力の使い方
トキ達は隠し部屋の魔物を倒して
入口と違う扉を開けていた。
「凄いな…宝と言っても過言ではないな…」
「キュゥゥ…」
「素晴らしいですね!あの魔物達が?」
「そうだと思いますよ!
確り手入れされてて倒したのが悔やまれますね…」
俺達は目の前に広がる森の光景に
目を奪われていた。
手入れされた地面がまるで日本庭園の
枯山水見たいになっており
森の木々も全体を損なわせない様に
上手に手入れされている。
魔物なんて存在すら考えさせない
まるで違う世界に来たみたいな
優雅に落ち着きのある素晴らしい風景が
目の前にあった。
「本当に後悔するな…
ここまでの風景を作り出した魔物を倒したなんて…
そこらの宝や美術品よりも価値あるぞ…
幻想的ではなく古来を強調しながらも
違和感を感じさせない代物だ…
俺達はとんでもない職人を倒してしまった…
魔物国宝として扱われても良い程のな…
惜しい…惜しいぞ…先に言ってくれれば
戦いなんて無謀な事するなんてならなかったのに…」
「先生…後悔しても戻りません…
この光景を心に焼き付けて離れましょう…」
「キュゥゥ…」
「ドルガさん…言ってくれれば・・・」
トキ達は全員が心から魔物を倒した事に後悔した。
それほどまでに手入れされた森が
絵画が目の前にあった。
「そういえば・・・」
トキはストレージを確認している。
「どうしたんですか?主殿?」
「先生?」「キュイ?」
「あった!!!確か気紛れに作ったなと思って
探したら見つかった!!!」
トキはストレージから箱の様な物を出した。
「先生?それはなんですか?」
「これはな?俺の居た世界で
『カメラ』と呼ばれていた物だ!
この箱には目の前にある光景が映像として
保管され紙などの媒体を使って再び同じ物を
見る事ができる云わば魔道具だ!
ヴァイスと一緒にスーサイドで生活した時に
図鑑を自動更新しててな!
前もって坂口先生に依頼して現在の地球知識を
組み込ませて貰うようにしてて
その中にカメラの構造、歴史を見つけてな!
苦労したが都合良く使える魔物を狩っててな
その魔物の部位を使い出来た物だ!
これをこう使って・・・「パシャ!」
どれどれ…おお!ちゃんと撮れてる撮れてる!
見てみろヴァイス!同じ風景だぞ!
後で現像して部屋に飾ろう!」
俺は撮った風景をヴァイス達に見せた。
「先生!同じのが見えます!!
凄いです!!これ確実に売れますよ!
この世界にない技術だと思います!
人が描いて飾るのが当たり前ですから!
人物画は人の腕によって変わりますが
これなら誰でも職人になれますよ‼」
「凄いですね!同じですよ!」
「キュイ!キュイ!」
「ヴァイス…売らないぞ?
これはな…本来この世界に無い代物だ!
俺は技術の伝承に来たんじゃない!
前にも伝えたが強制的にこの世界に来たんだ…
必要以上の未来的な知識を伝えるつもりはない!
俺が居た世界の空想の物語をしよう…
原始の時代にある人間が現れた!
その者は暫く知らない土地で生活していたが
原始的な生活に嫌気が差して
その者の持つ知識を伝えた…
それが世界の終末を告げると知らずにな…
その知識を使いその土地の住人は豊かになる。
周りに住む人は真似ていき
その世界は一気に文明が発達した。
国が作られ王国が出来て領地が産まれた。
その知識を広めた者は神と崇められると
共に畏怖される様になった…
その世界の1人の者が知識を悪用しようと
企み神を幽閉した!
神がいなくなり全ての人が互いを怪しんだ。
同じ思いを持っていたからだ…
それが土地間から国へと変わり
戦争が始まった。
武器も近距離の物から遠距離の物へと
変化していた。
魔法ではないぞ?
