魔物部屋
「凄い数だな?良くあの人数で凌いでるよ!」
「それだけ実力ある冒険者じゃないんですか?
シルドさん達も怪我してますが
生きてますしね?先生!」
「キュイ!」
「数はロックゴーレムが3体、武器持つパペットが
約600体ですかね?主殿?」
「そうだな…50対603か…あれで半分なら
最初にどんだけいたのやら・・・」
野球場の広さある部屋に
人対魔物の戦いが行われていた。
ロックゴーレムは5mある巨体で
分厚い岩の装甲に守られている。
ロックパペットは土人形の形で顔無し。
各自が剣や槍、斧などの武器を持ち
人と同じ体で集団で攻撃をする。
体は土で出来ており
ゴーレムとパペットはそれぞれに
核があり核を破壊すると機能停止する。
停止した魔物は地面に崩れていく。
場所によってはパペットの土で丘が出来ており
ゴーレムは岩を投げて攻撃している。
「くそ!まだいやがる!多すぎるぞ!」
「愚痴をこぼすな!口より手を動かせ!」
「これで半分とな・・・笑うしかないな!」
「諦めるなよ!交代したばかりだ!」
「分かってる!諦めないよ!」
「なら良い!!俺達はまだまだ動けるからな!」
「魔力が足りないわよ?殴るしかないわね!」
「武器は落ちてるから使えよ?」
「分かってるわよ!使えるものは何でも使うわ!」
「私は・・・早く終わらしてルティに会うんだ!!」
「・・・」
「ウォル!ここで落ち込まないで!
体を動かしてね!」
「マールの言うとおりだ!動かせ!」
「分かってるよ!リーダー!」
・・・ウォル…可哀想に…メリルそれフラグだ・・・
まぁ…フラグ回収はさせないけどな!
それぞれが口と体を動かして戦っている。
「先生!僕達も!」
「キュイ!」
「いきましょう!主殿!」
「そうだな!こんな体験は久しぶりだ!
スーサイドの別れのパーティー以来か?
あぁ…ヴァイスはいなかったな?
楽しかったぞ!宴の会場が次々に出来てな!
彩りのある柱が複数出来て
肉料理が並んで、演奏が響きわたり
赤い花が咲き誇り赤い敷物が敷かれた!
あの光景も撮りたかった・・・」
「先生?それって・・・」
「キュイ!」
「ヴァイス殿!言わぬが花と言うものですよ!」
「・・・分かった…」
「では会場設営を始めて宴を開こうか!
彩り良く豊かに綺麗な会場にしよう!
土一色じゃつまらないからな!
あぁ…スーサイドと違うからちゃんと
制限しろよ?隠し部屋と同じでだからな?
戦力はあの職人達が格段に強いが数が多い!
ルティも気を付けろよ?
姿戻したらテイマーギルドで
登録し直さないといけないからな!
さあ!行動開始だ!!!」
トキ達はトキの合図に合わせてそれぞれ散開した。
部屋の中でヴァイスとルティは左に、
フィルは右に、トキは中央に現れる。
ガキン!キン!ドゴッ!パキン!
「くそが!武器が・・・」
「早く他を拾え!殺られるぞ!」
「分かってるよ!!くそ!買ったばかりなのに…」
「報酬で新しく買い直せ!俺の負担が増える!」
「分かってる!剣は・・・あっ…」
ザン・・・ゴロゴロ…
「どうした!?またか…残り人数少ないのに・・・」
20人居た冒険者が8人となり
冒険者達は疲弊士気が落ちていた…
「あのぅ…大丈夫ですか?」
「キュイ?」
「・・・!?子供に子狐?俺も死んだか…
戦場で幻覚が見えてるな…ハハハ…」
「大丈夫ですか?まだ生きてますよ貴方は!」
「キュイ!」
「まだ生きてる?夢じゃないのか!?
ここは子供が来る場所じゃないぞ!!
俺達が守るから早く逃げろ!!!」
「あぁ…お構い無く…もう終わってますから!」
「キュイ!キュイ!」
「・・・え?」
1人の冒険者が驚き見渡すと
100の魔物に囲われ絶望的な状況だったのが
目の前に消えてる。
「・・・おい?おいおいどういう事だ?」
「僕達が倒しましたので大丈夫ですよ!」
「キュイ!」
「馬鹿な!?本当なのか?誰か見てないのか!?」
「幻だと思ってたが…本当だ…
小さい影があると思ったら魔物が崩れていった…
その子達が俺達を助けたんだ…」
「俺も見た!目の前に現れて…一瞬で対峙してた
魔物を倒して次に向かった・・・」
「・・・俺も後ろから襲われかけたが
ドシンと音して振り向くと子供が剣でな…」
「・・・そうか・・・」
冒険者はその場で腰から落ちた。
「安心するのは早いと思いますが・・・
今は休んでてください!
