キミに見せたいものがあるんだ
ゆいこ視点で書いております。
ゆいこにとっては、まだ幼馴染のお兄ちゃん2人って感じだったんだけど…
「今日オレの部屋に来て、見せたいものあるんだ」
そうたくみに言われて
今たくみの部屋の前にいる
たくみの部屋のドアをノックする
返事がない…
さらにドアをノックする…
「たくみ、開けるよ。ねぇたくみぃ??」
寝てる?そぉぉっとドアを開けると机の前に座っていた
呼んでも返事しないから部屋に入る
肩をとんとんと叩きながら「たくみ」と声をかけた。
「うわぁぉ驚かすなよ、なんだよ、ゆいこかよー」
そう言いながら、たくみは机の脚に小指をぶつけて痛そうな顔をしていた。
たくみの部屋にはたくみしかおらず、いつもひろしが腰掛けているベッドの辺に座ってみる。
「ワイヤレスイヤホンしてたら全然聴こえなくて、ビビったよ。高いだけあって性能がすごいのよ。」
そう言って私の方に来る。どうやら私に見せたいものはこのワイヤレスイヤホンらしく、お年玉で買ったようだ。
「真剣だったようだけど、何聴いてたの?エロ動画とかだったら引くんですけど…」
「バーカ、そんなん見るかよ、こっち…右耳貸してやるから入れてみて?
…ほら、オレに近づかないと聴こえないぞ。」
私の隣りに座ったたくみの重さでベッドが沈む
そして
たくみの右手が私の肩を引き寄せ私の頭はたくみの右耳辺りにピタッと止まる。
こんなに近づく必要あるの…かな?
「どう?聴こえる」
たくみの息が近い
「うん。この歌私好き。」
「だろ?今度カラオケで歌って聴かせようと練習中なの。
ゆいこがね好きそうなのはだいだいわかるのよ、オレたちガキの頃からの付き合いだからなー。」
たくみの嬉しそうな声で頭がいっぱいになって、右耳で鳴ってる音楽は頭に入ってこなかった。
ひろし「おい、たくみ入るぞ、、」
そう聞こえたか否かでドアが開き、ひろしが手に持っていたカバンが落ちる音にたくみが気づき
「よ、よ、ひろし…」
とたくみのうわずった声、
たくみはベッドから立ち上がり、ひろしに向けて右手を上げた。
ひろし「お取込み中とは知らずに…ごめん急にドアを開けて。
でも、ゆいこ…男の部屋に1人で来ちゃダメだろ?危ない目にあったらどーするんだ。」
ひろしが慌てふためいた様子で捲し立てた。
ゆいこ「お、男の部屋?たくみの部屋だよ?」
ひろし「だから男の部屋に変わりないだろ?」
ゆいこ「う、うん…」
ひろしに言われ急に頬が熱くなるのがわかった。
そして、ひろしはたくみに向かってこう言い放った…
ひろし「あと、勝手にゆいこに手を出したら絶交すっぞ…たくみー!!」
部屋に入ってきてたくみの首を絞めるマネをするひろし。
たくみ「まだ何もしてないし、勝手に想像されても困るっていうか…あーもー悪かったよ、謝るから。ひろしに絶交されたら、オレかなひい。」
2人のやりとりを目を丸くして見ていた。
たくみの部屋は子どもの頃と変わらないのに、
私たちは新しい部屋のドアを開けてしまったのかもしれない。
昔はイヤホン半分ってあの線の距離感が良かったのに、線のなくなったワイヤレスイヤホンでは距離感どんなだろ?と思ったのがきっかけでこのトライアングルレッスンJを妄想してみました。
2人の幼馴染に愛されるっていいなーゆいこ