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説教好きな冒険者~全てに怒れる召喚されし者~  作者: アールエス
第2章 街ベラム
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クリプス辺境伯の応接室

「キャアァァアァ!」

「なんで魔物がいるんだよぉ!

早く!早く入れろよぉぉ!」

「早く討伐しろよ!冒険者だろう!」

「駆け出しの俺達は無理だって!

危険性Aのグリフォンだぞ!!

こんな時の警備兵だろ!」

「クソ!!スーサ様がいない時に限って

出てくるなんて!!」

「なぁ…俺の骨を家族へ届けてくれよ!!」

「待て!!早まるな!!直ぐに増援呼ぶから待て!!」

ベラムの街の入口に人の波が押し寄せる。


・・・フィル見て怯えてるな…これ…

馬車の窓から顔を出すと悲鳴が聞こえる。

寝ていたルティとクリプス辺境伯の息子ヴァイスも

周囲の喧騒に目を覚ました。

まるでこの世の終わりのように叫んでる…


悲鳴の元の本人はというと・・・

「うるさいですね?祭というものですか?

騒ぎすぎですね!祭は祭の常識を持って

楽しまないと!ですよね?ゴルザさん?」


「いや、祭じゃぁないよ…

祭でもまだここまで騒がしくない…

それよりも祭を知ってるんだ…

これはね…お前が原因だよ・・・フィル殿…」


「私ですか?意外ですよ!ゴルザさん!」


「意外じゃないだろ!?お前魔物だろ?」


「あぁ…そういう事ですか!

まったく人って不思議ですね!

私を見て騒ぐなんて!!」


「・・・不思議なのはお前だよ…

グリフォンなのに喋るし…」


・・・呑気に話してるなフィル

護衛のゴルザと騒ぎの事で話してる。

あの人慣れたのかな?諦めたのかな?


そう思ってると馬車からクリプス辺境伯が出ていく。

「静まれ!!!どうしたのだ?」

「スーサ様!!!申し訳ありません!

入口に魔物が現れこの状態らしく

私もまだ来たばかりなので…」

人波から1人の兵士が現れる。

40代の印象を与え、鍛えられた体で

槍を持つ男性。


「そうか 驚かせて済まないな クルス!!

皆の物も落ち着いて欲しい!!

このグリフォンは大丈夫だ!

テイムされている!

私が保証しよう!!!」

クリプス辺境伯が大きな声で話し掛け

騒ぎを抑える。

徐々に声が小さくなり波も収まる。


「済まないな クルス!

出てきた処申し訳無いが先導してくれないか?」

「了解しました!スーサ様!

では此方へどうぞ!!」


クリプス辺境伯は馬車に戻り兵士のクルスに

先導され門を通過する。

通過している間もフィルを見て怯えている。


「済まないなトキ君…

先程の者は警備隊の隊長クルスだ!

騒ぎを抑えるのに時間が掛かって

ルティ殿を起こしてしまった」

「仕方ないですよスーサ殿

危険度Aのグリフォンですからね

騒ぐのは当たり前です」

馬車で話してるとクリプス辺境伯の住む家に到着。

馬車から降りた俺はクルス隊長の先導で

ヴァイス殿と応接室に入る。


応接室は3人座れるソファーが対に置かれて

間に同じ長さの机が置かれている。

ヴァイス殿から座るように勧められる。

入口側のソファーに座りメイドが

お茶を用意する。

反対のソファーにはヴァイス殿がルティと座っている。


・・・ルティお前はこっちだよ…

応接室に上座と下座があり、

上座は入口から遠い場所、

下座は入口側の場所になる。

図としては①から上座の順になる。

①□④

②□⑤

③□⑥(入口)

俺は④に座り、③にヴァイス殿とルティがいる。

応接室の壁にはメイドとクルス隊長が

並んでいる。

ちなみにフィルは馬と厩舎にいる。


お茶を飲んで待っていると

クリプス辺境伯が男性の補佐官と現れる。

「遅れて済まないな

書類と報酬の準備に手間取った!」

補佐官の手元にはトレイに

10枚の手紙と袋が置かれてる。


「大丈夫ですよ!スーサ殿!

美味しいお茶で時間を忘れてました」

「なら良かった!

グリン産の高級品を用意したからね!

これが報酬の金貨50枚だ!

後、各ギルドへの紹介状だ!」

補佐官が机の上に10枚の蝋付きの手紙と

金貨袋を静かに俺の前に置く。

・・・10枚の手紙かギルドは10箇所か?

