あの、チンコ取れちゃったんですが?
チンコ連発に不快さを覚える方は、お読みにならないでください。
目の前の医者は、微動だにせず机に置かれた俺のチンコを
凝集していた。チンコと言っても玉も付いた一式だ。
俺が異常に気付いたのは今朝の事。下着の中に違和感を覚え
布団をまくり思い切って下着の中を覗きこんでみた。そこに
あったのは、身体から綺麗に取れたチンコ一式。股間は、ま
るで女性を思わせる形状をしていた。勿論女性器が変わりに
出来た訳でもない。
その見慣れた形状の物を取り上げると感覚が繋がってる事に
も驚いた。摘んだり引っ張ったりすると俺の体にその感触が
ちゃんと伝達されてくるのだ。
まずは、病院へ行かねばと支度を整えた。でも冷やして持ち
込むべきか温めて持ち込むか変な所に迷いが生じた。その時、
思い出した。指を切断した時は、冷やした状態で持っていけ
ば繋ぎ合わせる事が出来る事を。ただ俺の場合は、指でも無
いし切断でも無い・・こんな事で悩んでる場合じゃないと、
結局ジップロックに入れ病院へ駆け込んだ。
「お身体に他に異常はありませんか」不意に医者に掛けられ
た言葉に我に返った。
「はい、他は何も」これ以上の異常なんかねーだろと返答。
「念の為、調べましょう。」その医者の一言から半日を掛け
俺は病院中をたらい回しにされあらゆる検査を受けさせられ
た。
「健康そのものですね。」医者の一言一言に何故こうも苛つ
くのか。
「ただ・・・」医者の雲った表情に不安を覚えた。
「血圧がやや高めです。」どーでもいーわ!!、心の中の
ツッコミで何とか聞き過ごした。
「で結局治るんですか治らないんですか」俺はアンタと漫
才しに来た訳じゃないんだと言わんばかりに問いただす。
「現代医療では、難しいかと。」現代医療が太刀打ちでき
ない現象が何故俺に!?そんな問が頭の中を駆け回る。
「この状態で今後生きていけと?」
「そーなります。万が一落っことした時には拾った人間の
手の感触を感じる訳ですから、こそばしいかもしれません」
人の大事なモンを落とし物扱いしやがって・・・
「常に清潔に保って下さい、扱いが悪いと感染病に掛かる
恐れもありますから。手術になった際は貴方は、リモート
で手術の経過を見守る事になります」何か治療を諦め注意
事項ばっか抜かし始めた医者は、どこか楽しんでる様にさ
え見えてきた。
「はい、今日は結構ですよ。ベビーパウダー出しときます
から」背を向け無責任な診察を終えた医者がこぼした。
「なんすかベビーパウダーって。」呆れと怒りに満ちた俺
の言葉に医者は振り返り
「いや、貴方の股間に。」
「そこで俺は暴れたね。イスを蹴り上げ、医者のメガネを
地面に叩き付け、カルテをばら撒いたね。」神妙な顔で聞
いてた彼女は車の座席で笑い転げた。
「って冗談じゃなかったの?」そう呟いた彼女の手の平に
俺のチンコ一式が鎮座していた。