ルティ!よろしくね!」
「キュイ!」
ヴァイスの頭からルティが地面に降りる。
「・・・おい?1人でいくのか!?
子狐置いて何が出来る?ふざけてるのか!?」
「ふざけて無いですけど?
ルティから離れないでくださいね!
後戻るまで壁が出来ますけど触れないように
お願いします!直ぐに戻りますので、では!」
「おい!!!」
冒険者の目の前から子供が消え、
回りに火の壁がそそりたつ。
熱さは感じないが周りの魔物は燃えていく。
壁の向こうで白い小さな影が駆け回ってる。
左側に居た魔物ロックパペットは全て
土に戻っていく…
離れた場所に居た白い影はいつの間にか
目の前に現れる。
現れたと思ったら火の壁が消えている。
子供の頭に子狐が乗ってる…
ここまで10秒も経ってない。
「ハハハ・・・俺達は夢を見てるんだ!
もしくは死んでる!絶対そうだ!ハハハ…」
「だから生きてますって!!もう…
おじさん達は現実に戻ってきてください!
後は任せて部屋から出て回復してください!
直ぐに終わらせますので!
ではルティ行きましょうか!!」
「キュイ!」
ヴァイスは冒険者達に現実に戻るように伝えて
その場から消えた・・・
冒険者達は我に戻り急いで部屋から出る。
その子供は後に白影の二つ名を得るきっかけの
出来事であった・・・。
「とりあえず火の壁で彩りしたけど
これで良かったかな?足りない気がするけど…」
「キュゥ…」
ヴァイスはルティと会場設営について話していた。
「これは・・・誰も考えてないのでしょうか?」
フィルは上空から左側を眺めていた。
20人の冒険者が200のロックパペットに
囲まれている。
5人のグループ2組が離されていく。
円形に囲まれ冒険者は目の前の魔物に精一杯。
離れてるのに気づいてるが戻れない。
グループ間にロックパペットが入り込む。
ロックパペットの中央にロックゴーレムがいて
入口側には10人の冒険者達。
上空からはまるで顔の様に見えた。
目と鼻と口に。
「んー・・・土には・・・水ですかね?
冒険者達は自分達の力で頑張ってもらいましょう!!
では連絡として
皆さーん!!今から水が落ちてきますからね!!!
各自で我慢してくださいねー!!!」
フィルの大声に冒険者達は上を見上げる。
上にはグリフォンが存在していた。
新たな魔物かと震えたが見覚えのある姿。
「フィ・・・」
仲間だと判断し名前を呼ぼうとした途端に
上空に巨大な水の塊が落ちてくる。
ロックゴーレムよりも巨大で周りを覆うように。
「皆!!!息を大きく吸い込んで伏せろ!!!」
1人の冒険者が水の意味に気付き大声をあげる。
周りの冒険者も声に合わせてその場でしゃがむ。
しゃがんだところを魔物の波が押し寄せて
覆い被せて1体のロックパペットが
攻撃しようと斧を振りかぶった時に・・・
ザッバーーーン!!!
地面に池が落ちてきた。
池の水圧に負けてロックパペットは潰れる。
ゴーレムも中央に居たので逃げれず
直接当たり地面へめり込んでいく。
冒険者達は息を吸い伏せてたので
ロックパペットとゴーレムのお陰で
直撃は避けられ無事に生きている。
水もロックパペットの土が吸い込んで
足元に大きな沼が作られた。
「皆さーん!!!生きてますかー!!!
無事なら早く部屋から出てくださいねー!!!」
フィルは飛びながら冒険者達に声を掛けた。
「・・・・・・」
助かったが泥だらけになり周囲を見て
全員がその場で沈黙した。
伏せて無ければ死んでたと思うほどに
真ん中のゴーレムは地面にめり込んでいた。
ゴーレムが居た場所を中心にすり鉢状に
地形が変わってた。
「・・・・・・」
冒険者達は沼に足をとられながらも
ゆっくりと歩き部屋を出た。
後に冒険者は語る。
「あれは俺達も殺すつもりだったんだ!!」と
フィルは・・・
「スーサイドに比べて楽過ぎますね!
あの程度ドルガさんなら防いでますね!」
隠し部屋の職人と敵を比べていた。
「フィル・・・あいつ加減間違えてないか?」
トキは中央でフィルが落とした水を見て呟く。
水が足元まで流れてきた。
周りのロックパペットは流れに足をとられ
転んでいく。
「・・・ライトのミディアムだな・・・」
フィルの修行コースが決定された。
トキは武器フルバルを使い人形を破壊していく。
「・・・弱い…弱すぎる…職人がまだマシだ…」
スプリガンと比較して嘆く。
軽く一閃しただけで崩れていく。
加減も1%まで下げている。
こんなに弱いのに押されてたのか?
