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9話 トラウマ

夏休みを終え、二学期を迎える。

朝、涼は茜の家まで迎えに行く。茜の家に着いて、着いたとLINEを送る。すると、それを待ち構えていたかのように、玄関が開く。

「ジャッジャーン♪愛しの茜ちゃんの登場でーす!ニヒッ♪」

「どんな登場の仕方なんだよ!」

そんなこともありながら、学校へ向かう。

茜は夏祭りのことを思い出しながら、ニヤケながら涼の腕に抱きつく。

涼は嬉しい半面、かなり照れくさくもあった。

それとは対照的に茜は照れ的な部分よりも楽しいや嬉しいの方の気持ちが強く出ており、涼は茜の照れがないことに対して少し疑問を抱いていた。


周りの生徒も夏祭りで2人の様子を見かけた人も多く、付き合ってるというのはすでに広まっており、当然ながら注目の的であった。

そして、茜に対しても嫌みな陰口がコソコソと聞こえてくる。茜は少し腹が立ち、あることを思いつく。


「ねぇ!夏祭りで言ったこともう一度言ってみてよ♪録音し忘れちゃった」

涼は何のセリフかすぐに察しがついた。

「はっ!?ふざけんなよ!こんなとこで言わねぇよ!それに、あの時、お前も同意してただろ!」

茜は少しとぼけるような感じを出す。

「そうだったっけ?...したはしたような気はするけど、私の口からLove言ってないよ♪友達としてはLikeだったから受けれただけだよ♪」


涼はなぜ茜には照れ的な部分が感じられないのかがやっと分かった。


なんて、ずる賢い考え方なんだ、こいつは,..

「すっかり忘れてたぜ。お前は首輪を付けるイカれ野郎だってことを...」

茜はニヤリつく。

「ニヒッ♪そうでしょ♪私はいい女でしょ♪」

涼は周りが見てる前で、壁ドンして顎クイする。

「愛してますよ♪ご主人様♪これで満足ですか?」

茜の頭は沸騰する。

「....」

涼はここぞとばかりに仕掛ける。

「そういう急に乙女になるとこ、好きだぜ♪茜♪」

茜の顔はさらに赤くなり、真っ赤っ赤になり、何も言えなくなる。

「....」

涼はさっと手を離して、歩き始め、ボソッとつぶやく。

「こんなサービス二度とやんねぇからな」

茜は涼を指さして、念の為の確認をする

「まさか、他の女にもしてるんじゃないでしょうね!!」

涼は振り返り、ほっぺを人さし指でかきながら、少し照れくさそうに話す。

「バカ言うなよ。こんなことを茜以外にするわけねぇだろ。」

茜も自分で聞いてて恥ずかしくなり、ほっぺをかきながら返す

「....うん、そうだよね。」


昼休み、いつも通り学食でご飯を食べる、涼と茜。ご飯の決め方は当然、茜の占いによって決まり、茜はAランチ、涼はカレーライスとなった。

「やったー!Aランチ!」

「カツ欲しかったなぁ....」

そこに、学級新聞部長が取材に来る。

「ちょっとお話いいでしょうか!?」 

涼はだるそうな感じに対し、茜はなぜか乗り気満々だった。

「まぁ、少しだけなら...」

「もちろん!!」

新聞部長の質問が始まる。

「告白はどっちからでしょうか!?」

「一応、俺からです。」

「どんな言葉を!?」

「茜の全部が欲しいって言いました。」

「茜さんホントですか!?」

「少し違いますね。彼、照れ屋さんですから。

お前の全部が欲しい、お前がそばにいるだけで俺は惚れ狂いそうになっちまうとまで言ってました。」


その告白のどこが刺さるんだろう...ホントに変なやつだな...


「それじゃ、彼女さんは今、どういう心境ですか?」

「私はLikeですかね。LoveではなくLikeですね。だから、言ったんですよ。私はLikeの方だから、Loveにしたいなら、もっと甘えさせてよね!って。」

「彼氏さんは何て!?」

「今までで1番の幸せだ!!」

涼は軽いツッコミを入れる。

「勝手に俺を変態にしてんじゃねぇよ!」

部長は最後のまとめに入る。

「つまり、彼女さんがドSで、彼氏さんはドMだったということでしょうか!?」

「はい!もちろん!」

「いい記事が書けそうです!!!」

「いや、半分以上は茜の捏造ですけど」

部長は彼氏さんの耳元でつぶやく。

「捏造のほうが売れ筋いいんですよ.♪..」

まともな奴いねぇな...


