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0-0兆候 *

勇者が亡くなった。

そして勇者がいなくなると、魔王がどこかで復活するとささやかれている。


普通の街娘、ラーミラスはある朝おへその下あたりに違和感を感じて慌てて起きる。

そして服を脱ぎそこを確かめるのだが……


「なんで私に魔王軍の紋様が!?」


魔王は勇者にバージンを奪われて従順な下僕と化してしまう。

それを回避するには、完全に魔王化する前にバージンを捨てて魔王に成らないようにするしかない。

果たして、ラーミラスは魔王に成る前にステキな旦那様を見つけることが出来るだろうか?


「おおぉ、何と言う事だ! 勇者様が亡くなられた!」



 魔王を倒したとされる勇者がここウルグスアイ王国の首都、ナッパスの街でその生涯を終えた。



 ―― 魔王あらわる時、神聖なるあかしを持つ勇者もあらわる ――



 言い伝えでは魔王があらわれる時、勇者の紋様を持つ者もあらわれる。

 そう、まるで呼応するかのように。

 そして勇者の紋様は必ず男性に現れ、見目麗みめうるわしき三人の三義さんぎという女性たちを仲間に向かえ魔王討伐に向かうとされている。

 

挿絵(By みてみん)

*AI生成画像イメージです。


 亡くなった勇者のひつぎかたわらにはその昔、共に戦った三義さんぎの一人が妻として彼に優しい顔を向けていた。



「あなた、今までお疲れさまでした。勇者であるあなたのおかげで魔王討伐後、この世界は平穏に過ごせてきました。ゆっくりお休みください」



 そう言う老齢の女性は目の端に光るものを溜めていたが、その表情は優しい笑顔であった。


 そんな彼女の横には三義さんぎのもう一人であった大司祭の老齢の女性がいた。

 彼女も勇者のひつぎの前で優しい笑顔ではあるものの、やはり目の端に光るものを溜めていた。



「勇者様、あなたと過ごしたあの旅は一生忘れぬ私の宝物でした。本当にお疲れさまでした。さあ皆さん共に祈りましょう、勇者様の魂が無事女神様のもとへたどり着けるように」



 教会の鐘が鳴る。

 人々は勇者の死をなげき涙する。



 そして時代はまた移り変わって行くのだった。



 ◇ ◇ ◇



「ねぇ、ラーミラス聞いた? 勇者様がお亡くなりになったって」


「本当? じゃあまた魔王でも復活しちゃうのかな??」


「うーんどうかな? でも魔王が復活してもまたどこかで勇者様も現れて、魔王を討伐してくれるわよ。それに歴代勇者様は討伐した魔王を手元に置いてずっと管理していたって噂じゃない?」


「討伐しても魔王って生き残っているの??」


 ラーミラスがそう友人に聞くと、彼の女は周りをきょろきょろ見渡してからコソコソと言い始める。


「実は教会の幼馴染に聞いたんだけど、魔王って必ず女性でしかもバージンなんだって! それでね、魔王討伐してもすぐにどこかで転生されちゃうから勇者様がその魔王のバージンをうばって手元に置いて管理し続けてるんだって!」


「えっ? 何それ、初耳よ?」


「だから内緒の話なんだって。勇者様にバージン奪われた魔王は従順な女性になり、一生勇者様に仕えるようになるんだって。だから過去には勇者様の妻になった魔王もいるんだって!」


「うわぁ~、何それ?? あ、でも三義さんぎはどうなっちゃうのよ? 今回の亡くなった勇者様だって、確か奥さんは三義さんぎのうちの一人だったはずじゃ……」


「そこは分かんないけど、もしかしてどこかに魔王を閉じ込めていたのかもしれないわよね~」


「ふぅ~ん、でも魔王もバージン奪われてそして勇者様に一生を仕える羽目になるだなんてちょっと不憫ふびんね? 出来れば初めてはちゃんと好きになった人と……」


「ラーミラスは相変わらず夢見る乙女ね? 白馬の王子様でも待っているの?」


「あはははは、流石にそこまではね」




 街角ではそんな話がささやかれるのであった。



面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


*読んで頂きありがとうございます。大変申しわけございませんが本作は不定期更新となります。どうぞご了承いただけますようお願い致します。


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