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海沿いの町 シマノエ 1

久しぶりの更新となります。遅くなってすみません。

 子供を襲っていた巨大な猪のような魔物を倒した俺たちだったが、そこへ町の住人らしき大人たちがやってきた。


 その中には子供たちの親御さんも居て、アイリはとても感謝された。

 だが、倒れている巨大な魔物を見て大人たちの表情が変わった。



◇◆◇



 そして、今俺たちは海の町シマノエの町長の家にいる。

 まぁ、俺は内庭っぽいところで座ってるだけなのだが。

 アイリは町長の家の中で事情聴取されてる。


「うーむ。悪目立ちしちゃったか」


 どうやら町の入り口に居た見張りが「魔物に襲われている子供たちと、そこに駆け付けた謎の光る馬」という光景を全て見ていたらしい。


 そして俺たちが助けた子供たちは、なんと町長の息子さんだった。

 年上の子がレオ、年下の子がレイという名前だそうだ。



 さて、なぜ俺がそんなに詳しく知っているかというと。

 ……町長とアイリの会話を盗聴&盗撮中だからである。


「ではあの機獣は、新たに発見した遺跡で手に入れたと?」「はい。遺跡の倉庫みたいな所で見つけました」

「【バグズ】ではないようだが……、もうマスター契約は済んでいるんだな?」

「……済んでいます。といっても起動しただけで、気付いたらマスターになっていたんですけど」

「ふむ? しかし機獣もマスターと認めているんだろう?」

「ええ、そう言ってました」

「なら、アイツを管理する責任がアイリにはある。それは忘れぬようにな」

「はい、もちろんです」


 アイリと町長さんは、執務室みたいな部屋で2人きりで話している。

 その部屋の窓際に、俺の眷属の蜘蛛機虫が居た。



 俺が遺跡で【眷属ネットワーク】で眷属にした蜘蛛型の機虫には大きく分けて4種類いる。


「通常サイズ」

 脚が魔導武装になっているもの。

 ひざ下くらいの体高がある。

 これが一番多い。


「ちょっと大型サイズ」

 通常サイズより2回りほど大きく、背中に小さい砲台が付いていて他にも魔導武装がある。

 遺跡の入り口あたりで見つけたのが、こいつらだ。


「小型サイズ」

 こいつは少し変わっていて、武装などはないが脚が他よりたくさんある。

 そして、その脚の先には機械整備用の工具みたいなものが付いている。

 細かい作業などができる個体だろう。


 そして「極小サイズ」

 これが今、盗聴に使っているものだ。

 武装は何もないのだが、俺としてはこいつらが一番使えると思う。

 なんと、豆粒程度の大きさしかないのだ。

 こんなのが近くでスパイ活動してても絶対に気付かないだろう。


 しかし【眷属ネットワーク】を再現しておいてホントに良かったな。

 俺は極小の蜘蛛たちをそこら中に放って、その視覚センサーや聴覚センサーを共有できる。

 今みたいな何も出来ない時の暇つぶしに丁度いい。


 俺の視界には複数の浮遊モニターが浮かんでおり、さながら監視室のモニター群のような状態になっている。



(——報告。こちらに町長の息子たちが向かってきます)