和平なんて結ばない…
神が居なくて戦争で人の心は黒くなり
荒んだから。
互いを怪しみ、憎しみ、妬む。
そして互いの国々は超範囲殲滅武器を
使用してその世界は文明は滅んだ…
悪用し幽閉を行動した人は消えた…
殲滅武器に殺られて…
その事を知らない神は何も与えられず飢餓して消えた…
こうして世界は終末へと進んだ
上手く生きた者は原始の文明を使った。
世代を繰り返して原始の文明が
最高の文明へとなった…
後の記録者は伝えを語り告げる。
彼は世界を救った神ではない滅ぼした悪魔だと…
この物語の意味分かるか?
文明を変える力は使い方で
発展から滅亡へと変化する…
破壊と創造は表裏一体!
魔物と同じだ…異常だから魔物なんだ!
異常は人を狂わす…変化させる…
俺がその実例だ!
だから出来る限り穏便に暮らしたい!
冒険者は暮らすための職業だ!
先生の職業も安全を得るために子供から
教育して安心する土地へ変えるためだ!
常識的を教えて異常を作らない!
俺の力は商人には使えない!
使うと文明を滅ぼす可能性があるからだ!!
ヴァイス!分かるな!お前なら!
異常であるお前なら分かるはずだ!
俺達は存在を否定される存在だが
隠して否定されずに存在してるんだ!
出来る限り表に出ずにな!
冒険者で名声を得るなら問題無いが
商人としては問題がある!
想像したから出来た?その想像は力だ!
力は自分の為に使わないと後悔する!
他人が勝手に使ってみろ?
傷つけない物も悪用して傷つける物へと
変化したらその責任は誰にある?
悪用した人?違うな!
想像した人が責任を負うんだ!
だから考えて!考えて!考え抜いて行動するんだ!!
分かったな!ヴァイス!!
これは個人で俺達だけで活用するんだ!!!」
俺はヴァイスへ力について説いた。
ヴァイスは後悔した顔で泣きそうになる。
迂闊に考えてしまったと…
だか直ぐに思い直してトキを真っ直ぐ見て
力強く頷いた。
厳しいようだか当たり前の考えだ!
力は人を狂わす!変化させる!
使われず使いこなさないと全てが消える。
考えない馬鹿は利用され死ぬ。
だから俺は考え抜いて行動する。
その考えを持たない人は仲間に要らない。
ヴァイスは考える人間だと考えたから
一緒に行動してる。
でなければ俺は首を即跳ねている。
貴族だから子供だからなんて関係無い。
その時はスーサイドで暮らすだけだ。
「先生!すいませんでした!!
考えが甘くて先生達を悪魔へと
認識させる事になるところでした!
本当にごめんなさい!!!」
「理解してくれたなら問題無い!
俺達は同じ穴に住む生き物だ!
間違いを起こす前に説くのは当たり前の事だ!
子供だからと甘えはさせない!
お前が危険となると俺達まで危険となる!
だから考えるんだ!その為に頭があるんだからな!
分かったなら早くここから離れて
洞窟に向かうぞ!終わってるかも知れないが
行かないよりはいいだろう!
後でカメラは現像するからその時に
感動と戒めを感じてくれれば問題無い!」
俺はヴァイスの反省の言葉に
戒めの言葉を説いて歩かせる。
暫くは暗い雰囲気だったがフィルとルティのお陰で
元の雰囲気に戻った。
持つべきは仲間だなと感心した。
「キュイ!」
「そうですね!主殿が異常と理解して
自分は魔物だと言ったのは感動しましたね!
改めて仲間だと思いましたよ!
異常ですもんね!私達以上に!!!」
・・・何処に感動してるんだ?お前達・・・
・・・誰がお前達より異常だ!誰が!・・・
俺は内心で感心したのを馬鹿らしく感じた。
俺達は隠し部屋から出て3階を見て
砦の迷宮核があった場所にいる。
何も無い。台座があるが上の物が無い。
洞窟に融合したのは間違い無いだろう…
「先生?ここが元、砦の迷宮核があった場所ですか?」
「みたいだな…台座はあるが上に核が無い…」
「キュゥ!」
「おい!ルティ乗るな!離れろ!」
「キュゥ…」
「・・・たく…お前が新たな核になったら
切らないといけないんだからな?」
「キュイ!?キュゥ…」
「分かったなら大丈夫だ!
