説教と反省
「さて全員が起きたので改めて言わせてもらおうか!
みんな!久しぶり!元気になって良かったが…
宴会中だが説教兼反省を始める。
これは必要だがらな?
今回のヒュドラは点数付けると20点だ!
俺はなんて言ったか覚えてるか?フィル?」
「えぇと・・・ヴァイス達で討伐しろでしたか?」
「正解だがな?俺は殺れと言ったんだ!
誰が戦えって言ったか?言ってないだろ?
なのに・・・」
トキは全員が目覚めた事で説教を始める。
ヴァルはどんな説教兼反省が起こるか見ていた。
「何故?痺れる敵の首を落とさない?
お前らの怪我は自業自得だからな?
機動力を下げるために足を狙う。
普通なら良いがな?普段ならな?
だが今回の敵はなんだ?ヒュドラだぞ?翼竜!
俺が強いと言ってて?リケラの体験談あって?
態態俺が痺れさせて?羽と首を狙わずに足狙う?
お前らは考えてないだろ?殺ることについてな?
ヒュドラが大きかった?制限解除で勝てると思ってた?
5分も与えていて勘で動くとはお前らは知性あるのか?
俺の与えた傷もちゃんと見てないだろ?」
俺は怒気を少し発しながら話している。
正直に言うと勝てないと思ってたから。
態々痺れさせて優勢にさせたのに満身創痍。
呆れてしまった。翼竜に対して翼を攻撃しないとは。
全体像の前情報教えてるのに何故狙わないのか?
理解が出来なかった。油断してると思った。
「お前らさ?油断してたろ?俺が助けるとかさ?
スーサイドでの制限解除に優越感を覚えてさ?
勝てると過信しただろ?油断してたろ?
馬鹿なのか?誰も考えないのか?
何故一体と勘違いしていた?もう一体いたんだぞ?
お前らが戦った相手三つ首よりも多い五つ首がな?
そしてここは危険度ランクSSの森スーサイドだぞ?
強靭で俊敏な魔物と肉食植物が跋扈する森だぞ?
ヒュドラと会う前に肉食植物の群生地行ったろ?
思わなかったのか?もし新手が現れたらとな?
ヒュドラの回りに居たからな?
疲労している餌を狩る魔物の群れがな?
ブラッド?以前言ったよな?
戦略撤退は恥じゃないとな?
勝てないなら考えろとも言ったよな?
何故誰もしなかったんだ?自分から窮地に追い込んでさ?
巻き込ましただろ?全員が全員をな?
良かったな!蒸し風呂で撤退してくれた魔物がいてな?
じゃないと今頃腹の中だぞ?」
俺はヒュドラと戦う前から魔物がいる事に気づいてた。
全員が知ってると思ってたが驚く表情している。
知らなかったのかとため息を漏らしてしまった。
フィル達スーサイドでの経験者は理解してなかったのか?
強者の連戦が続くあの辛さやめんどくささを?
だから強敵との前に周囲確認が必要なのだが…
俺がすると思ってたのか?
ヒュドラの後でも残す体力があると思ってたのか?
「まさかな?リケラとケルが考えてないとはな?
お前らあれか?拠点の指揮が忙しくて
最近自身で戦って無かったのかな?
集団戦闘の指揮にも似たような物だよな?
自分の手足として扱うか否か?
最後は自分が戦わないといけないんだぞ?
そして手足を無くさない為にも回りに警戒は必要だが
お前らからはしてる感じしなかったんだよ?
5分…何故その時間与えたのかも考えてなかったな?
楽に行動する為にも与えた時間だよ?
前を見るのも良いが周囲を見ろ!それを怠るな!」
リケラとケルは怒られるとは思ってなかった。
しかしそれに対して批判せずに受け入れる。
トキが自分達に対して怒りだけでなく
優しさを感じたから。
リケラとケルはヒュドラという強敵は初めてだった。
そしてそれに寄生するように寄り添う魔物。
弱り要らなくなった餌を奪い合う野生の姿。
自分達も同じくトキに寄生している。
だが自分達は餌を狩れるし拠点を任されてる。
それだけではなく人間の技術を教えてもらってる。
お陰で狩りはするが畑の野菜の恩恵もある。
トキの拠点を奪わせ無い為にも戦っている。
集団でも指揮をして勝っている。
その慣れに甘えと勝利の美酒に溺れていた。
そのツケがヒュドラとして現れた。
そしてトキの説教に気付くまで知らなかった。
そんな今までのスーサイドでの姿を忘れていたから。
野生としての自分。弱者だった頃の自分。
井の中の蛙な森での生活をしていた自分。
そんな自分に恥を感じていた。
自分より強者のいる当たり前の森を忘れて鍛練を
野生だった頃の自分を忘れていた。
「フィル、ルティ、ブラッドも似たようなモノだぞ?
