悪魔教団の活動報告
私は悪魔教団の司教である。我々は悪魔と共に、世界を正すために、日夜活動しているのである。
悪魔教団のトップは大司教猊下である。大司教猊下は千年も前から、悪魔教団のトップである。元はただの人間であるはずの大司教猊下が、不老不死を体現しているその力こそが、悪魔の齎すものである。
当然だが、悪魔に願いを叶えて貰えば、契約者は死ぬことになる。よって、仲間が死ぬことは避けられない事でもある。
それでもやりようはあると、大司教猊下がその年齢をもって示しておられるのだ。
要は、我々は悪魔と知恵比べをしながら活動しているのである。
今日は活動報告の日である。
ウェイトリー王国支部の契約者は残念ながら殉死したようだが、見事にその望みを叶えた。
契約者であるミシェル・ウェイトリー司祭は、叛逆により家族を皆殺しにされた王族の生き残りであった。彼女の悲願は家族の仇打ち。
彼女は悪魔の力で名を変え姿を変え、長く潜伏し叛逆に関わった者を突き止め、それらを全て皆殺しにしたのである。それには二十年にも及ぶ歳月がかかったが、最後の一人を殺害し、ついにその悲願を成し遂げた。崇敬すべき執念である。
彼女が王宮から逃げ出し、悪魔教団の門を叩き、そして今日まで三十五年。その三十五年の間に、ウェイトリー王国は悪政により荒廃の一途を辿っていた。
真なるウェイトリー王家は、彼女が亡くなった事で滅亡する事となったが、現在の王家を打倒し、彼女に女王となって欲しいと、彼女の存命を知るものは切望していた事だろう。
そのくらい現王家の横暴は凄まじかった。彼女は復讐を遂げただけでなく、ウェイトリー王国を救済した英雄である。
我らは涙と共に、彼女の功績を称えた。




