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説教好きな冒険者~全てに怒れる召喚されし者~  作者: アールエス
第5章 スーサイド再び
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第2戦、テーマ「熱」

第1回主要メンバートーナメントが急遽始まった。

ブラッド●VS◯ガデル。リケラ●VS◯ルティ。

ケル●VS◯フィル。ヴァイス●VS◯ヴァルカ。

負けたものが進んでいく。

最後に負け残りにはトキの贈り物がある。


次の対戦はブラッドVSケル。リケラVSヴァイス。

力対早さ。大小対決が行われる。


解説席にはロッキングチェアで揺れるトキとシル。

隣で敷物シートに座り朝飯を食べる勝者達。

シートにはヴァルの火炉が置いてあり

昨日の残り物を焼いて食べている。

トキが食材を用意して食べる分を自分達で焼く。

野菜は畑から逃げてきた奴を捕まえて調理する。

戦闘のせいか沢山食べている。


「トキ?勝ったから聞くが負けるとどうなるんだ?」

「負けたらか?そうだな・・・

俺の訓練相手に上空からの・・・

っとこれから先は言えないな!」

「キュイ!?」

「上空からのぅ?ヴァイスの危険の意味が

分かった気がするのぅ…」

「俺もなんとなくだが想像できたぜ…

もしフィルが負け残りしたらどうなるんだ?」

「勝ってるから言うがな?・・・沈む!」

「沈むって川にですか?主殿!?川にですよね!?」

「ホッホッホッ!怖すぎるぞ?お主…」

「笑えないぞ?本当に…勝って良かったなフィル?」

「沈黙の所を教えて下さいよ!!主殿!!」

フィルがトキへと迫っている。


「うっせぇなあ?勝ったから良いだろうが!

聞いたら後悔するぞ?聞きたいのか?フィル?」

「・・・止めときます…まだ生きたいですから…」

「フィルにとって後悔=死ぬなんだな?

違うな…今のトキに聞くのが駄目なんだな?」

フィルの迫りと嘴から唾かけられて

顔がべちゃべちゃになってるので

苛ついていたトキの姿見て納得するガデル。

もし膝にシルが居なければ沈むの前にある

沈黙の部分が知れたし実行されただろう。

フィルは内心でシルに感謝した。

トキはストレージから布を出し濡らして顔を拭く。

拭き終えて前を見ると戦闘者達は準備出来ていた。

ブラッドは甲冑に大小の金属バット。

ヴァイスは剣を持ち構える。

リケラとケルも既に動ける。


「さて各自が準備できたみたいだな?

では!始め!!」

トキの合図と共に動き出す戦闘者。

ブラッドVSケル。リケラVSヴァイスが始まった。

先に音を出したのはヴァイス組。

リケラから飛ばされる2mの岩が蒼炎の剣が

溶かし切るが岩の連続射出に捌けずに飛ばされる。


ブラッドはケルに向けて左で大のバットを振り抜くが

残像に当たり空振りする。

空振りするブラッドを嘲笑うように

残像が増えていくケル。

全てのケルから魔法が打ち出される。

ヒュドラの戦い方を真似たのか水と火の玉が現れる。

ブラッドを囲う魔法が互いに当たり出して

高温の水蒸気となる。

ケルは周囲に漂う水蒸気をブラッドだけに

向かうように風の檻を作る。

檻の外側に蒸すように四方に土壁を築き上げた。

ケルは追い討ちに上空から

水と火の割合2:1で打ち込んでいき

透明な水蒸気から白い湯気へと作り上げる。

ブラッドの地面を後方へとゆっくり動かして

ロードランナーみたいに内部を作り上げた。

範囲は高さ20m、幅20mの立方体。


「ケルはえぐいなあ!完全に勝ちにいってるぞ?」

「ウォン?」「キュゥ?」

ロッキングチェアに座っているトキの膝に

シルとルティが乗っている。

ルティは朝食終わったようだ。

・・・何気に重いんだけどなあ・・・


「どういう意味だ?トキ?ゴクン…ハァ~…」

ガデルは食べ終ってお茶を飲んでいた。

「ガデルはボケに回るなよ?お茶はゆっくり飲め!

