タッグトーナメント(11) ☆
『グラペイン、グレートカノン発射!』
グラペインの背後から伸びる二本の砲身から砲弾が発射された。
狙いはもちろん俺。しかし、大砲の発射など遅るるに足りず!
「朱、見せてやろうぜ」「ええ!」
『雷迅脚!』『瞬間加速!』
俺は一歩地面を踏み出す。
その瞬間に驚異的な加速を得て、グラペインの懐まで一気に潜り込む事が出来た。
この勢いを逃さず、最速の拳を叩き込む!
『雷閃掌!』『エンハンス・ストレングス!』
ガイイイイン!!!
朱の魔術によって強化された拳が、グラペインの鋼鉄の右脚にぶち当たる。
相手にとっては予想外の一撃だったようで、グラペインがバランスを崩して片膝を付く。
それだけで闘技場が少し揺れた。
「流石に硬いな。大してダメージは与えられないか」
「ななっ、人ごときがグラペインを押し返すです!?」
「おっと、驚くにはまだ速いぜ」
『昇竜斬!』『フレアウェポン!』
炎魔術が付与された剣をグラペインに突き立てて駆け上がる。
そうする事で裂傷のような跡が鋼鉄の身体に刻まれていくが……いかんせん傷が浅い。
「このっ、よくもやってくれましたね!」
『ヴィシャスクロー!』
「おっと、危ない」
『跳躍!』『軽量化!』
勢いよく迫ってきた巨大な拳から、大跳躍をする事で危機を脱した。
今の絶対握りつぶすつもりだったろ。危ない所だった。
そして落下しながらも次の攻撃へと移行する。
この位置なら、大技だって外さない!
『エクスプロード……烈火竜咆!!!』
突きを放つと、剣の数メートル先で連鎖的な大爆発が起きた。
爆発はグラペインの上半身に直撃して、辺りに煙が立ち込めた。
俺は着地して技の冴えに感激する。
ふはは、これぞ魔術と剣技の融合!
朱とシンクロナイズする事で、俺でもこんな芸当が出来てしまうのだ。
魔術は派手でいいなあ!
「……やるじゃないか被検体君。その早さ、その威力……君達はスキルの重ねがけをしているね?」
煙の中からゴーレムマスターの姉さんの声が聞こえてきた。
おおう、俺達のスーパーモードの正体、あっさりバレちまった。
スキルの同時発動による重ねがけ。
それにより移動はより速く、攻撃はより強く発動することが出来る。
本来は熟練のタッグ同士でしか出来ない芸当だが、朱のシンクロナイズがあれば話が別だ。
何せ身体を一体化しているのだ。俺とタイミング合わせるなど造作もない事だった。
「ご明察。さて、まだまだ試されますか?」
いや、ホント言うとさっきので決まってくれてると嬉しいんだが。
このスキルの重ねがけ戦法、間に合わせな事もあって数えるぐらいの組み合わせしか発見しきれてないんだよな。
という事情は口には出さないでおく。
「やはり君は良い被検体だ。……けど、これで決着だなんて思わない事ね」
グラペインを覆う煙が晴れる。
そこには無傷のグラペインが立っていた。
「何っ、ノーダメ……だと!?」




