22話 レイカさんとぼくの会話
翌朝予定どおり5時に起き、朝食など朝の勤めを終わらせる。
リンさんも5時に起き、ぼくに合わせ、バタバタではあったが朝のミッションをこなしてくれた。
現在時刻は6:15……いつもの出勤時間だ。
25分ほどかけて駅まで歩く……これは運動も兼ねているのだ。
今朝はひとりではなく、リンさんと一緒……ふたり並んで、ウオーキングする。
「この時間はまだバスが運行していないんだよね。運動だと思って、駅まで一緒に歩いてね」
「……はい……」
なんか元気がないな……とてもダルそうだ……。
彼女はまるで生気のない、綺麗なお人形さんのようだった。
狭いベッドでの、ぼくとの強制添い寝がダメだったか……。
うーん……それで、寝不足なのかな……??
……。
駅に着いた。
ここで彼女と別れた……何かあったら連絡してね、とあたりさわりのない言葉を述べる。
さ、電車でゴーだ……いつもどおり小説を読むのだ。
いやー、それにしても、昨日はいろんなことが立て続けに起きて……大変だったなー、と思い返す。
『昨日はなかなかエキサイトな1日であったな』
「ですね……前のぼくだったら、すべてあり得ないことですよ」
『ちょっと待て。君は、昨日のすべてのトラブルが私のせいだと言いたいのか?』
「いや……でも……レイカさん……その……とても目立ちますし……」
『フィジカル・インポートの変換ミスは多少あったが、誤差の範囲内のはずだ』
「この立派なレイカさんお胸って……誤差ですかね?」
『……そ、それくらい……ふ、普通だぞ……ぜ、全然……』
みなさん、詳細については4話を読んでください……。
……。
それにしても、レイカさんはきわめて人間に近いレスポンスをする。
ぼくは、彼女がまるで本当の人間であるかのように思えてならない。
ボクとの会話も信じられないくらいスムーズだ。
喜怒哀楽の感情も持ち合わせていて、とてもAIとは思えない……。
『単なるAIではない。自律型AIだ。ほとんど彼女の人格と遜色ないはずだ』
「スゴいですよね……ぼくにとって、あなたは……もうほとんど人間ですよ……ほんとうに」
『ありがとう……そう言ってくれると……正直……うれしい……』
「そうですか……ぼくもうれしいですよ……レイカさん、ぼくはあなたが大好きですよ」
……。
『……アツヤ君……すまないが……も、もう一度言ってくれないか?』
「……そうですか……」
『いや、その次だ……』
「……ぼくもうれいしいですよ……」
『いやいやいや……その次だって』
「……レイカさん、ぼくはあなたが……」
……。
おっ……気がついたら飯田橋駅だ。
……ヤバ、乗り換えないと……。
『アツヤ君、私は君が少し嫌いになってしまったよ』
「……へっ!?……な、なんでですか?」
『わ……私に言わせるのか?……もう……知らん……』
「……す、すみません……」
あちゃー……。
……何か変なこと言っちゃったかな……??
それにしてもレイカさん……あなた……ほんとうにスゴい人ですよ……。
やっぱり……ぼくは……あなたが……大好きですよ……ほんとうに……ほんとうに……。
……これからもよろしく……です……。
『アツヤ君……ゆ、許してあげる……ぞ……今回は特別に……』
「えっ!?……あ……ありがとうございます」
ぼくらは楽しく会話しながら、会社に向かった。
通勤中に読んでいる小説の物語は、なかなか先に進まない……。
でも、これでいい……
なぜなら……大好きな人とずっと一緒なのだから。
<登場人物>
・岡本淳也:主人公、男性、52歳、妻子あり、IT企業に勤めるサラリーマンかつ公認LGBT社員、人格は変わらないが、外観はレイカになっている。同じベッドでリンと添い寝した
・桐生麗華:女性、25歳、独身、ニューロ・コンピュータ・サイエンスなどなどの権威、故人、自律型AIに生前の人格をコピーし、DCのサーバに潜伏する。アツヤとは脳内チップを経由して会話する。古武術の使い手でもある
・鈴原倫:女性、19歳、独身、大学1年生、ロリ巨乳、アツヤの家に泊まる。同じベッドで彼と添い寝した