ガデルは経験しただろ?ヒュドラの高温の蒸し風呂!

あれの範囲限定攻撃をケルはしてんだよ!

ブラッドの周囲に高温の水蒸気作ってな?

周囲にいかないように壁を2重にしてる。

風と見たまんまの土壁だな!

そして水の割合を増やして白くして視界を遮る。

水蒸気ってのはな?水が基本的に100℃超えると

出来る気体の事でな?あぁ、テストに出るからな?

基本透明なんだけどな?水分を含むと湯気となる。

空にある雲も同じ様な原理だからな?

そんな状態を作り上げてるんだよ!あの中にな?

冷えないように常に火と水を打ち込んでる。

そして地面も動く床にしてその場から

歩くようにしている。止まっても熱いからな?

壁に流れたら土混じりの竜巻の壁に切り刻まれる。

上から逃げようにも常に火と水の攻撃だ!

要約するとな?

あの中は高温の白しかない空間で動く床、

壁には竜巻で体を刻まれ上には火と水の雨!

確実に脱水症状起こし火傷して死ぬな!

ブラッドは甲冑の機能を理解してたら

勝てるかもしれないが…どうなるだろうな?

フィルの時は速さで負けてたから出来なかった!

シル?お前の親父は成長してるぞ!」

「キュイ!」「ワン!」

トキに父を誉められて、ルティからも頭を撫でて

誉められるシルは嬉しそうに鳴く。


その隣でガデルとヴァルは苦々しい顔をしている。

「経験からの実践か…あれは戦争でもされたら死ぬぞ?

最低でも100℃だろ?金属鎧兜の奴は直ぐに脱げない!

脱げても白くて何も見えない。

動く床に流れるままならと考えると防具が無いから

・・・トキの言う通りだな…完全に勝ちにいってる…」

「常に蒸し風呂じゃからなぁ…

人間が相手なら確実じゃなぁ…

あれの相手じゃなくて良かったわい!

しかしトキ君や?

甲冑の機能をとか言っとらんかったか?

その機能を使えば今の状況を打破出来るのかのぅ?」

「ブラッドが魔法が使えるようになってるならな?

進化後に制御出来ないが使えるようにはなったと

話してたよな?甲冑に魔力通せばある変化が起きる。

そしてその変化を使えばいけるだろうが…

力業しか使わないブラッドには難しいだろうな?

だからな?」

ドシン!!!なにかが倒れる音がした。

「ああなる訳だな!ケル!!!終わりだから!

風を上空にゆっくり流せ!水も打ち込めよ!

土壁も消してな!」

「「「ウオォォン!!」」」

ケルは嬉しそうに鳴いて行動に移した。


「なあ?トキ?あれはブラッドが倒れた音なのか?」

「あぁ、甲冑姿でケル側の壁近くにいる。

そこで倒れてるぞ!大丈夫だと良いがな…」

「倒れてる時点で大丈夫じゃなかろう…

しかしトキ君ははよく中が見えとるのぅ?」

「企業秘密って事で!とりあえずは大丈夫みたいだな!

ルティ?すまんが焚き火を用意してやってくれ!」

「キュイ!キュゥキュイ!」「ワン!」

ルティは俺に敬礼してシルに指示する。

理解したと声を出して同時に膝から降りる。

シルは近くの枯れ枝など持ってきてるようだ。


「トキ君?何で焚き火を用意するのかのぅ?」

「ヴァルは知らないのか?ガデル…も知らなそうだな?

温度、熱はな?移動するんだよ!

例えば長い鉄棒の端を燃やすとするだろ?

そしたら端から端まで温度、熱は伝わるんだ!

あそこは例えるなら空へと続く棒だと思ってくれ!

下の熱が上に伝わるように風でしてるんだがな?

一気に熱が動くと下は冷たくなるんだ!

下手したら凍結するぐらいにな?

それを防ぐ為にゆっくりしてるんだが

水を掛けて高温を冷ましてる。

つまり体は汗流してるし水でも冷やされてる。

その状態で一気に高温の風を空に流すと

さっきの説明通りに凍結するし

ゆっくり風を流しても冷めてしまう。

冷えた体を暖めるには?ここまで来たら分かるよな?