俺達は異常だからこそ巻き込まれる。
巻き込まれるとな?確実に戦いがあるんだよ!
空を飛べるから有利?進化して甲冑あるから防げる?
魔法が沢山使えるから大丈夫?
身体能力制限が解除出来るから勝てると?
甘えだろ?それは油断だろ?阿呆どもよお!
慢心して満身創痍?笑えねえよ?笑えねぇな!!
お前らは自分を過信してたんだよ!
スーサイドの魔物だから大丈夫だとな?
言ったよな?強いとな?殺れとな?
なら?倒れる前に倒さないと意味無いよな?
何故空飛んで翼を攻撃しない?何故補助に回った?
何故魔法の強さが変わってない?
態々ヴァイス乗せて少ない魔法で勝てると思った?
何故巨体に対して質量の圧縮や無数の魔法使わない?
仲間に当たると怪我するから?戦闘中に余裕だな?
リケラをフルスイングしてたら勝てると?
甲冑あるから攻撃は防げると思ったか?
防げてないじゃん!機能をまともに理解してないよな?
そんなに自信があったか?進化したから大丈夫だとな?
揃って馬鹿なのかなあ?俺という存在に甘えてたか?
いくらな?いくらなんでも今回は一番酷いぞ?
あれか?強者としての自分に甘えてるのか?
主人が異常だから自分も異常だから勝てると?
ああ?まだ下剋上の時やホウリョの時のほうが
強かったぞ?心身共にな?それがこの体たらく…
お前らはふざけてんのかなあ!おぃい!!
そういえば最近フィルとルティは鍛練をしてないな?
明日覚えとけよ?その甘えと自信をぶち壊すからな?
全員そのつもりだからな?」
トキはフィルとルティ、ブラッドの動きに
許すなんて出来なかった。
弱者相手していたから上を目指さない。
鍛練もしてるの今では人とブラッドだけ。
ブラッドは自分の甲冑の機能を理解していない。
だから外して火傷なんて負った。
俺という存在に劣等感があるのか?
そんなもの野生には要らないからな?
死なんて生ぬるい鍛練をさせてやる。
俺は決心した。この先これなら死なせたほうが良いと。
過保護過ぎたか?そんな自分への叱責は後にする。
「さて最後に人の二人だよ?
厳しく言わせて貰うからな?覚悟しとけよ?
先ずはガデル!お前は弱くなったな?
模擬戦闘より弱いぞ?魔物だから?人が相手じゃない?
知るかよ!ボケがあ!言ってたよな?
この中で俺が一番弱いとな?だからなんだ?
なら強くなれやあ!工夫しろやあ!!
そんな劣等感要らんからな?ボケえ!!
本当にな?お前は俺らの中で年上なんだよ?
そして元諜報部隊隊長、反乱軍偵察部隊だろ?
頭を使う仕事だろがあ!戦略練れやあ!!
何、年下や魔物に頼ってんの?頼られろよ?なああ?
あれはな単なる丸投げなんだよ?戦略なんて違う!
強いものに任せる!何様だよてめぇはよお?
貴族か?王様か?神様か?違うだろうが?ああ!!
まだ登録してないけどな?冒険者なんだよ?
自分の道を切り開けないで復讐出来るか!ボケえ!!
その前にお前の首落としてやるよ!!なあ?ガデルう?」
ガデルに厳しく接する。
あの一言だけは納得いかなかった。
ガデルは復讐の道を選んでる。
なのに自ら閉じようとしている様に感じた。
ふざけるな。お前の復讐は俺の復讐じゃない。
どんな気持ちでするのか俺が考える必要無い。
ガデルより俺にメノスへの復讐心あるか?