 と、ジラが報告してきた。


 おっと。

 蜘蛛ちゃんたちを使った散策に夢中になりすぎたな。


 視界に移っている浮遊モニターを閉じて、ジラが教えてくれた方向へ視線を向ける。


 そこには先ほど助けた町長の子供、レオとレイが居た。


 壁の向こうからこっそりこちらを伺っているが、獣の耳がはみ出ているからバレバレだ。


「おーい、そこにいるんだろ。なにか用か?」

「ッ!?」


 俺の呼びかける声に、その犬のような耳がビクッと反応した。

 その耳を見てるだけでも感情が読み取れる気がする。

 ちょっと楽しい。


「……」


 そこに居るのがバレてると分かって、2人が出てくる。

 年上のレオが少し緊張した顔をしながら話しかけてきた。


「えーと。さっきは助けてくれてありがとなっ! ……なぁ、お前って先代物資アーティファクトなのか?」


「おぅ、どういたしまして。先代物資アーティファクト……、多分そうだな」


 俺は曖昧にそう答える。


「多分って……、自分の事なのに分からないんですか?」


 年下のレイも、レオの後ろから声を掛けてきた。


「俺は目が覚めたばっかりというか……。この世界のことをあまり知らないんだよ」


 異世界出身だって言っても、ややこしくなるのだけなので伏せておく。

 嘘は言ってないしな。


「へぇ~。そういうもんなのかぁ。でもずっと眠ってたんだろ? だったらきっと先代物資アーティファクトだよ!」


 レオが言うには、先代物資アーティファクトが作られたのは800~1000年前らしい。

 そんな昔なのか。


 「先代」っていうから、せいぜい100年くらい前かと思っていた。

 しかし1000年前って……。


「そんな古い身体には思えないけどなぁ……?」


 自分(機械馬)の身体を見ながらそう呟く。


「……あ。作られたのは1000年前でも、その後の歴史で回収されて修復された先代物資アーティファクトもたくさんあります」


 レイが、レオの話に補足してくれる。

 先代物資アーティファクトが作られたのは文明の最盛期だった1000年前。

 その後、人類は多くの大戦を繰り返して徐々に衰退していったそうだ。


 そして戦時中に、機械たちが突如として人類を見境なく襲うという「狂機」という現象が起こった。


 狂機に侵された機械は【バグズ】と呼ばれるようになり、人類とバグズによる新しい戦争が幕を開ける。


 その後しばらく戦争は続いたが、最終的に人類は敗走。


 終戦後はバグズたちに旧都市部を占拠されて、人類は辺境などにその中心地を移した。

 そして互いに基本的に不干渉という状態で、情勢が安定してるらしい。



 レイは10代前半っぽい見た目だが、とても物知りで説明も上手だったので、俺はその歴史の話に聞き入った。

 俺の隣でレオも「へぇ~」っと言いながら聞いている。

 お兄ちゃんの方はあまり歴史とかには詳しくないらしい。

 まぁアウトドア派の兄にインドア派の弟って感じだしな。


 おっ、アイリと町長の話し合いも終わったみたいだ。

 こちらにアイリが来たのが見える。


「ハヤテ―! お待たせ!」


 こっちに手を振って走ってきた。


「いろいろ教えてくれてありがとな。勉強になったよ」

「いえ。僕も機獣さんと話せて良かったです」

「オレもオレも! なぁ、また会いに行っていい?」


 レイとレオにお礼を言ったら、そんな事を言ってきたので「ああ」と頷いておく。

 こっちの世界で出来た、初めての獣人の知り合いだ。

 俺ももっと2人と話してみたい。


「じゃあ、またな!」



◇◆◇



 俺たちは町長の家を出て、アイリの専属エンジニアがいるという工房へと向かう。


 アイリが町長との話について教えてくれているが、

 「盗聴してたから知ってる」と言っていいものか……。


「——マスター。ハヤテは眷属の蜘蛛を使って、町長とマスターをいやらしく覗き見していたので説明は不要です」


 ……ちょっとジラさん?

 確かに事実なんだが、言い方が悪くないですか?

 犯罪者を密告しているようにしか聞こえないんだけど。


「え。そうだったの? 全然気づかなかったよ」


 とアイリが驚いていたので、極小の蜘蛛機虫を見せて説明した。


「へぇ。本当にちっちゃいね。本物の蜘蛛にしか見えないよこれ。ちょっと可愛い……」


 蜘蛛の機虫を手のひらに乗せながら、そんな事を言ってるアイリ。

 覗き見していたことについては特に何とも思っていないようだ。

 ちょっと警戒心が足りない気がする。

 

(——警告。もし犯罪行為に眷属を利用したら、即刻マスターに通報します)


 しねーよっ!!