暖める為に焚き火を用意してるんだよ!」

トキは説明終えるとブラッドの近くに向かった。


トキが近付くとまだ周囲の温度は高かった。

風と水を3重に纏い熱を防ぐ。

その状態を保ちながら倒れてるブラッドに向かい

担いでルティが用意している焚き火の場所へと離れた。

甲冑を外して横にさせて焚き火と平行に置く。

「ヴァル!ガデル!今から証明してやるよ!」

ルティに水筒持たせてブラッドに飲ませるように

指示だしてスーサイドの木を手刀で切り倒す。

倒した木を高温空間の真ん中に土魔法で木の

両端と真ん中を固定をして離れる。

「ケル!水はもういいから上空に風を一気に流せ!」

「ウォン!」

ケルの左の頭が返事をして一気に高温の蒸気が

上へと白い塔を作り上げる。

50mの塔は出来上がると同時に周囲の空間から

吸い込まれるように強風が起きる。

行き先はトキが置いた木の元へと向かってる。

木を見ると風で木葉が煽られながらも凍っていた。

周囲の木も同じ様に表面が凍っていた。


熱を吸った空気を排出し、その代わりとして、

比較して冷たい外気を吸入する。

そんなイメージしてくれればいいだろう。


こそっ「トキ?これは魔法なのか?」

こそっ「違うな!科学…ここでは錬金術かな?」

ヴァルの手前でトキの過去を話さない為に

ガデルは小声でトキに質問しトキが答えた。

周囲の寒さに震えていたガデル。


・・・これも掛けてるのか?・・・

小声でと凍えてを?

ガデルは無意識に上手いこと言うからな。

意識的にしてるなら頭の回転早いぞ?

トキはガデルの掛け言葉に反応している。

「錬金術か・・・俺も勉強するかな…」

「ガデルなら利用出来るから教えてやるよ!

例えば金属糸にな?・・・」

こそこそと話し合う二人。

その間、ケルは戦闘場所の復元作業、

ブラッドの看病にヴァル、ルティ、シルがしている。

ヴァルは看病している間も孫の戦闘を見ていた。


ヴァイスの蒼炎の剣がリケラへと襲い掛かるが

厚い岩に阻まれダメージが通らない。

一方リケラの攻撃は通っていた。

ヴァイスよりも大きな岩を飛ばして

隠すように岩の真後ろに小さな岩を飛ばしていた。

蒼炎の剣で切り裂くも散弾に当たる。

しかし何度も同じ攻撃を受けていれば

パターンが見えてくる。

見切りだして反撃をするヴァイスだが

岩の皮膚が連続で生まれてくる為に

蒼炎が皮膚には届かない。

リケラは魔力で岩を作り出している。

魔力切れすればダメージ与えれるが

一部分だけに集中しているために

まだ充分に魔力は残っている。

またスーサイドに漂う魔力も吸い込んでる為に

欠乏する事はなかった。

ヴァイスも魔力切れの心配は無いために

連続で炎を剣に纏わせていた。


ヴァイスは状況を打破するために

距離をとり、懐にあるチャクラムを取り出した。

4つのチャクラムに蒼炎を纏わせ放つ。

風で回転速度を上げていきリケラを覆う岩を

裂いていき皮膚を顕にしていく。


「グルァ!?」

思わぬ攻撃に声を上げてしまうリケラ。

それを好機と思い攻めに転じるヴァイス。

顕となっている皮膚を蒼炎の剣で切り裂いていく。

血は出ない。傷痕が焼かれて血止めとなる。

リケラは攻撃を防ごうと岩を作り覆い始めるが

チャクラムが空中で岩の創成を防いでいく。

戦況はヴァイスが優勢。

ヴァルはヴァイスの勝ちを想像していた。

しかしリケラの体が変化を始める。

岩を創成していた皮膚がボコボコと音をたて始めた。

岩が少しずつ熱を持ち出し赤い液体を作り出す。


ヴァイスは血とは違うと判断し攻撃を止めて

バックステップで遠ざかる。

リケラの全長800m、体は500mある。

200mは襟足付きの古代の角竜を思わせる顔。

尻尾が100mあり一尾。

その500mの胴体から高温の赤い液体。溶岩が現れた。

溶岩は体を伝い地表へと流れていく。

リケラを中心に1kmの範囲で溶岩が地表を覆い隠す。

ヴァイスは溶岩地帯の中で大きな岩の上に

登り周囲の状況を見ていた。

「暑いよ?これは今までと違う戦いかたしないとね!