あるわけない。知らない人間だからな。
だから泥水啜っても生きないと駄目なんだよな。
そんな簡単に切り替わる
復讐心なら俺が幕を落としてやる。
「最後にヴァイスな?
先ずは何故無理と思った?
一人では無理なら仲間を使え!
使えるものは使わんと死ぬぞ?スーサイドではな?
人の世界と野生の世界は違うからな?
でもな?使うと巻き込ませる、利用する。
同じに感じるが違うからな?
相手次第なんだよ?どう思うかはな?
だけど俺を使うなら・・・幸せ来ないからな?
唯一、最後まで意識を持ったのは誉めてやるよ!
だがな?何故戦いを選んだ?
一瞬より永きを選んだ?経験したかったか?
勝てると感じてたか?俺は何度も言おうか?
『あいつは強い。そして殺れ』と言ったのに
何故守らなかった?自惚れたか?
正直に言うな?お前へ期待してたんだぞ?
言葉を確りと理解して考える。出来そうで出来る。
そんなお前は賢くて素晴らしい生徒だとな?
だが蓋を開けるとよ?ガッカリしたよ・・・
まぁ俺の勝手な思い込みだがな?
だけどな?制限解除してなかったのはどういう事だ?
全員がそうだがな?弱者と戦いすぎて忘れたか?
おまえさ?死にたかったのか?
俺という存在になりたかったのか?
お前はお前でしかないんじゃあ!ボケえ!!
お前の名前はなんだよお!おいい!!
トキか?違うよなあ?ヴァイスだよなあ?
あの冒険者の祖父ヴァルカ=クリプスの孫とだよなあ?
俺が祖父の孫に成れるわけねえだろうが!ボケえ!!
お前はお前なんじゃ!お前のままで強くなれや!!
じゃないとな?家族が悲しむぞ?
人の家族持ってるのこの中にはな?お前だけなんだぞ?
お前が死んでな?俺に責任取らせるつもりか?ああ!?
そんな事しねえよ!!自ら選んだ道だろうが!!
ならな?簡単に譲るんじゃねえよ!阿呆う!!
お前が選んで歩く道だからなあ?
楽に行動出来ない道を選んだのだからなあ?
じゃないとな?俺に付いてくる必要ないんだよ?
何で俺に付いてきた?もう一度思い出せ!
そして忘れるな!!それがお前の原点だからなあ!!」
全員に説教すると場が静まり音を立てなかった。
考えてるんだろう。
自らの行いについて。これからについてを。
さてここで爆弾落としてやるか!
「お前らは今反省してると思うがな?
言いたい事と見せたいもの。まだあんだよなあ?
先ずはヒュドラ!これとこれな?」
俺はストレージからヒュドラ2体出した。
1km近い巨体がドシンと現れる。
「分かるか?この違い?殺れと戦うの違い。
俺は五つ首に対して首を縦に落とした!
お前らは?足を傷つけ満身創痍で
翼を落として首を横に切断した!
なんて労力の無駄遣いしてんだよ?ボケども!!
これ見てもう一度考え直せ!工夫の意味をな?
後な?ヴァイス?一つ良いか?」
「はい・・・なんでしょうか…先生…」
俺に説教されて落ち込んでる。
だが俺はスイッチを押してるんだ。
爆発させないとな?
「お前の後ろにじいちゃんいるぞ?」
「え?・・・えぇぇぇえぇぇえ!!?」
「はあぁ!ここで儂、教えるう!!?」
「サプライズとしては最高だろ?」
「最悪じゃ!悪魔かお主は!!?
飴と鞭の使い方間違ってるからな!!?」
俺は最高の笑顔でサプライズ実行した。
俺の発言に落ち込んでたヴァイスは
まさか後ろにいる麦わら帽子の男性か
ヴァルカ=クリプスとは思ってなかったらしい。
恐る恐る後ろを向いて互いに目を合わせて
ヴァイスは心底驚いてた。
ヴァルは俺に批判している。
これで全員、頭の中にある説教と反省が
離れただろうな!
トキは内心してやったりと思っていた。
こうして祖父と孫の間違いの出会いが起きた。




