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説教好きな冒険者~全てに怒れる召喚されし者~  作者: アールエス
第2章 街ベラム
33/586

べラムでの2ヶ月(後編)

新しく購入する土地を見つけて

大掃除を行う為に俺はヴァイス達がいた場所に戻った。


もとに戻るとそこには路地裏へと続く道の

左右に屋台が設置されている。

路地裏の奥にはフィルとルティを仕切る布があり

フィルの前に机と椅子、

ルティは机に座って前に椅子が用意されてる。

それぞれの前には2列の長蛇の列があり、

老若男女問わず並んでいる。

最後列の人は木の板に棒を付けた

いわゆるプラカードを持たされている。

『最後はここです』と文字が書かれている。

フィルとルティの間にヴァイスが最前列の

人に説明をしてお金を貰い向かわせてた。

フィルの前に人が座り相談をする。

ルティの前に人が同じく座り餌をやり

話して撫でて可愛がる。

餌は少ない量でヴァイスが管理していた。


・・・何してんの?握手会かな?・・・

・・・何でプラカードなんてあるのかな?・・・

一定時間が経つとヴァイスが座ってる人達に

離れるように指示して立ち上がらせる。

フィルとルティの相手をしていた人達の表情は

晴れやかになっていた。


「・・・・・・」

これから大仕事するってのに何してんだ?

徐々に苛立ちを募らせていく。

ヴァイスは笑顔で営業していた。

ヴァイスの前にも机があり

四角の大きな箱の上部に切り口を開き

机の上に置かれている。

貰ったお金をヴァイスが入れていく。

・・・貯金箱?賽銭箱かな?・・・


誰が考えた知らないが良く人を回転させている。

ヴァイスが考えたんだろうか?

まだ10歳だよな?

疑問と感心を持ちながら最後列の人達に

順番に話し掛けていき離れさせる。

最初は渋ったが理解して離れてくれた。

笑顔で軽く怒気を発して説得したのだ。

飼い主を怒らせる訳にはいかないと

離れていく。


徐々に列が瓦解していきヴァイスの目の前に行くと

「ちょっとお客さん営業妨害ですか?

警備隊に出しま・・・先生!!」

完全に商人となっているヴァイスが

俺を見て驚いた。

「・・・ヴァイス何してるんだ?

俺はフィルとルティを見せ物として

連れてないんだがな・・・

俺に隠れて商売するたぁ立派になったな?おい?

フィルとルティが許可しても

俺は許可してないよな?そんな事よぉ?」

俺は殺気混じりの怒気でヴァイスを威嚇した。

「先生・・・そんなつもりは・・・

見せ物なんて・・・先生・・・

ごめんなさい!もうしません!許してください!!」

ヴァイスは怯えて後ろに後退り

俺に頭を下げて許しを乞う。


10歳の子供に謝らせてる。

外聞としては良いものではないが甘やかさず

躾を確り厳しく行う。外聞なんて知らん!

「今から仕事だってのに怒らせるな!

ヴァイス今は許してやるが今度すると

・・・どうなるか分かるよな?」

「はい!先生!理解しました!!

直ぐに片付けてきます!」

ヴァイスは慌てて離れていく。

ヴァイスは銅貨2枚で営業しており

箱の中身は一杯で3つ目の真ん中まで繁盛させていた。


・・・目を離すと駄目だな・・・

片付け終えたヴァイスはフィル、ルティと共に

俺の前に現れて全員で頭を下げて謝った。

俺は殺気混じりの怒気を抑えて許して

曰く付きの家に向かった。

その前に寄る場所があったので先に場所を

教えて向かわせる。

今度は真っ直ぐ向かう事を期待した。


俺が着くと廃墟の周りに人の波が出来ていた。

大掃除をすると宣伝した結果だろう。

波を掻き分けて進むと

テレアさんとヴァイス達が廃墟の前にいる。

ちゃんと真っ直ぐ来たようだな。


「トキさん言われた通りに話しましたけど

まさか大掃除でこんなに集まるとは・・・」

「予想の範囲内ですよテレアさん!

