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女神の三姉妹  作者: 春香秋灯
女神の末娘の子孫
1/19

女神の三姉妹の嫁入り

 昔々、女神は人との間に生まれた三人の姉妹の嫁ぎ先を探していました。

 地上の国々に、仲良しの三人の姉妹が離れ離れになることなく、ぜひ、同じ国に受け入れてほしい、と願いました。

 まず最初に名乗り出たのは、大国サイザン。

 ところが、息子は二人です。

 息子二人は、二人の姉妹に一目惚れしました。

 ぜひに、と願い出ました。

 ですか、一人、末の妹が仲間外れとなってしまいます。

「どうか、末の妹を受け入れられる人はいませんか? 王族でなくても良いのです」

 女神と姉二人の願い空しく、貴族も、平民ですら、妻に、と望みませんでした。

「お姉様、わたくしはかまいません。どうか、二人でお幸せになってください。わたくしは、わたくしを愛してくださるかたを探しに行きます」

 そう言って、誰にも選ばれなかった女神の子は旅立っていきました。

 結局、姉二人は、大国サイザンの王子を選びませんでした。


 女神と三人の姉妹は、隣国エグレンを訪れました。

 ここには、三人の王子がいました。

 しかし、末の王子は、女神の末娘を断りました。

「私には、愛する幼馴染みがいます」

 結局、姉二人は、エグレンの王子を選びませんでした。


 女神と三人の姉妹は、隣国マサラを訪れました。

 ここには、たくさんの王子王女がいました。

 しかし、女神の末娘を誰も選びました。

「こんな醜い妹がいりません!!」

 王女の一人が、女神の末娘に心無いことを吐きしめました。

 結局、、姉二人は、マサラの王子を選びませんでした。


 女神の三人の娘には、皆、父親が違います。

 だから、その姿も違っていました。

 女神の末娘は、お世辞にも美しくありませんでした。

 しかし、女神も姉二人も、女神の末娘を心の底から愛していました。


 女神と三人の姉妹が最後にたどり着いたのは、貧乏国ラッツェンでした。

 この国は、戦争に負け、隣国からはいつも不利な契約を結ばされ、騙されていました。

 この国には、二人の王子がいました。

 二人の王子は、女神の子である二人の姉妹に一目惚れしました。

 ですが、末娘が残ります。

「どうか、僕と結婚してください」

 そこに、貧乏男爵が自らが育てた花を持って、末娘に求婚しました。

 女神の末娘はいいます。

「わたくしには、一番上の姉が持つ戦の加護がありません」

 長女には、戦いの才能と、その加護がありました。

 長女が戦争に出れば、必ず勝利します。

「僕は、畑を耕すしか能がない男です。そんなものいりません」

 貧乏男爵が言いました。

 女神の末娘はいいます。

「わたくしには、二番目の姉が持つ財貨の加護がありません」

 次女には、商売で成功する才能と、その加護がありました。

 次女が商売をすれば、必ず成功しますし、もう、契約で騙されることはありません。

「僕は、作物を作る男です。買ってもらうだけでよいのです」

 貧乏男爵が言いました。

 これには、女神も、二人の姉も感動しました。

 こうして、女神の三姉妹は、貧乏国ラッツェンに嫁ぎ、末永く、幸福を振り撒き、暮らしました。

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