放課後のチャイムが鳴る。

涼はこの日、バイトがあり、一足先に帰る。

茜は自分の下駄箱に手紙が入っているのに気付いた。手紙には


明日、屋上に来ないと、あなた達の秘密をバラす!バラされたくなければ1人で朝のホームルーム前に屋上に来なさい!


と書かれており、茜は秘密が何かを考える。そして、その秘密が最初出会ったときの脅しの写真だと察した。


後日、朝のホールルーム前、茜は屋上に行く。

涼はホールルームが始まっても戻ってこない茜を不思議に思いつつ、嫌な予感が胸をよぎる。


その頃、屋上では茜が2人がかりで抑えられ、

ファンクラブ会長が、茜のスマホを物色していた。

「ホントにバカね♪あんなことで来るなんて」

「騙したの!?」

「そうよ。あなたが最初、首輪つけてた頃、絶対に裏があるって確信してた。だから、その証拠を探してんのよ!」


ヤバい...あの写真に触れたら


会長はお目当ての物が見つかり、茜に確認を取る。

「あんた、これで脅してたの?」

「..知らない...そんなの。」


2人も気になり、見る。

「うわっ!?何これ!?」

「気持ちわるっ!引くわ!」

会長はさらにニヤける。

「いいこと思いついちゃった!」


会長含めた3人は急いでその場を後にして、涼のクラスへと向かう。茜もその後を追う。

ちょうどホールルームが終わり、担任が教室を出ていったタイミングで、会長含めた三人が入り、


「皆ー!!大ニュースでーす!!!」


茜もちょうど教室に着いて、涼のそばに行く。

「ヤバい!どうしよう!!バレちゃった!あの写真!!」

茜はすごくテンパっていたが、涼は冷静だった。涼はいつかはあの写真もバレるであろうと想定していたからだ。

とりあえず、茜を自分の背後に隠して守る姿勢を取る。

会長はニヤけながら涼のもとへ近づいていく。

「涼くんはこんなハレンチなことするのがご趣味なんでちゅか〜?」

「あぁ、そうだね。」

周りの反応は引く。

「うわっ!マジか!?」

「気持ちわるっ!」

「なんか冷めたわ」

「マジ変態じゃん!」


会長の狙いは周りを引かせて競争率をなくし自分の物にすることだったので、作戦がうまくいき調子に乗る。

「もし、良かったら、私が実物モデルになってあげてもいいよ♪ププッ」

涼は会長をあざ笑う。

「ププッ、ホントにバカだなぁ♪お前♪」

会長は悔しく反抗する。

「はっ!?変態さんに言われたくないんですけど!!」

「いいこと教えてやるよ♪」

「何よ!?」

「俺、自分の母さん、殺したことあんだ。」

「えっ?」

「だからさ、お前も同じようにしてやろうか?」

会長は戸惑いつつも半信半疑な様子で言葉を返す

「脅し?そんなの通用しないわよ!」


「俺の母さんは本当に他界してる。俺は母さんのことが大嫌いだったし、自殺するまで自分の母さんを追い込んだ。

要はお前も同じようにしてやろうかつってんだよ?意味わかる?」

「....」

「もう、話ないなら2度と俺の視界に現れんな!」

会長はグズグズ泣き始める。

「..なんで私じゃなくて、こんな女なのよ!ずっとファンだったのに!」

「知るかよ。そんなの。お前に魅力がなかった。それだけの話だ。」

「もう、ファンやめる!!!」

会長は泣きながら出ていく。


周りは異様な目で涼を見るが、涼は何事もなかったように座る。茜は本当に申し訳ない気持ちになった。


1限目から陰口がボソボソと涼と茜の耳元に入る。涼は王子から完全に悪者へと転落した。

「ちょっとやりすぎじゃない...」

「なんか、すごく冷めた」

「顔よくても中身クズじゃん」

「自分の母さんをあんな言い方するなんて」

男子からはちぎり紙が投げられる始末。

紙にはひどい内容ばかり書かれていた。


人殺し!

クズ!最低!

など。


茜はこれ以上は耐えられないと思い、先生に抗議しようと思った時、涼が机をバンと叩き、立つ。

「俺は殺してない!!俺は悪くない!!!

あいつは死んでも仕方ないやつだった!!それだけだ!!!」

そして、泣きながら、教室を出ていく。教師がとっさに涼に寄り添い、保健室まで付き添うことになった。


茜はただ見ていることしかできなかった

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