決闘者リウリウ その5 ☆
「ぐおおおおおっ!!!」
聖竜の口から迸る光の奔流を魔竜喰らいで真っ二つに切り裂く。
しかし、打ち付ける滝に斬りかかるようなものだ。受け切れずにダメージを受けてライフが2400へと下がった。
という事は……どうも、バルムンクの攻撃力は1800のようだ。
防御に必死でよく見てなかった。
「どうだい、オレの相棒の攻撃は。こんな大迫力のバトル、アニメみたいだろ?」
「はぁ、はぁ……髪がちょっと焼け焦げたぞ!」
「はは、悪い悪い。どうも演出過剰になっちまうみたいでな。……でも安心しな。連続攻撃は1ターン1回までだから、もう攻撃はできない。ターンエンドだ!」
リウリウは聖輝晶竜スパークル・リベレーター・ドラゴン……通称・聖竜を隣に置き、余裕の構えでこちらにターンを渡した。
最大威力のスキルでも相打ち、しかも破壊耐性持ってて連続攻撃してくるとか冗談じゃない!
ちらとコアブレードを見ると、魔力を蓄積するゲージが光っていた。
やっぱり召喚されたモンスターは魔法による攻撃扱いだったか。
俺の持つ切り札はあと一つだけ。
ちゃんと機能するか検証していないから、初めての実戦投入になる。
大博打もいいところだが……他に切れるカードが無いんだよなぁ。
「俺はこのターン行動をしない! ターンエンド!!」
「おや、直接攻撃をしないのかい? 今ならオレにトドメをさせるぜ?」
「何言ってるんですか。結晶化モンスターが残ってたらブロック出来ますよね?」
「はっはっは。やっぱり知ってたか」
「ダンモンの事は、貴方の動画で1から学びましたからね」
聖竜の第三の効果は、攻撃済でもブロック出来るというものだ。
コストとして結晶化モンスター1体をデッキに戻す必要があるが。
「何か逆転の一手があるのかな? ……オレのターン、ドロー!」
「オレは手札から『静謐なる煌き』を発動! このターンが終わるまで、オレのモンスターは500ポイント攻撃力がアップする!」
「な、何ぃ!?」
「イッツ、ショウタイム!! オレは攻撃力が3000になった聖輝晶竜スパークル・リベレーター・ドラゴンで攻撃!」
攻撃力3000って事は、バルムンクの攻撃力1800で対抗しても1200のダメージ!
2回攻撃を受けたら終わっちまうじゃねえか!
ああでも、迷ってる暇がない!!
「行けえ、光輝のセイクリッド・レゾナント!!」
「切り裂け、魔竜喰らい!!」
再び襲いくる聖竜のビーム。バルムンクで切り裂くと、魔力の蓄積ゲージが蓄積していく。
電子音と共に現れたウィンドウには、ライフ1200と表示されていた。
魔力の蓄積は……予定より僅かに足りねえ!
「結晶化モンスター1つをデッキに戻すことで追加攻撃する! 反逆のプリズム・リベレーション!」
「悪いな少年、ここで幕引きだ! 光輝のセイクリッド・レゾナント!!」
どうする!? 生き延びて、かつ魔力を貯める方法は……!
ええい、もうなるようになれ!!
「魔竜喰らい、頼んだ!」『頑健!!』
俺はコアブレードを地面に刺し、防御の攻撃に耐える。
攻撃が過ぎ去ったあと、俺のライフは100となっていた。
「……心臓に悪いぜ、全く」
「ははは! ギリギリで生き残るだなんて、やっぱりキミは最高だ!」
「そ、そりゃどうも?」
「相棒の攻撃力はターンエンド時の2500へと戻る。……そこまで耐えたからには、何か見せてくれるんだろ? さあ、キミのターンだ!」
俺は地面に刺したコアブレードを引き抜く。魔力の蓄積を見たら2ゲージ半は溜まっていた。
よし、これならば……!
「そこまで言うなら見せてあげますよ、俺の新しい刃を! 剣式変更、フラガラッハ!!」
俺はウォルフラムから受けとった新しい魔術具を剣に差し込んでモードチェンジを実行した。
蓄積した魔力ゲージ2本を消費する事でのみ実行できるこのモードこそ秘密兵器、報讐の刃フラガラッハだ。
「俺は直接攻撃を宣言!」
「甘い! オレは聖輝晶竜スパークル・リベレーター・ドラゴン、第3の効果発動! 結晶化モンスター1つをデッキに戻すことで、攻撃済でもブロック宣言する事が出来る! 守護のプリズム・リベレーション!」
やはりブロックしてきたか!
けど、フラガラッハが思い描いた通りであれば、この一撃で方がつく!
「報復せよ、フラガラッハ!! 」
「光輝のセイクリッド・レゾナント!!」
コアブレードを振り下ろすと黒い斬撃波が出て、襲いくる白いビームを一方的に斬り裂いた。
威力を示すウィンドウには、攻撃力3900と表示されていた。
「何っ!? 何故こんなに攻撃力が!?」
「報讐の刃フラガラッハは、受けた分のダメージを報復する! コイツは今まで受けたダメージと等しい攻撃力になるって事さ!!」
「ダメージを受けたのは、その為だったか!」
とはいえ、こちらの想定通りにいくか、確証は全くなかったけどな!
「行けええぇぇぇぇ!!」
全力で剣を振りかざして二発目の黒い斬撃波を出す。
斬撃波は聖竜に命中し、大きな体がゆっくりと魔法陣へと吸い込まれていった。
立ち尽くす決闘者の付近にウィンドウが出て、ライフが1400から0になる電子音が、決着が付いた事を知らせた。
「まさか、ライフ100から逆転勝利されるとは思わなかったよ」
「バトルは全力を尽くすから楽しい……でしたね」
「ああ、こんなに楽しいデュエルは久し振りだ。またデュエルしてくれ、少年! それまでに、オレはもっと強くなる!」
「ええ、喜んで!」
大歓声の中、俺たちは握手を交わした。
4人目の異世界転移者との決闘は、こうして決着が付いたのであった。