「ギルドはベラルに10あるのですか?」

「いや、テイマーと冒険者、

商業ギルドの3つだ!」


・・・多くないか?

「なら何故10枚ですか?」

「各ギルドと宿用だ!宿は『暁の夕凪亭』!

クルスの従姉妹が営んでる宿だ

残りは予備でもっていけ!」


・・・安売り?

「予備で6枚ですか!?

無くしたらどうするんですか!?

貴重な紹介状ですよね??」

「無くさないだろ?君だったら・・・

トキ君…空間魔法で保管出来るだろ?」

クリプス辺境伯は笑顔で伝える。


「!」

部屋に入る者はクリプス辺境伯以外驚いた。

もちろん俺もだ。

俺以外は俺が空間魔法が使える事に。

俺は教えて無い事を知っていたからだ。

俺は警戒する。いつでも動けるように。


「何故驚いてる?何故知ってるのかかな?

簡単な事だよトキ君!

初めて会った時から君は荷物を持ってない…

先生から飛ばされたと言っていたが

ならば何故武器を持たない?

魔法を使えるから持たない?いやちがう!

フィル君とルティ君の食事は現地調達でも

トキ君は違うよね?生肉をそのまま食べない…

助けた時に君は言ったよね?

『貴方達が襲撃中に近くに翼竜が通って

その風の煽りで馬車ごと飛ばされた』と

なら何故?誰も竜を見ていない?

仮に通ったとして何故私達は生きてる?

普通は餌だよ?あり得ない…

まぁそこは助かった事だから

詮索はしないでおこうか!

とりあえず会った時に衣類以外はしていないし

フィル達は血の匂いがしてない!

現地調達なら何故血の匂いがしない?

時間は昼過ぎで食べて無い訳がないとか

なんて考えた!今まで色々とね!」


クリプス辺境伯は笑顔を絶やさない。

徐々にクリプス辺境伯の圧が強くなる。

殺気とも怒気とも違う。

全てを見透かしてるような目で見ている。

森の魔物と違う恐怖を感じる。


「まぁ 簡単に言おうか!

腕輪などの道具を着けてない!

つまりは収納魔道具を持ってない!

汚い衣類の割には清潔な髪をしている!

髪を清潔にするなら衣類もしているはずだ!

衣類の事は私の勝手な妄想だが

話してると粗のある性格ではないね!

つまりはあの時に咄嗟に着替えた!

なら元の衣服は何処に?

あぁまた長い話をしていた…

問い詰める時に出る悪い癖だ…

考察と観察の結果、君は空間魔法を

持っていると思った!

わざと鎌をかけて言うと君は動揺した!

つまり自白したんだ!

だから確信してるよ今ね!」

・・・探偵かこの人・・・


「性格悪いですね・・・スーサ殿は…

ずっと観察して考察してたなんて

疑ってたんですか?俺を…

悪人だったらどうするんですか?」

ため息吐いて喋る。


「悪人だったら応接室に呼んでないよ?

その質問が出る事で君が良い人だと

確信してるよ!普通はしない質問だよ?

する前に襲ってるだろうしね!」


「なるほど・・・分かりました!

白状しますよ!俺は空間魔法持ってます…

今から試しに物出しますね!

あぁそうだ・・・

ヴァイス君?目を瞑ってくださいね!

クルス隊長は剣に手を置いて良いですよ!

後、補佐官もメイドも隠してるナイフ?

手に用意しても良いですよ!

直ぐに殺せるようにね!

まぁそんな事させないし必要ないしね!」


俺はクルス隊長とメイド、補佐官に

武器の携帯を許可する。

メイドと補佐官は一瞬動揺するが

手に投げる態勢で武器を持つ。

メイドはナイフ、補佐官はチャクラム。

・・・チャクラムあるんだなこの世界


クルス隊長は剣を抜き構える。

両腕で剣を持ち左肘を体に右肘を後ろに引き

剣腹を床と水平にし突いて殺す構えだ。

・・・クルス隊長は左利きかな?


それぞれ準備が終えたの確認して

俺はヴァイスに顔を合わせ頷く。

その合図にヴァイスは目を強く瞑る。


ヴァイスが目を瞑ったのを確認して

クリプス辺境伯と顔を合わせて頷き

魔法を行使する。

部屋の中は尋常じゃない緊張感で包まれた。

そして俺は・・・。

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