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どっしりとしたハンプティダンプティ

ハンプティダンプティに関する話し

 ある研究所の地下深く、専用の特殊防寒着を着ても寒さを感じる場所で‘それ’は観測と記録をしている。

研究員たちに巨大ながらもそのフォルムから‘ハンプティダンプティ’の愛称で呼ばれている観測機。

その‘ハンプティダンプティ’からおびただし数の配線が広い空間に一致間隔で並ぶ多様な機器へと接続され、膨大な観測データを送り続けている。


 過去の世界の人々の営みとそれに伴う世界の動きを観測し、多様な機器へ常にその観測データを送り続け機器はそれぞれの形で記録しまとめ上げている。

人類の歴史を詳細に知る為と、人々のどういった営みから世界にどんな影響が出て更に人々がどう動いたのか、それがまた世界にどう影響がありと、観測をしたそれらのデータを分析し今後の‘世界の取り決め’を定める為にも‘ハンプティダンプティ’は記録し続けている。


 たまにハンプティダンプティから不可思議なデータが機器に送られ、機器がそのデータを処理できず強制的に起動停止しなければいけないことがあり、その不可思議なデータが研究員を悩ませる大きな問題となっている。

ごく一部の研究員は

「ハンプティダンプティが自我を持ち、何かをこちらに伝えようとしているのでは?」

と憶測を言い。

また別のごく一部の研究員は

「未来のハンプティダンプティが今の時代を観測しており、それが現在のハンプティダンプティに干渉しているのでは?」

と憶測を言っていたり。

 しかしその不可思議なデータを解析することが現段階でも出来ておらず、一時的な見解として「原因不明のバグ」とされ、そのバグについての研究がされる事になった。


 ◇


 ハンプティダンプティの観測データのごく一部は‘ライブラリー’と呼ばれている場所へ保管され、審査を経てごく一部の閲覧許可が認められた者だけがデータを閲覧することができそれぞれの分野で役立たれていた。

しかしここ最近その閲覧を許可する者の対象から、記憶シナリオライターを外すべきだという声がでており審査基準の見直しが検討された。


 今回そのような声が上がった理由の一つに、記憶シナリオライターの一人が閲覧したデータを‘売った’事が発覚したからだ。

‘ネコ’が摘発した‘ネズミ及びネズミ屋’の中に‘ライブラリー’にあるデータと‘酷似した記憶’を記憶シナリオとして書いた者と記憶体験した者がおり、今回の記憶シナリオライターによるデータを外部へ売ったという事実が発覚に繋がったのだ。


 過去にいた人々の生活の一部を元に、記憶体験の記憶シナリオを書くのは倫理的にどうなのか?

元は医療のために開発された記憶体験であったからこそ、記憶シナリオライターに閲覧許可が下りるようになったが、現在では娯楽としての記憶体験しか存在しないためと今回のようなことが再び無いよう診査の見直しをと、なっている。


  ◇


 ‘ハンプティダンプティ’はずっしりと構え、過去の人々の営みを観測している。

その観測データがどのようなことに使われているのか、何のために観測しているのかは‘ただの観測機械’であるハンプティダンプティには関係の無いことだ。

読んでくださりありがとうございます。

後半パートも残り僅かとなってきましたが、しっかりと書いていきたいと思います。

それでは次話で。良き日々を。

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