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タッグトーナメント(2) ☆

「おおーっと、タムタム選手の背中にナイフが突き刺さっている! これは一体どういう事だーっ!?」

「あれはアーヴィッツ選手のナイフですね。ウドゥ選手と闘っている最中にナイフを投げてたようです」

「レゾフ選手の死の標的(デスマーキング)は飛び道具全てに効果があるのかーっ!?」


 タムタムは冷静にナイフを抜き出すと、遠くへと投げ捨てた。

 彼女が独特の構えをして呼吸を整えると、傷口から流れる血は徐々に少なくなっていく。

 おお、体力回復のスキルか? 


「タムタム選手は氣を練って即座に回復するが、レゾフ選手がこの機を逃さない!! 接近して狙い撃ちだーっ!」


 これはタムタム姉さん辛い所だな。

 回避に専念しても躱し切れずに魔弾を受けている。


 それにしても、自動命中になるなんて死の標的(デスマーキング)便利だな。

 どこかで聞いた事ある気がするんだが、何だったかな……。


「ここでウドゥ選手がタムタム選手の救助に走り出す! 全身鎧が走る姿はまるで重戦車!! 魔弾が飛び交う最中に突っ込んで屈強な鎧で受けきったぁぁ!!!」

「ウドゥ選手はその勢いのまま突進! ウドゥ選手の十八番、クラッシュランペイジが炸裂! レゾフ選手を大きく吹き飛ばしたーーっ!!」


 タムタムの姉さんはウドゥの兄さんが来た事で劣勢から立ち直りつつあった。

 というか、タッグだとこんなに戦況がめぐるましく変わるものなのか!


「レゾフ選手起き上がれない! これは決まったかぁーーっ!?」

「タムタム選手とウドゥ選手はすぐさま反転! この間にアーヴィッツ選手を取り囲んで仕留めるつもりだ!」


 アーヴィッツという長身の男は、挟み撃ちを受けてボコボコにされていた。

 反撃しようにもあの状況じゃなあ……。

 コンビを組んでいるだけあって息が合ってるな、あの2人。


「タムタム選手とウドゥ選手の猛攻を受け、アーヴィッツ選手大きく態勢を崩す! これは決まったか……!」

「おやおや!? タムタム選手とウドゥ選手の動きが止まりました!! ……解説のデネボラさん、これは一体どういう事でしょうか!!」

「アーヴィッツ選手の”凶眼イーヴルアイ”によるものでしょう。彼は相手の戒める特殊な眼の持ち主で、その力で闘いを優位に進めてきました」

「何とぉーっ! ここで追い込まれたアーヴィッツ選手が牙を向いた! 2人同時に動きを止めるとは神業かーーっ!」

「しかし凶眼の効果は僅かな時間のみです。すぐに反撃を受け……」


 凶眼による戒めが解け、タムタムとウドゥが動き出した瞬間、意識外から来た光線に3人の闘技者が包まれた。

 その光線は会場の壁まで達する程激しいものだった。まるで極太のビームだ。


「な、なにぃーっ! アーヴィッツ選手諸共、攻撃されたぁーーっ!! 解説のデネボラさん、あの光は一体!?」

「どういった攻撃かは分かりませんが、こんな事が出来るのはレゾフ選手しかいませんね……。となると、レゾフ選手はタッグパートナー諸共攻撃した事になります」

「確信犯か! それとも作戦の内か! レゾフ選手の全殺し必殺技が炸裂だぁーー!!」


 あの極太ビーム、見覚えがある!

 ゲーセンでガンカタ遊びが流行ったやつだ。

 タイトルは確か……「ガンセット・デスペラード」


 主人公は復讐に燃えるガンマン。

 歯向かう者全てを蜂の巣して復讐を果たすという、ワイルドなシナリオの()()()()だ。

 チープな割にサクサク遊べると評判がよく、次回作が出るって聞いてたけど……。

 まさか、ガンゲーの流派使い(スタイラー)がいるとはな!


 会場はレゾフが撃ったビームのせいで土煙に覆われていた。


「光線に巻き込まれた3選手は一体どうなったのでしょうか! ……おおっと全員健在! しかしながら、ウドゥ選手は大ダメージの様子! 鎧が吹き飛んでいるーーっ!」

「残り2名もダメージが大きいようですが、その場で斬り合いが勃発! そこにレゾフ選手が魔弾で追い打ちをかけたぁーーっ!!」


 何とかいなすタムタム姉さんだが、先程受けたダメージが大きいのか動きに精彩がなかった。

 魔弾を回避できず、ついに空中で多数の魔弾に貫かれる。

 地面に倒れながら最後まで足掻こうとする姉さん。

 アーヴィッツのナイフで喉元を裂かれ、盛大に血の華を咲かせた後に光の粒子に消えていった。


「おおーーっと、無慈悲な一撃がタムタム選手の命を刈り取ったぁぁぁ!! タムタム選手、ここで敗北です!」


 これが闘技者の幕切れの瞬間。

 ……なんてあっけない。


「残されたウドゥ選手は立ち上がり……最後の突撃をしたぁぁぁ!! 敗北を認めなどしない、最後まで立ち向かうと言わんばかりだ!」


 鎧は吹き飛び壊れてしまっていたが、ウドゥは叫びながらレゾフに向けて突撃を敢行していた。

 このまま終わる事が彼のプライドが許さないんだろう。


 あと一歩で届く所でピタリとウドゥの動きが止まる。

 ああ……終わったな。

 ドン、という音を立てて魔弾に貫かれたウドゥは、頭から血を吹き出してその場に倒れて光の粒子となる。


「ウドゥ選手、”凶眼イーヴルアイ”で動きを封じられ、魔弾で止めを刺されてしまいましたーーーっ!!! これにて決着!! Aブロックの勝者はレゾフ&アーヴィッツ チーム!!!!」


 湧き上がる会場。熱狂的なまでの歓声。

 こうして初めてのタッグトーナメントの勝者が決定した。

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