久しぶりにやってみるかな?」

チャクラムを一つ投げると赤い溶岩に

潜っては出て来なくなった。

足元の岩も溶け始めている。

リケラは全身を溶岩で覆い隠し溶岩の中に潜った。

地表を覆っている溶岩で地面も溶けていく。

溶岩の海の中を泳ぎヴァイスへと向かっていく。


「おぉ!凄いな!溶岩の中を泳いでるぞ?

リケラは進化してたのか?岩竜から溶岩竜に?」

「あれは勝てる気がしないな…

トキの周りは兵器ばかりだな!

世界征服でも行う気か?トキさんよ?」

「他人行儀は止めてくれ!ガデルさん…

する気は無いから安心しろ!と言うより面倒くさい!

好きで人と土地を統治したくないからな?

ヴァルさんなら分かるだろ?実例だしな!」

「・・・蒸し返すの止めてくれんかのぅ…

なんだかむず痒い気分になるのぅ・・・」

ヴァルは遠い目でヴァイス達の戦いをみていた。


ヴァイスに向かっているリケラは

模擬戦闘の終わりはヴァイスを口に入れて

終了にしようと決めていた。

ヴァイスを溶岩の中から見つけて方向転換する。

ヴァイスは大きな岩の上を跳びながら

リケラを探していた。

リケラは徐々にヴァイスへと近付き後ろへ着いた。

後は口に入れて終わり。

そう考えると行動に移す。

溶岩の中から勢いよく現れ後ろから襲い掛かった。

「後ろ!?・・・なんてね?」

驚き振り向くヴァイスはリケラを見ては

そう呟いた。そして右手を広げて下に振るう。

リケラは気にせずに襲い掛かるが周囲に

寒さを感じ始めた。溶岩が冷えてきている。

上空から冷たい風が強風となり、リケラへと襲い掛かる。

リケラは不味いと思い潜ろうとするが地面が固まり

地面へと潜ることが出来なかった。

ヴァイスの攻撃がリケラへと直撃した。

リケラの体の溶岩は冷えて固まり普段の姿より

丸みを帯びた姿へと変化させ、

体を凍らせていった。

凍って鈍い動きをするリケラは口を開けて

ゆっくりと動いていく。

あと数m。そこで動きが止まってしまった。

ヴァイスの前にはリケラの氷漬けが出来ていた。

「危なかったよ!ケルのあの蒸気が無ければ

勝てるか分からなかった!

今回は僕に微笑んだね?賽子が!」

ヴァイスはズボンのポケットから賽子を出して

3の目が見えていた。


現在負け残りしたのは2匹の魔物。

高熱で倒れたブラッド。

冷却され凍らされたリケラ。

トキの贈り物を掛けて模擬戦闘が

・・・行われなかった。

完全回復するまで2日が過ぎてしまったから。


介抱している間にケルとヴァイスは朝食を頂いた。

食べ終わった2人の前にトキが近づいてきた。

「2人とも頑張ったな!だがやりすぎだろ?あれ!

罰は仕方無いよな!罰はな?

最後まで残っているケルとヴァイス!

今から狩りするからついて来い!」

トキは2人を連れて森へと入っていった。

ガデル達にブラッドとリケラを任して。

勝った2人は納得してなかった。

「僕達勝ったよね?」「「「ウォォン…」」」

「模擬戦闘であそこまでやる馬鹿は俺だけで充分だ!

そうならないように教育してやるから!

そこまで厳しくないぞ!教育はな!」

「自分がやり過ぎるのは認めてるんですね…

教育って…なにするんですか?」「ウォン?」

「植物系の幻獣を狩る!そろそろ先に進みたいからな!」

「・・・そうですか…」「ウォォ…」

2人は呆れてトキの後ろを歩いて行く。

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