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2話 ご主人様のやりたい事

キーンコーカーコーン。学食の時間が始まる。

茜はニコッと笑いポチに話しかける。

「美味しいご飯、食べ行こっか?♪」

涼はこれでもかと嬉しそうに返事を返す。

「はい!喜んで!!」

茜は今でも吹き出しそうになっていた。


涼は本当に嬉しいわけでもなく、ご主人様の誘いには嬉しく返事をするとノートに書いてあり、仕方なくそうしているだけだった。

茜は学食のメニューを見るなり自分の食べたいものを伝える。

「うどんとカツ丼、シェアしようよ!」

「俺はうどんじゃなくてそば派なんだよ」


茜は涼の言葉なんて聞くつもりもなく、早速注文をする。

「カツ丼とかき揚げうどんで!」

「おい!」

茜は真剣な眼差しで涼を説得する。

「今日のラッキーアイテムはそばじゃなくて、うどんなの!次、のラッキーアイテムでそばが出たら、そばにするから、我慢するんだよ!ポチ!!」


涼はまさかの食事方法の決め方に驚愕する。

まさかのラッキーアイテムで食事が決まるのかよ!!??


「いただきまーす」 


そんなこともありながら、放課後を迎える。

帰り道、茜はふと疑問に思った事を聞く。

「あのさ、何でここまで忠実に従うの?」

「えっ?お前がそれ言うの?」

「ここまで付き合ってくれるとは正直思ってなかったからさ。」


涼自身も、今思うと、脅されてるとは言え、ここまで従ってる理由が分からなくなり、少し考える。そして、ある答えにたどり着く

「悪い奴じゃないから。どうせ、俺が従わなったとしても、その写真バラさないだろ。お前?」

茜は予想外の答えにちょっと驚きつつ、動揺を隠そうと、必死になる。

「それはどうかな!?分からないよ!?私は女王様なんだから!!」


涼は茜の分かりやすい反応に対して指摘する。

「人が嘘を付く時の特徴。顔を背ける。腕を組む。足をトントンして落ち着かなくなる。」

茜は全部ハマっていた。

「しまった!!!」


「お前の豹変ぶりにはビビるし、万が一もあるから従ってはいるけど、お前はいい奴か悪い奴かの部類で分けたらいい奴の方だろ。」

「えっ?ただそれだけ?」


「大きく言ったらその2つの理由だけだな。俺、悪い奴の部類の奴には脅された程度で従うつもりないし。」


そこから茜のやりたい事をどんどんやっていくことに。

2日目の放課後はメイド喫茶に行くことに。

「ただオムライス食べるだけじゃ終わらないよな?」

「うん、すっごく面白いこと考えてるの♪」

涼は茜の笑顔に恐怖を感じる。

何考えてんだ、こいつは....


お店に入るなり、店員はリードで繋がれているカップル入店に少し戸惑う。

「いらっしゃいませ〜♪ご..主人...様?」

そして、席へ案内され、座る。

2.3分後、注文する物が決まり、店員を呼ぶ。

店員にオムライス2つを注文し、オムライスが来るのを待つ茜とポチ。

そして、オムライスが運ばれる。


店員はいつものようにおまじないをかけようとするが、それを茜が制止する。

「ストーーーップ!!!!!」

「ポチ!私に愛を示しなさい!!」

「はい?」

「このオムライス、私に対して、店員と一緒に愛のおまじないをするのよ!!」

涼は覚悟を決める。

「..はい!!わかりました!!誠心誠意、愛を込めさせていただきます!!」

「うん!嬉しい♪」


涼は1分ほど時間を費やし、必死に覚え、その成果を見せる。そして、茜に対して感想を問う。

「どうでしょうか?ご主人様?私の愛のおまじないはいいスパイスになってますでしょうか?」

茜は一口食べて、感想を述べる。

「冷食の味と何も変わらない!!!」


俺の頑張り、返せや、コラァ〜!!!


3日目はプリクラに行き、茜が色々な動物のカチューシャを持ってきており、それを涼に被らせ一緒に撮影した。中には赤ちゃんの格好のもの、おしゃぶりまで一部用意されており、茜は涼がおしゃぶりをくわえる姿を見て、爆笑した。


こいつはホントにいい奴の部類なんだろうか....