とりあえず何も無かった事だし離れるか…」
「主殿?無視してますよね?この振動の事…」
「先生?ルティのせいですか?」
「キュイ?」
「あえて無視してたのに・・・たく…
敵さんが大勢でお迎えだからルティ!
責任持って全て倒せ!異論は認めない!!」
「キュイ!」
「先生?僕達は・・・」
「手伝いは禁止だ!罰だからな!
もしルティが考えて見逃したら自分に
来た魔物は倒せ!その分ルティ!
分かるな?罰が増えて一定を越えると・・・」
「キュイ!キュイ!」
「分かったなら今回は元の姿に戻って倒せ!
能力は隠し部屋と同じ1割だ!」
「キュイ!」
ルティが台座に乗ったせいで魔物が大勢で攻めてきた。
ルティの罰に倒す事を伝え
元の姿で見逃したら罰が増えて
地獄も生ぬるい精神修行コースが待っている。
理解したルティは器用に敬礼して
姿が変化する。ゼクスマーブルテイルへと。
「そういえば今更だがいつ進化したんだ?
俺は知らないぞ?」
「先生は知らないんですか?
知ってると思ってましたが・・・」
「ヴァイス!俺はテイマーだが
知らないものは知らない!
考えて見ろよ!翻訳出来るのうちでフィルだけだぞ?
見ろ!フィルだって驚いて目が落ちてる…」
「あり得るんですね・・・現実に…」
「俺も初めて見た…もしかしたら俺達も・・・」
「先生!言わないで!現実になっちゃいそうです!」
「そうだな・・・フィルの目を拾って・・・
ぬるっとしてる…よし嵌めたぞ!大丈夫か?フィル?」
「大丈夫です!驚きました!急に視界が落下して…
主殿!助かりました!」
「・・・落ちる時に視界が落下するんだな…
ヴァイス…気を付けような…お互いに…」
「そうですね…これをすると人間辞めてますから…」
「そうだな…異常と言ってもこれはな・・・」
俺達は人間を辞めないように約束した。
もう遅いかもしれないが・・・
ルティは元の姿で大群をうち漏らさず退治した。
ルティは安心したのか小狐の姿で
ヴァイスの頭に乗ってへたってる。
「よし!回収終わったから洞窟向かうぞ!
ルティも頑張ったな!」
「キュゥ…」
「そのままヴァイスに乗ってろ!
暫くは俺とフィルが魔物の相手してやるから!
ヴァイスは愛でてやれ!」
「「了解です!先生!(主殿!)」」
俺達は砦の調査を終えて洞窟へと向かった。
・・・魔物?
一切現れなかった…全部ルティに行ったのだろう…
1階の中央に洞窟へと向かう穴を見つける。
穴は人工的に空けられたみたいだな…
「・・・たくよ…誰だ?こんな真似したのは?」
「どういう事です?主殿?」
「フィル分からないか?ヴァイスは分かるよな?」
「はい先生!この穴は自然にではなく
人工的に空いてますね…」
「正解だ!ヴァイス!
そういう事だ!フィル!テストに出るぞ?
しかし・・・めんどくさいぞ?
思ってる以上にこの案件はよ…
後でハリーに厳しく問い詰めないといかんな!
とぼけやがったら・・・ギルド長だからと
関係無く修行コースだな!!」
「それ出来るの先生だけですからね…」
「キュゥ」
「主殿は修行させるの好きですからね!
ギルド長が悪い事をしたなら反省を受ける!
子供の教育と一緒ですね!」
「そういう事だ!場合によってはヴァイス!
お前の親父もクルス隊長も一緒だからな!
コースの時間はお前が決めて良いぞ!」
「父さんもこの件に関係してるんですか?
知らなかった・・・なら仕方ないですね…
家族の罪は家族がしないと駄目ですからね!」
「立派になったな!ヴァイス!
流石は俺の生徒だ!
家族の罪は家族が正す…
間違ってたら正してやるのが人の道だ!
では行こうか!終わってないのを祈ろう!」
俺達は砦の穴から洞窟へと向かった。
修行コースをどれにするか考えながら・・・




