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二つ顔ロビン その2 ☆

 俺は全霊をかけて闘気オーラを全身に巡らせる。

 気概で負けるな! 闘志を絶やすな!

 このまま無様に負けるなんて、絶対にするんじゃねえ!!


「うおおおおぉぉぉぉあああああああああああ!!!!!」


 体が壊れようが知ったことか!

 俺は漲る闘気オーラをもって、力任せに魔力の鎖を引き千切った。


 パキィン!!

 耐久の限界に達したのか、魔力の鎖は粉々になって砕け散った。

 SPがゴッソリ減った気がするが、構わねえ!

 これで障害はなくなった!


雷迅脚ライトニングステップ!!』

 俺は最速で反撃を開始する。

 闘気オーラは充分巡っている。

 最速、最短で追いついてやる!


「お前、ぜってえゆるさねぇからなーー!」

流刃斬りゅうじんざん!!』

 流れるように抜刀してスキルを放つ。

 この速度だ、避けられまい!

 剣先が当たる直前、男の表情がすっと消えた。


頑健がんけん!』

 男は、顔前に両腕を出した防御の姿勢を取る。

 その姿勢のまま、流刃斬を真正面から受け切った。


 んなっ、効いてねえ!? 防御スキルか!!

 俺が狼狽えていると、男は懐から何かを取り出してこちらに殴りかかってきた。

 いってぇ! メリケンサック持ってやがるこいつ!


「何故、倒れない?」

「何故、僕の邪魔をするゥゥゥ!」


 うるせえな! 知らねえよ!


「倒れろ、倒れろ、倒れろ! 妻と子と僕のためにィィィ!!」


 男はメリケンサックで滅多打ちをしてくる。

 くっそ、やっぱこいつ肉弾戦するじゃねーか!

 予想外の反撃に合い、後退して距離を取る。

 男は追撃を仕掛けて来なかった。

 ん? 今、何で追撃しなかった?


 ……ははぁ、なるほど。

 こいつの狙いは毒をかけた上での持久戦か。

 となると、男の頼みの綱……あのスキルを突破する方法を見つけなければなるまい。

 俺は先ほどと同じ要領で斬り込んだ。


雷迅脚ライトニングステップ! 流刃斬りゅうじんざん!』

頑健がんけん!』

 やはり使ったか。

 流刃斬が当たる直前、続けざまにスキルを発動した。


開眼!!(カイガン)

 俺はスローモーションの世界で、相手を観察する。

 奴は闘気オーラを地の氣に変換し、全身に纏っていた。

 なるほど、耐久が高くなる筈だ。

 だが、龍気ドラゴンオーラと同じく、強化バフ技はSPの消費が激しい。

 長い間維持する事は難しいだろう。

 それに、防御スキルは発動中に体が硬化する特性がある。

 恐らくスキル発動中は、他のアクションができない筈。


 ということは――

 がちゃがちゃがちゃと脳内で戦術シナリオが組み上がる。

 ……よし、あの手で行くか。

 俺は開眼を解除する。


 ごぶっ

 咳込んだら、口から血が出て来た。

 スキルで激しく動いたせいか、体調が悪くなるだけじゃなく、どうやら毒も回って来たらしい。

 いつの間にか手先が痺れ、剣を握るのがやっとになっていた。

 闘気オーラのお陰でまだ動けるけど、身体は思ったより術の影響を受けている。

 こりゃ、攻撃はあと1回が限度だな。


「いい加減負けを認めろォ! 僕の邪魔をするなァ!!」


 至近距離からメリケンサックで殴ってくる男。

 毒のせいか、大して避けれもせずボコボコに殴られる。

 だが不思議と絶望はしない。

 ここで終わってたまるかってんだ。


「あ゛あぁ? だーれが負けを認めるって?」

「こちとら、やられっぱなしでフラストレーションが溜まってるんだ」

「おいお前。オメーをよぉ、俺が持つ究極のスキルで血祭りに上げてやるぜぇぇ」


 わざとドスを効かせた声で挑発すると、男はスキルを警戒してか防御に徹してきた。

 そうだ、それでいい。

 次の一撃は必ず防いでもらわんと困るからな。


雷迅脚ライトニングステップ!』

 三度目の突撃。男はなんとしても防御する構えだ。

 俺は宣言通り、究極技を発動ーーーー


「アルティメットスラッシュ!」

頑健がんけん!』

 かかった。

 俺は剣を放り投げ、ガシィと男の体にしがみ付く。


「なあっーーーー!?」


 驚愕に目を見開く男。

 残念ーー! そんなスキルはないんでしたー!

 変わりに発動するのはこのスキル!


突進とっしん!!!』

 大地を勢いよく踏み込むと、俺と男は軽々と浮き上がる。

 これがスピード系スキル連続発動コンボだぁあああ!

 雷迅脚込みの突進は勢い凄まじく、俺達は弾丸のように空中を飛んだ。


「は、離せぇーー!!」


 男は頑健を解除して殴ってきた。

 あちゃー、それは失策ですねえ。

 俺を離した所でもう遅いんだな、これが。

 男の目の前には闘技場、観客席の壁!


「う、うわあああああああああああああ!!!!!!!!!」


 ドッゴォ!!!


 勢いよく壁へ激突する男。

 壁には亀裂が入り、男がめり込んでいた。


「あ……、が………!」


 男は白目を剥いてぴくぴくと震えている。

 男に向けて中指を立てる俺。

 はっ、ざまあ見やがれ。


「勝者! ユーリ!」


 グラウンドに勝利宣言が響く。

 大歓声に包まれながら、俺はその場に倒れた。


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