 俺はこう見えて品行方正だぞっ!?

 間違いなく紳士だ!


(——。念のために釘を刺しただけです)


 嘘つけ。

 絶対に本気だったろ今の……。

 はぁ。



 しばらく歩いていると、蒸気を噴き上げる煙突があり、外まで工事の音みたいな騒音を響かせている建物に到着した。

 ここが工房なのだろうか?


 正面口らしい場所を通り過ぎて、裏手に回る。

 そこには搬入口みたいな大きな出入口があって、アイリと俺はその奥へと進んだ。


 進んだ先は広く開けた空間で、中央にはクルーザーほどの大きさの船があった。

 どうやらここは船のドッグにもなっているらしい。

 工房というよりは、工場だなここは。


「親父さ~ん! クチールいる~?」


 工場内の騒音に負けないようにアイリが声を張って呼びかけた。

 すると、作業をしていた男たちの中からひと際ガタイの良い男がこちらに返事をする。


「オウ! アイリちゃんじゃねぇか。クチールなら自分のアトリエにいるぞ!」

「そっか。ありがと~!」


 男に手を振ってアイリはさらに奥へと進んでいく。

 どうやら目的地の工房はこの先にあるらしい。


 ゴテゴテと入り組んだ建物の中を進み続けると、ひとつの扉の前に辿り着いた。

 アイリはその扉をノックする。


「クチールいる? 入っていい?」

『……アイリ? いいよ』


 中からは機械音声みたいな返事の声が聞こえた。

 ジラのとはまた違った感じの声だ。

 何というか拡声器で喋っているような感じというか……。


「お邪魔しまーす」


 扉を開けながらアイリが入ると、続けて俺も扉をくぐる。

 普通の扉に比べて大きめだったので助かった。


 その部屋の中はガレージのように広かったが、ゴミ屋敷みたいな状態で、いろいろな物が無造作に置かれている。

 部屋の端で、何やら作業をしていたらしき少女がこっちに振り向いていた。



 少女はぶかぶかなフードを被っていて、かなり小柄だ。

 その汚れた白いフードには、レオたちと同じような2つの三角の盛り上がりがある。

 彼女も獣人なのだろうか?


 フードの下にある顔は、さらに風邪用のマスクみたいな物で隠されており、目元しか見えない。


 その眼が驚きで見開かれている。

 そして、マスクに付いていたらしいスピーカーから大音量で叫んだ。



『アイリッ! その機獣ちょうだいッ!』



 俺を見つめてそう言った彼女の瞳は、一目惚れした乙女のそれだった。

 ……気がする。



チラチラと存在が見え隠れしていた、新しいキャラ登場! やっと登場させられて嬉しい!


活動報告でも上げましたが、

2019/8/24にて、修正とテコ入れをしました。

メインシナリオに変更はないので再読しなくても大丈夫です。


ハヤテの能力を表記するようになったので、今後それが登場します。

ここにもハヤテのステータスを載せときます。

◆————————————◆

 名前:ハヤテ(麒麟)

 年齢:17

 種別:幻獣型・機獣


 魔力量:12000/12000

 魔法行使力:700


 【スキル】

 ・天穿テンセン

 ・纏雷テンライ

 ・厳槌イカヅチ

 ・雷伝ライデン

 ・***[ロック]

 ・***[ロック]

 ・雷属性強化

 ・魔力供給

 ・分析再現

 ・次元収納

 ・眷属ネットワーク


 ・超回復

 ・アライメント調整



 【魔導武装】

 ・天角 [解放・封印]

 ・魔導蹄

 ・魔導尾—雷尾ライビ

 ・魔導毛—雷毛ライモウ



 【魔法】

 ・生命魔法

 ・空魔法



 【精霊適正】

  不明

◆————————————◆


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