。初めてじゃ無いのかな?でも、『あの虹』をみるまでは信じられないな。あれが私の中では最重要占いだし。でも、ラッキーアイテムなどは出来るだけ着けるけどね!
そして数分後。哀歌の部屋からラジオ体操第一が流れてきた。
そろそろ哀歌が起きてくるころね。それじゃご飯にしよ!
哀歌が今流行のヘアースタイルにしようとしていた。私は何も知らない振りをして少し馬鹿にしたら、哀歌が馬鹿にした様な目付きで見ていた。
『知らないの?』
って感じで。私もそれぐらいは知ってる。これでも女の子なんだから。ずっとショートカットでイイの。
「行ってきまーす。」と言い外出ると、私の目の前には雲一つない空があった。しばらく見ていると、私はハッとして太陽を見た。
うれしい。今日は忘れられない日になるんだ…………。それに理想の人との出会い。でも、タイミングが大事。焦ってもいけない。占い通りにすればイイのよ。キット上手くいくよね!
だが瞳は知らない。哀歌がその時、どんな目で見ていて、どんなことを決心したのかを。
時は学校
瞳は出会いを待っていた。学校に着いてからは全てのことに余裕を持って行動していた。移動の時も、黒板の書き取りも。だが、出会いなんてものはなく、逆に理科の抜き打ちテストに不合格になり、昼休み再テストを受けるはめになった。
そして時は昼休み………。
さすが、高校の抜き打ちテストね。難しいわね。予習復習ちゃんとしなきゃね。わたしは落ちこぼれなんかになりたくないし。
などと私が考えながら廊下を曲がろうとしたら急に目の前に人が現れてぶつかってしまった。
「わっ!!」
「きゃ!!」
今思うとなんて偶然なんだと思うけど、出会いってこんなものなのよ。
目の前には男の子がいる。まるで女の子の様な男の子。髪がサラサラで長いのはキメているんじゃなくて、仕方なくそうなってる。前髪で目が半分隠れている。顔は可愛い。
これが、私なりの第一印象。
そしてあわててあやまってきた。仕草にわざとらしさが無い。
会話も少しした。明るく素直な喋り方。
一緒に笑った。楽しくなる笑顔。
そして、急いで理科室に入っていった。
私は占い通りに理想の人と出会った。
フランス語で『はい』は『ウィ』だそうです