徐々に苛立たし始める。
中央には2体のロックゴーレムに
ロックパペットが300居た。
そのうちゴーレムをシルド達が押さえてる。
ロックパペットは残り150。
「シルド元気か?」
「トキか!元気そう…いや不機嫌そうだな…」
「あぁ!ちょっとな・・・」
「トキが居るって事は砦の調査は終わったのか?」
「無事に終わったよ!楽しませてもらったしな!
だがこれらに一気に壊されたよ…」
「そうか・・・」
「シルド達でロックゴーレム1体は倒せるか?」
「簡単だが他の1体とパペットはどうする?」
「俺の憂さ晴らしに付き合ってもらう!
1体のゴーレムに専念してくれ!
俺の仲間もいるから大丈夫だ!」
「・・・分かった!無事にな」
「シルド達もな!」
「皆聞いたな!!!ゴーレムを早く倒すぞ!!!」
「「「了解!リーダー!!」」」
多くのパペットに苦戦していたシルド達を見つけて
トキはシルドに提案し了承を受け作戦が決まる。
シルド達はロックゴーレムに向かい始める。
シルド達はランクAのパーティーだ。
ランクC相当なんて簡単に終らせるだろう。
数にやられていただけだろうな…
4対302だ。負担が多い。
内心思いながらパペットを葬りだす。
少しずつ怒りを混ぜながら…
暫くしてヴァイス達が現れる。
「先生!お待たせし・・・不機嫌ですね?」
「キュゥ…」
「何かありました?主殿?」
「あぁ!不機嫌だ!正直弱いのに数が多くてな!
鬱陶しくて仕方がない!!
魔法も憂さ晴らしにならない程効いてな…
フルバル使い1%まで下げても軽く倒れる…
今では素手での格闘だ!
通常生活の5%に戻してるが苛立たしくてな!!」
「大分お怒りですね…先生…」
「キュゥ…」
「まだドルガ達職人が楽しめましたな!」
「その通りだ!シルド達にはロックゴーレム1体を
頼んでいるが俺が殴り倒したいところだ!
まあ…後少しで終わるみたいだがな…
俺は戦闘らしいことはしていない!
攻撃前に殴り崩れる…
見ろ!この山を!!まだ人形が50いるが
ほとんど俺が倒したものだ…
ゴーレムも1体残してるがあれがランクCなら
検討違いだぞ?」
「先生…」「キュゥ…」「主殿…」
「ヴァイス達は何もするなよ!
俺1人で終らす!ゴーレムも人形も!
決して邪魔はするなよ?
機嫌がもっと悪くなるからな!!
だから・・・「ドゴン!!」分かったな?」
「分かりました!!先生!!「主殿!!」」
「キュイ!!」
目の前に現れた人形を殴りヴァイス達を脅す。
本来より加減しながらも目の前に現れる
トキより弱い人形に苛立ちが隠せない。
期待外れで相手の実力分からず襲いかかる。
爆発するのを抑えて加減する。
終わったらスーサイドで憂さ晴らしだ。
心で決めてパペットを殲滅した。
ゴーレムとの戦闘中にシルド達が現れる。
「トキ!残りはこいつだけだ!
・・・って再会した時より不機嫌だな!!」
「ああ・・・シルド達か…」
鬼の形相でシルド達と話している。
「思ったより俺も加減し過ぎて慣れなかったが…
ウォルの練習相手としては良かったぞ!」
「・・・そうか…なら良かったな!
ランクAも大変だな…加減しないといけないなんて
生活きついだろ?」
「まぁな…下手に爆発すると確実に
数件の家が無くなるからな!」
「・・・そうか…大変だな…」
トキが爆発すると街が消えるだろう…
「とりあえず俺が倒すから休んでてくれ!
直ぐに終らす!迷宮核も破壊しないと
いけないからな!!」
「・・・分かった!危うかったら入るからな!」
「それは無いな!もう終わったから!!」
「?」
ドーーン!!!
ロックゴーレムが弾けた。
「・・・仕掛けてたからな!時限式の魔法を…
思った以上に浸透するまで時間掛かったが
これで完了だ…」
「お前・・・ランクCは嘘だろ?」
「本当だぞ?ほれ!ランクCの証明だ!」
トキはシルドにプレートを渡す。
「・・・本当だな…お前見たいのが
高ランク冒険者になるんだろうな…」
「ありがとうと受けとるよ…」
迷宮核前の魔物部屋は全て片付けた。
俺達とシルド達で迷宮核のある部屋に入る。
「嬉しいねぇ!まだ居たなんてな!!!」
迷宮核の部屋の前にもうひとつ部屋があり
魔物部屋と同じ広さに棍棒と斧を持つ2体の
10mを越えるミノタウルスが存在していた・・・




