勉強
「とりあえず斗鬼君が目覚める間に
私達の世界の最高神とこの子達と
話し合いを行った結果、
斗鬼君には暫くの間は隠れてもらう事になりました!
理由は同じクラスメイト同様に
軍事利用されない為です」
「そうですか…
念の為聞きますけど
戻ることは出来るのですか?」
「今回ばかりは無理ですね…
理由は一つの国ではなく2ヵ国同時に
召喚してしまい召喚起点及び
召喚陣が国によって異なる為です…
なので斗鬼君には第2の人生を
この子の世界で暮らす事になります」
戻るのは難しいか…
まぁ、希有な体験をしたって事で諦めるか…
向こうに行って仮の希望や操り人形に
されるよりはここである程度聞いて
いるからある程度は受け入れられる。
納得はしないけどな?
「斗鬼君には本当にごめんなさい!
他の生徒達は各国で虚偽含めた説明を
受けているのであなたには本当の事を
話してます…
戻るのが無理だと知られれば
何をするか分かりませんし
魔法を行使して奴隷の様に扱うでしょう
私が行ければ良いのですが
暫くこの子達の面倒を頼まれてしまい
動くことが出来ません。
その代わりにある程度は融通して
斗鬼君に恩恵や知識を与える事にしました」
まぁ、変な希望持つよりは
まだましか…
「恩恵や知識ってのはどういうのですか?」
「はい!この世界のある程度の知識と
恩恵って名の加護みたいなものです!」
加護って本当にゲームや小説みたいだな…
「なので暫くの間はここで勉強受けてもらいます」
「え?なんで勉強?」
「知識を得る為です」
坂口先生は後ろの男性に頼んで
教材を用意してもらった。
数冊の本が机に置かれる。
「えっと…先生これは?」
「はい、斗鬼君ご存知
ライトノベルです」
机の本は全て転生、転移系のライトノベルだった。
「どういう事ですか?」
「今から斗鬼君が向かう世界は概ね
この本達が書かれている場所に
類似している為ここで読破してもらいます」
「えぇ…」
「安心して下さい。
今から行く世界とここ部屋は時間に隔たりが
有るため1週間ここで読んでも
向こうにでは1分も経ってません」
どこの精神部屋ですか…
「読み終わるまではこの子達が世話しますので
焦らず読んで下さい。
読書感想文は提出しなくてもOKです
読んだらある程度行く世界の知識を
教えて向かってもらいます」
「先生は行かないのですか?」
「先生はここでやることが有るので
行きません。
なのでしっかりと読破して知識を得て下さい」
時間を掛けて貰った教材を
一週間掛けて読破し
行く世界の知識を教えて貰った。
今から行く世界エクサクロスは
地球と同じ惑星で有るが一回り小さいこと。
(現地人は平らな世界だと思っている。)
文化は現在よりも中世に違い。
貴族が跋扈していてプライドが高い。
(自己利益を優先している者が多数)
弱肉強食で有ること。
(自分の身は自分で守る)
剣と魔法の世界で有ること。
色々なギルド(組合)がある。
魔法は火、水、土、風、光、闇の基本6種類。
(他にも幾つか有る。)
人間だけでなく亜人や魔物、動物、
植物(人食)等がいる。
ステータスは無くレベルの概念はある。
種族(主に魔物)にはレベルが上がると
進化するものもいる。
金銭は金貨、銀貨、銅貨あり
1銀貨100円当たりである。
10銅貨で1銀貨、10銀貨で1金貨。
(パンは1銀貨で買える)
簡単に言えば十円=銅貨、百円=銀貨、
千円=金貨らしい。
(相場はその世界によって異なる)
など色々あるが先ずはこのぐらいの
知識があれば問題無いらしい。
「斗鬼君には現地ではトキとして
生活してもらいます。
姿はそのままでも問題はありません
暫くは図鑑を渡すので一人で
森の中で生活して世界に慣れてもらいます。
恩恵としては一人では寂しいと思うので
ランダムペットの卵、空間魔法
空間魔法はゲームのストレージみたいなものと
転移系のものと思って下さい。
後は転生パックとして生活拠点の場所と家と
金貨100枚、言語理解を贈呈します」
先生は目の前で卵とミニチュアのログハウス、
魔法の巻物、金貨袋を机の上に置いた。
100金貨ってことは
1銀貨100円の10倍で1000円。
1000円の100枚なので10万円。
「10万円は多くないですか?」
「基本資金なので問題無いかな?
後はギルドに登録して物々交換すれば
お金は増えますよ?
しっかりと節約して過ごしてください。
このミニチュアの施設は魔力で生活できます
建てる時はちゃんと広い場所を準備する事!
建てる時は「解放」、戻す時は「収納」と
念じればOKです。
卵は時間が経てば孵化します
また、トキ君には迷惑をかけますが
この世界と生徒の動向の調査もお願いします」
「調査ですか?」
「はい、この世界はこの子が代替わりして
間もないらしく所々綻びがあるらしいのです。
それを調査して解決して欲しいのです。」
一生徒に頼む事なのかそれは?
「まぁ、分かりました」
俺は巻物を読んでストレージを覚え
貰った物を収納した。
「それではトキ君、とりあえず1年間は
森で生活してから自由に世界を堪能して下さい。
まぁ、気を付けないと死にますけどね?
それでは頑張って!」
「頑張ってって…」
坂口先生はそう言って俺を森の中へ
強制的に転移させて
俺は森の中で生活する事になった。
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