4日目は涼がバイトのシフトの為、何もなく、あっという間に金曜日を迎えた。


放課後の帰り道、茜は独り言のように話し始める。

「残り2日間となり、僕の心はいつのまにか、ご主人様から離れていくことを、命令されないことを寂しいと思うようになっていた...」

「おい!勝手なナレーションはやめろ!」

「そこは、照れ隠ししながら、恋しくなっちゃわねえよ....とかそんなんでしょ!」

涼は茜に対して思った事を口にする。

「お前の頭はイカれてる」


もうそろそろ茜の家に着く頃、茜はあることを思い出した。

「あっ!そうだった!」

「なに?」

茜は涼につけていた首輪を外してあげることにした。

「残り2日間は首輪外してあげるね♪」

「えっ?なんで?」

「最初は面白かったんだけど、3.4日目辺りから変な人と会話してるみたいに感じてつまらなくなっちゃったんだよね♪ごめんね♪」

「なんて、身勝手な持論なんだ..」

そして、茜は明日の土曜日の予定を嬉しそうに話す。

「明日は映画!映画だから!超絶面白いから期待しててね!またね!!」

「あぁ、わかったよ。」


後日、映画館へ足を運ぶ。

「私、ずっと楽しみにしてた映画あるんだ♪」

「どうせ、ラブコメとかそんなのだろ?何が面白いんだよ。」

「私は大人だから、そんなのものは興味ないんだよね♪」

「じゃ、何見るの?」

茜は指をさして、見たい映画を示す。

「これだよ!!!これ!!!」

涼は予想外のジャンルで思わず、本音を出してしまう。

「ヒィ〜!!」

茜は一瞬、聞き間違いかと思い、問い詰めてみる。

「ヒィ〜?」

涼は声を震わせながら答える。

「へぇー、ホラー..映画..ね?全然、余裕に決まってんじゃん...」

茜はニヤリつく。

ポチにホラー映画見せたら、めっちゃおもしろくなりそう!

「どうせならさ、2本新作あるし、2つ見ようよ!ねぇ♪」

涼はできるだけ恐怖心を和らげようと後ろの席を提案する。

「いいな、それ!...後ろの方座らない?できるだけ後ろ?1番後ろの席!!」

茜は涼の考えはお見通しで、少しいじわるをする。

「絶対、前のほうが面白いよ!....それとも怖いの?」

「なわけないだろ!お前が怖がるかと思って気を使ったんだよ!俺は!」

茜は作戦がうまくいき、ニヤリつく。

「それじゃ、最前席で見ようね♪」

「...余...裕だね!」 


涼は結果として、

1本目は涙をポロポロ流し、2本目に関しては気絶する始末。茜は隣にいて、笑いを抑えるのに必死だった。

「ププッププッ、まさかの失神!ヤバっ!ププッお腹痛いよ!」

「たまたまだ!たまたま!」

「私も泣きそうなくらい怖かったでちゅ〜♪」

「あんなの何が面白くて見るんだよ!」

「ププッププッ、強がってると余計に面白いからやめてよ!ププッププッ」

涼はこのままだと、笑われ続けると思い、仕方なく認める。

「あぁ、苦手なんだよ。ホラー系!誰にも言うなよ!」

「分かってるって、それくらい。ププッ」


その後、茜と涼はフードコートへ行き、食事にした。

「なんであういうの好きなの?」

「理由は特にないけど、ただ好きだからかなぁ」

「いや、見ててここが面白いとかないの?」

「そりゃ、あるよ。でも口にすると難しくて。面白いとは別にストレス発散でも見てるからなぁ、私。」

「ストレス発散?」

「あういうのって、イキってる人が最初に死んでいくでしょ?」

「まぁな」

「それをさ、日頃、私に便利屋として仕事押し付ける奴らに変換して始末するの♪そしたらすごく気持ちいいの♪わかるでしょ♪」

「めっちゃホラーじゃん、お前..」

「そんなことより、スイーツ食べよう!

甘いもの食べたい!」


涼は茜の自由奔放な性格に心にジーンとくるものがあり、少し考え込む。そして、自然と笑いがこみ上げてくる。

「...ププッ、なんだよそれ..」

茜はびっくりしつつ、頭をフル回転させ、笑いの原因の答えを導き出す。

「私の命令がハードすぎて、ポチが壊れた!!」

「ちげーよ。あんなホラーみたいなこと言って、急に甘いものって、どんな思考回路してんだよ..」

「えっ?私ってそんなに変?」

涼は顔をめっちゃ近づけて話す

「めっちゃ変!!けど、面白い!!」

茜は言い返す。

「変じゃない!ポチのほうが変!!」

「ププッ、そういうとこだよ!そういうとこ!

俺、お前のことちょっと気に入ったわ」


なんか、変なツボ持ってる人だなぁ、この人....


茜と涼は映画館を出て、帰ることに。茜は鼻歌を歌うほどご機嫌な様子であった。涼はあと1日何をするのかが気になっており、確かめることにした。

「あと1日は何するの?」

「それはご褒美ってことで、ポチのやりたいことするから、決まったらLINE♪またね♪」

「俺が、考えんのかよ....」

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