52話 勉強をしない、ぐうたら三昧息子の対策
今日は土曜日だ……会社は休みである。
コロナ禍であるため、原則会社が休みの日は外出しない……いわば、ひきこもり生活だ。
ここ数日は、例の女子会もどき以来、大した事件は起こらず、普通に過ごしていた。
急な話ではあるが……昨日めちゃくちゃイライラした。
原因は息子の結太である。
なんか溌剌としていない……グダーとしているのだ。
アニメを見るために夜更かしし、翌日が休みの日には昼まで寝てる、というテイタラクであった。
しかも、一切勉強しない……中学3年生なのに。
ぼくが見る限り、机で俯いているか、床に横になって寝ているか……である。
すでに定年後のオヤジかよ、とツッコミを入れたくなってしまう。
それで体調悪いって言うし、鼻水が止まらないとか、言う。
アタリマエだろ……そんな昼夜逆転みたいな生活していたら。
体調崩すに決まっておろーが……。
も-、ここでぼくは怒りまくりだ!
そもそも体調が万全でなかったなら、勉強どころではないだろ……と。
コロナ禍で世のお父さんは自宅にて仕事していている……のが増えているらしい。
そこへ、ぐうたら三昧の某ネコ型ロボットまんがに出てくる主人公のような息子がいたら、それこそイライラMAXである。
こりゃ、DVに走るお父さん方の気持ちがわからないでもない、と本気で思ってしまった……。
現在時刻は11:00。
いつもの休みの日のとおり、息子はベッドで寝つづけてている。
こんなことでは高校受験に失敗してしまう、と心配になり彼をたたき起こすことにした。
「テメー、クラー、いつまで寝てやがるぅー……さっさと起きて勉強しやがれー」
彼は起きて、ぼくを見ると一瞬きょとんとしたが、またそのまま寝てしまった。
「うーむ、レイカさんの怒った顔では迫力不足ということか……」
『ユウタ君はただ単に眠いだけだと思うぞ』
これは戦いだ……。
息子に勉強しろ、と言うのは簡単だ……既に言ってしまったが……。
しかし、それを聞いた瞬間、彼がやる気を失せる。
なぜなら、人は強制されると反抗したくなるからだ……分かってはいたがついつい……うがぁ……。
息子の将来を心配するあまり、彼にキツくあたってしまっている。
実家の弟が50歳にもなって、75歳の母親におんぶにだっこのひきこもり生活だから、余計にだ。
ユウタの生活態度について、妻の幸菜はこう語る。
「何言っても無駄よ。どうせ勉強しないで、夜更かししてまんが読んだり、アニメ見たりしているんだから」
昔読んだドイツ文学、ヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」 を思い出す。
将来ブッダとなる主人公シッダールタは息子をコントロールできず苦悩する。彼は父親の言うことには一切耳をかさない。力漲る若さゆえ……ブッダとなった彼の言葉ですら聞かないのであるから、我の言葉など話にならない……。
というわけで、妻の言うとおり放置……いや、受容する。
あとは、息子から相談された時に対応すればいい。
まぁ、ぼくに相談するなんてことは絶対してこないであろうが……とにかく、息子のコントロールを諦めることにしたのであった……ブッダとなったシッダールタのように。
これは課題の分離、アドラー心理学の実践である……いつまで続くかわからないが……とにかく前述のようにする。
<登場人物>
・岡本淳也:主人公、男性、52歳、妻子あり、IT企業に勤めるサラリーマンかつ公認LGBT社員、人格は変わらないが、外観はレイカになっている
・桐生麗華:女性、25歳、独身、ニューロ・コンピュータ・サイエンスなどなどの権威、故人、自律型AIに生前の人格をコピーし、DCのサーバに潜伏する。アツヤとは脳内チップを経由して会話する。古武術の使い手でもある
・岡本幸菜:女性、58歳、アツヤの妻、主婦
・岡本結太:男性、15歳、アツヤ/ユキナの息子、中学3年生
・2020.11.27.Fri 誤字等修正しました。