俺が再度入って出て来てから始めるので

待っててくださいね!」

俺は1人で廃墟に入り使えるものは全て

空間魔法に入れていき大掃除の準備を行う。

途中で扉を全て開けてから廃墟から出た。


俺はテレアさんに話す前にヴァイス達に指示を出す。

「テレアさん!今準備完了しました!

今から大掃除を行いますがどうせなので更地に

して家を建てたいと考えてます!」

「更地にですか?つまり家を破壊すると?

まだ契約完了してないんですけど・・・

どうやってするんですか?」


「その分払いますので許してください!

俺は魔法を使えるので範囲を指定し

この土地だけを燃やします!

その後の建築費用も俺達が払い行いますので

土地の仕様書をもらえれば大丈夫です!

万が一に備えて周囲の人達を避難させて

仲間達が周囲の家を守るので問題は無いです!」


「なら問題はないと思います・・・

曰く付きなのでこちらとしても壊して貰えるなら

歓迎ですね!壊すにも費用が掛かりますし

嫌がってしてくれないですから・・・」

「そうなんですね…仲間達の配置も完了しましたし…

では大掃除を開始します!!」


俺は大掃除開始を周りに聞こえる様に

大声で宣言し魔法を使う。

土地の周りに竜巻を作り出す。

大きな竜巻が石壁に沿って渦を巻く。

風は強風だが外にいかないように制御している。

竜巻を安定させると廃墟に準備した

受信用魔道具に火を着ける。

受信用魔道具は自作の小型魔道具で

俺の魔力に反応して内部に仕込んだ

魔法陣から魔法を放つ。


廃墟から徐々に煙が上がり始める。

廃墟の扉を開けてる為全てに

大量の煙が広がっていく。

中から一斉にネズミが現れる。

悲鳴をあげて出てくるが

土地から出ることが出来ない。

ネズミが出終わったのを感知して

仕上げを行う。


「トキさん?あれって・・・」

「そうです!ネズミです!ひっそりと

潜んでたんですね!全部で・・・

50いや百匹ぐらいかな?どこにいたのやら…」

「いやトキさん!ネズミじゃなくて人ですよね!?

だから掃除すると言ったんですか?」


「そうですよ?案内された時には気配察知で

調べて既に悪の巣窟となってましたので!

だからテレアさんを残して1人で向かいました。

キッチンや風呂等、最近使われた痕跡があり

地下室を見つけて確信し炙り出そうと

短時間での決着を望んでやりました!」


「そうなんですか・・・」

「そうなんですよ・・・

まぁ悪党は近くに警備隊も配置してますから

今日中には捕まりますよ?

悪党を燃やさない為に手間を掛けて

煙で炙り出したんですから!

一応、悪党はまとめて逃げない様に

風の牢屋に入れてるので

安全ですよね?」

「・・・そうですね…」


俺はネズミ=悪党を見つけてたので

大掃除を進めた。

受信用魔道具は煙を出すだけの発煙筒。

火事だと思い上手く出てきてくれた。

曰く付きで15年も住まず壊されなければ

隠れて住むのは当然である。

誰も近寄らないから住み家としては

申し分無い立地であり最高の場所だ。

そんな場所で火事だと思うと

昼間でも確実に出てくるのが人の性。

そこを一網打尽にして隔離させ

現在土地の入口付近の右角の石壁に

風の牢屋にぶちこまれている。

出ようにも竜巻に囲まれて出れない。

掃除が終わるまでいてもらう。


さて俺は完全に廃墟に人がいないのを確認して

魔法で燃やし尽くした。

廃墟は跡形もなく全て灰となった。

地面も地中から盛り上がらせて

地下室いや部屋が頂上にある高い山が出来上がる。

この時悪党はヴァイス達の動きにより救助され

警備隊に全員連行されている。

俺は山を少しずつ戻していき

地下室を完全に破壊した。

今では他の土地と同じく平坦になっている。


「テレアさん終わりましたよ!」

「・・・夢でも見てるんでしょうか?私は…」

俺が終わりを告げると唖然としている

テレアさんが現実逃避している。

「夢じゃなく現実なので契約しに戻りますよ!

ああ!皆さんもお疲れさまでした!

完了しましたので帰宅してください!」

人の波が目と口を大きく開けて唖然としていた。

誰もが現実逃避をしている。


「ヴァイス達もお疲れだったな!

