魔導武器ユニ・ユノ その2 ☆
ダダン! ダダダダダン!!
少年に拳打を撃ち込んで気付く。
……固え!! まるで石のようだ。
コイツ、見た目は人間だが全く違う!
『ブラッディハーヴェスト!』
『頑健!』
ダメージを意に介さず、すぐさま反撃をしてくる少年。
俺は咄嗟に防御スキルを発動する。
「僕達、魔導武器は血も出ないし病気にもならない。こと戦闘に関しちゃ人間より優れた存在だよ」
「ほう? 俺のスキルがどこまで通用するか……その身で確かめてみるか?」
俺達は互いに睨み合い、同時に動き出した。
『双炎拳!』
『フルムーンサイズ!』
拳で殴りかかる俺に向け、横薙ぎの斬撃を繰り出す少年。
胴体を真っ二つにするつもりだろうが……そのスキルはさっき見た!
『襲虎脚!』
『クレセントムーン!』
勢いよくグラウンドを蹴り、斜め45度の短距離ジャンプで薙ぎ払いを躱す。
少年は手の内で鎌を巧みに操り、空中にいる俺に向けて鎌を振り上げてきた。
今度は縦方向の斬撃!
俺は身を捩るように空中で回転して……剣の柄を握る。
『刈卷一太刀!』
ガキン!!
少年の右腕を狙って不意打ちの居合技を抜き放つが、固い体に阻まれる。
……それが何だ。何度も打ち込めばいいだけの話!
反撃に驚いて狙いがブレたのか、縦斬りでさほどダメージを受けなかった。
俺は着地して更に追撃をかける。
『雷火絶刀!』『雷火無刀!』
後退しようとする少年に、絶刀による踏み込み斬りと、無刀による手刀がヒットした。
「ぐっ……こいつ、僕の腕ばかり狙って……!」
「どうした? お前は人間より優れてるんだろ?」
「僕を舐めるなっ、人間!!」
『ブリーディングシュレッド!』
少年はまるで舞踏のように大鎌を振り回すと、無軌道な斬撃が俺を切り刻むべく襲いかかってきた。
さすがに避けられそうにないが……あ、いい手を閃いた。
『突進!』『頑健!!』
「んな……っ!?」
これぞ攻防一体の体当たり!
少年は避けきれずに、鉄となった俺の体当たりを受けた。
ずさささ、とグラウンドに跡をつけて静止する俺達。
俺は少年の上に乗る形でマウントを取っていた。
「……悪いな。その腕もらうぞ?」
『ピアシングセイバー!』
このポジション、このタイミングなら避けられる訳がない。
しかし、突然現れた何かによってスキルは不発となってしまう。
「ばあーーっ!!!」
「おわああああっ!?」
何の前触れもなく現れるとか、びっくりするわ!!
大鎌から人間形態へと急変身をしていたようで、ゴスロリ姿の少女が急に眼前に現れた。
「大丈夫、ユノお兄ちゃん?」
「助かったよユニ。いい子だ」
「えへへ、褒められちゃった!」
いつの間にか少年を庇うような形で、少女が間に入っていた。
……やっぱ相手が2人いるの、卑怯くさくないか!?
「ユニを見て攻撃を止めたって事は……あの噂は本当かもな」
「だよねだよね! ユノお兄ちゃん、今度は私にまかせて!」
「ああ。ユニならやれるさ」
少年はそう言って一回転ジャンプすると、姿がぐにゃりと歪み……大きな剣へと姿を変える。
……コイツも変身すんのかよ!!
少女は剣を引き抜く。
それは、少女の体に似つかない程大きな剣だった。
音叉のように剣の中心が中抜きされていて、全体に黒いものの刃の部分だけ緑色になっている。
「選手交代とか、そんなのアリ!?」
「アリなんですぅー!!」
戸惑う俺に向けて、ゴスロリ少女はんべっと舌を出した。