この土地を買う契約しに行くから

この人と一緒に行くぞ!」

「了解です!主殿!」「はい!先生!」「キュイ!」

ヴァイス達はそれぞれ返事をする。

唖然としているテレアさんを連れて

雑貨屋へと戻り無事に土地を購入した。


この時の出来事を見ていた住人は

井戸端会議で話していき街の住人全員に知れ渡る。

そして全員が同じ考えを持つ。

『トキを怒らせるな!』と。

テイマーギルドの噂が含んで

怒らせたら命がない事を考え

普通に接しようと全員が周知する。


そんな事を知らないトキは土地を得てから

仲間と共に建築をしていた。

建築するためにクリプス辺境伯の元へ

フィルの街中での飛行許可を得るために

訪れた。


「久しぶりだなトキ君!元気そうで何よりだ!」

「お久しぶりです!スーサ殿!」

俺達は今クリプス辺境伯の執務室にいる。

「書類や街で君達の名前が良く出るよ!

あっという間に有名人になったな!

喜ばしいよ 本当に!」

「自重しているつもりなんですけどね…

有名に成りすぎて推薦された宿から

追い出されましたしね・・・」


「それはすまなかったな…

こっちも想定を上回ってしまってて

申し訳ないよ!トキ君にもアウレにも…

そういえば色々あって土地を購入したらしいね?

訪れた用件もその関係かな?」

「その通りです!話が早くて助かります!

今建築してるんですけどその建築期間だけ

フィルの街の中での飛行を許可貰いたいんですよ!」


「期間限定の飛行許可か・・・本来は駄目なんだが

トキ君だから運搬だけで4日ぐらいかな?

伐採して運搬して…そのぐらいなら許可するよ!

許可証作るから待ってて!」

「ありがとうございます!助かります!」

「ちなみに・・・ヴァイスの件だが

親としてクルス隊長から聞いててね?

今はどこにいるのかな?何故あの姿に?」


クリプス辺境伯はヴァイスの髪が金髪から白髪へ

変わったことに対して圧を放ち聞いてくる。


「ヴァイス君はいや仲間兼生徒としてヴァイスと

呼んでますが今は妹のスフィア様のところに

居ますよ?久しぶりに会いたいとの事で。

髪に対しては修行の結果としか言えませんね

実際に以前より強くなってますし

魔法も使えるようになりましたよ!

祖父の遺伝なんてものが存在してんのでしょうね

商売についても建築が終わり次第

商業ギルドに登録して稼ぐつもりらしいですよ!」


俺は今のヴァイスについて客観的に述べた。

白髪については修行の結果としか言えない。

スーサイドでなったなんて口が裂けても言えない。

俺の事について話さなくてはいけなくなるから。


俺の言葉に違和感を感じたのか

睨みながら書類を作成している。

・・・器用だな…ノールック、見ずにしてるよ・・・


痛い!手元を見ずに書類作成していたので

ペンが手に刺さったらしい。自業自得だ。

俺はクリプス辺境伯から許可証を貰い

今日1日はヴァイスは実家に居ると告げて

フィルとルティの元に戻った。

久しぶりの一家団欒だ!楽しめよ!と

ヴァイスに告げている。

ヴァイスは嬉し涙を流しそうになりながら

顔を下げて妹のスフィア様の元に走っていった。


俺達は建築用に教えられた伐採場所に向かい

木を刈っていく。

斧なんて使わない。魔法と手だけでだ。

周りの樵はその光景を見て斧を木に

差し入れたままの状態で凝視して

硬直した。石化したのかな?

気にせずストレージに入れていき

大量の木材を得る事ができた。


魔法や武器で切断して形を整えて

柱を作っていく。

地面も魔法で均して地下室を作成する。

地下室は2部屋あり1つは食品の冷蔵用。

ストレージがあるから必要無いが念のために

作ることにした。もう1つは広く作り

修練出来るようにした。


魔法で壁を均して硬質化させる。

高さ30m、広さ野球場並に広い。

密かに他の家の地下を使ってるのは内緒だ。

高さは気の済むまで深く深く1km以上掘ってたら

偶然温泉が湧き出たので

使えるようにした結果そうなった。

偶然ってあるんだね・・・

街の温泉の水量が減ったと騒いでたが

俺は知りません!関係無い!


こうして土台を作り着々と建築している。

手伝い?そんなのいない。

俺達4人だけ!ルティは見えない所担当なので

今は木の形成している。

18歳と10歳とグリフォンにマーブルテイル。

なんとかかんとか築いてる。

ある日建築現場で仕事していると

子供達が現れてフィル、ルティと遊びだす。

建築中に危険だと思い注意しようとすると

フィルからこの子達は孤児だと告げられた。

親から棄てられたり売られたりして

親の顔を知らない子供がスラムで暮らしてると。


この街べラムにも貧民や無法者が集まる

スラムが存在する。

俺達が今は建築している場所は

スラムに近い場所にある。

大掃除の時にネズミ=悪党が出て来たのはそのせいだ。

スラムには色々な事情を持つ人が大勢いる。

税金が払えない。家がない。親がいない。

棄てられた。表に出れない。裏の職業を持つ。

国が違う。奴隷商に捕まった。密入国。

数えると切りがない。

そんな者達が生活するのがスラム。


フィルから話を聞いて思った。

どうしようかと…利用して利用する。

この異世界は弱肉強食の世界である。

しかし子供に罪があるかと考えると

疑問を感じる。難しいと考える。

親や大人の都合で現状にいるとしても

怠慢した結果が今の子供達の現状だ。

『盗む』この一言は大きい。

賢く生きるにはスラムの常識でそれしかない。

『稼ぐ』『教わる』この言葉を簡単に浮かばない。

教えてもらえてないからだ。盗みは見て学ぶ。

見て学ぶ=教わる。なんてならない。

子供に厳しい?そんなの当たり前だ!

甘えてなんになる!『自分』が苦労する!

自分とは一人称でもあり二人称、三人称でもある。

俺の自論では子供は周囲の環境で変わる!


俺は異世界では大人と数えられる。

15歳以上が成人となるからだ。

しかし地球では難しい位置だ。

高校生は子供だが18歳は大人。

中途半端な位置に俺はいる。


そんな俺ができるのはとりあえず

『追い払う』か『利用する』の2択だ。

学校で教わるのは知識を得るのみ。

人間関係も円滑に動く為の知識を得るのと同じだ。

ならその知識を何に使うか?自分の為だけに使う。

つまり知識を利用して上がるか下がるかは

自分次第。人の為?一緒だろ?自分が良くなる為に

人『自分』の為に知識を使ってるんだから!

誰も、人=他人とは言わない。そうだろ?

人への優しさ=自分の承認欲求を満たす。

俺はこの世界でそう認識している。

極論と思えるが否定はしないしさせない。

気づいてないだけだから。気にしてないから。


話を戻そう!俺は欲求に従い子供達を保護した。

70人の子供が一緒に働いてる。

厳しく接してる。甘えると戻すと伝えてる。

自分の為に生かさせる。生きる。生き残る。

ちゃんと飯を与えて睡眠や休憩も取らせる。

働いた分の褒美を与えてる。

飴と鞭?地球の社会と同じだろ?

『稼ぐ為に働く』か『働いたから貰う』の違いだ。


脱線してしまった。俺は家を建て終えた。

子供達が住めるぐらい大きな家を。

ヴァイスと計画して教室、相談室、

受付、愛護室、寝室、風呂を家に作ってる。

相談室はフィルの部屋だ。

前にヴァイスがしていた営業をここでする。

ルティの愛護室も同様だ。

受付は子供達が交代で行う。

愛護室か相談室か俺への応対かだけ。

分からない場合はヴァイスに聞かせる。

聞くのも勉強だ。知らぬは恥と思わせてる。

嫌みのある客と感じた場合は即俺へと報告させる。

俺にとっても不快だし。子供に悪影響だ。

教室で知識を学ばせる。生きる為にだ。

俺を全員が先生と呼ぶ。もう慣れたよ…

各部屋5人の寝室がある。

職に就く、成人するまでは居れると教えている。

スラムの大人も働かして教えてる。

意識改革の一端だ。教室で勉強させてる。

覚えが良ければ教師へと転職できる。

離れも土地内に出来て寮になっている。

そうして今住んでる家は孤児院と呼ばれてる。


・・・何故こうなった?・・・


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