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説教好きな冒険者~全てに怒れる召喚されし者~  作者: アールエス
第1章 森(スーサイド)
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森のパーティー

無事に俺達は死のスカイダイビングから

スーサイドの森へ着陸し森を出る準備をする。


畑はグリフォンのフィルの友達の地竜リケラと

熊型、狼型の魔物の群れに任せる。

熊型は2足歩行の4本腕、

狼型は角付きの牛並みの大きさ。

特別個体も数体おり、首が2つの物や

魔法を使う物もいる。

スーサイドの森でたまに出くわす悪党からの

戦利品(武器)を農工具に作り替え

使用方法は教えてあり使いこなしている。


熊型の数体には橋作りや川の定期調査を

火の魔法を使える魔物は

農工具の修理と手入れと武器から農工具への鍛治を、

土の魔法を使える魔物は

畑いじりと川の調査時に川底への盛り土等を

覚えさせた。

技術伝承させるのも忘れてない。


この森の危険度は強靭で俊敏な魔物がいるから

だけでなく高い知能が有るからSSである。

つまり仲良くなり教えれば

ある程度出来るわけだ。

そんな考えを持つ人はいないだろう。

ほとんどが仲良くなる前に

腹の中に入るからだ。

教えるのに1ヶ月掛かったが

マルチリンガルのフィルがいれば

不安要素は少なく教えれた。


いずれモンスター農場も視野に入れて

商売してみるか・・・

森の魔物達は強いから自衛も出来るし

農業も鍛治紛いも治水も出来る。

ん?人よりもコスト低いし

我が儘も言わない。(人語話さないから)

本気で検討しよう・・・


そうこうしていると2ヶ月経った。

「・・・どういう事だ?おい?」

「コオォォゥゥン!」

「主殿・・・どうもあれですね…

恩を仇と考えた結果なのでしょうね…」

「グラァァァ!」

「ヴゥゥゥゥ!」

「ガァァァ!」

「ガァァァ」「ヴォルゥゥ」


俺達がリケラ達と別れの挨拶をしていると

目の前に森の生活中に進化した

若いそれぞれ武器を使う熊型魔物

バーサーウェポングリズリーの群れと

若い火属性狼型魔物

サラマンドラウルフをリーダーに

属性持ちの狼型魔物の群れが

合流して大群を作り敵意を向ける。

その数1000匹以上。


俺達の周りには別れを惜しんで

最後に挨拶をと集まった

各種進化した魔物達。

岩竜のリケラ、

橋作りを教えた熊型魔物のリーダー

アシュラグリズリーと数匹の配下、

農業を教えた狼型魔物のリーダー

ロックケルベロスと数匹の配下を囲んでる。


「主殿…下剋上らしいです…

老いぼれは朽ちろと…

これからは俺達の時代だと…」

「・・・そうか…んじゃ仕方ないな

ルティ!フィル!リケラ!ラグ!ケル!

そして配下の皆!

出る前に大暴れしようか!

良かったな?初めてのパーティーだ!

思う存分楽しもう!!」

「はい、主殿!」「コオォン!」

「グルァ!」「ヴォゥン!」「ガラァァァ!」

「「ガァァァァァァ!」」


トキは嬉しそうに口の端を上げ目を鋭くし

右手に改造した2mのハルバードを持ち、

左手に青く燃える炎の玉を出し

大群へと投げ出す。

ドガァーーーーーン

轟音と砂煙を上げてそれぞれ持ち場に着き

宴の開始を告げる。


ルティは元の大きさで5尾それぞれに

水、火、土、風、闇属性の玉を

一気にバレーボールぐらいに大きくし

槍の形に作り替え時間差で打ち出す。

その数500発ほど。

ルティの火属性攻撃に当たった熊型魔物は

深く体に刺さり、刺さった場所から

火が上がり5mの火柱を作る。

水属性は水分を吸収して水柱を、

土属性は地面の土を吸収し土柱、

風属性は渦を作り半径1mの竜巻、

闇属性は刺さった魔物の影を巻き上げ

締め上げながら黒く染まる。

会場に飾るカラフルな柱が建ち並ぶ。


フィルは上空から水と土の魔法を合成させて

トキが使っていたウォーターカッターを作り

風で推進力を上げて刃型の弾丸を打ち出す。

合成弾丸は音速となり衝撃波を出す。

狼型魔物の突進する群れの首を刈り取る。

首が落ちても体は暫く前進していたが

それぞれが時間を掛けて倒れていく。

まるで会場を奏でる演奏の様に。


岩竜に進化したリケラは体から岩を出す。

岩は鋭く円錐に形を変えて体に纏わす。

まるで針ネズミのように。

リケラの大きさは岩含めて700mと大きい。

その巨体の体を丸めて会場を蹂躙する。

回転しながら速度を徐々に速めていき

轢かれたり、刺さったり、飛ばされたりと

魔物達が赤い花に変わり会場を彩る。


アシュラグリズリーのラグと

ロックケルベロスはケルは共に会場を駆け回る。

ケルの上にラグが乗りラグの腕に岩が集まる。

6本腕のラグは上腕で2mの岩を投げ、

中腕で体の防御、下腕を下げてラリアット。

岩が当たった魔物は怯み、気づいたら

下腹部または顔面から衝撃で飛ばされる。

魔法を撃たれるも岩で包まれた中腕で

防御または打ち返えされる。

ケルも口から岩だけでなく高温の炎を放ち

周囲を溶岩地帯に変えていく。

まるで会場の床を敷くレッドカーペット。

熱さに耐えきれず空へ跳ぶ魔物達は

ラグの攻撃で倒れ溶岩に焼かれる。

パーティーの肉料理「魔物肉の溶岩焼き」

が会場に準備される。


ラグとケルの配下達も

折る、削る、剥がす、砕く、断つなど

様々な音を奏でて行進曲を作る。

音の元は想像に任せる。


トキはメインの大群のリーダー達

バーサーウェポングリズリーと

サラマンドラウルフと会場で踊る。

剣、斧、槍、盾を4本腕で操りながら

バーサーウェポングリズリーは

トキへと打ち込む。打ち込むリズムは四拍子。

クレッシェンド(だんだん強く)していく。

打ち込んでる間も炎の塊へ変わった

サラマンドラウルフは突進してくる。

アレグロ(速く、楽しげに)トキは姿勢を

変化させて華麗にかわす。

かわす時にトキはサラマンドラウルフへ

カルマート(静かに、落ち着いて)に

風刃で首を刈り取る。

意識を失った炎の塊はそのまま川へ落ちて

ラングザーム(遅く、ゆっくりと)消えていく。

バーサーは怒り、トキへ武器を

カルカンド(次第に速く)に打ち込む。

打ち込むリズムは速くなるが

全てトキのハルバードでいなされる。

ガウディオーソ(喜ばしい、楽しい)が

トキはダンスがもうすぐ終わる事を知る。

踊っている間に会場に彩る柱、

レッドカーペットに肉料理、

赤い花も添えられており

フィルの音楽も小さくなる。

ラグとケルの配下達の行進曲も奏で終えて

周囲に全員集まり始める。

楽しい時間は終わりだ。

パーティーの終わりにふさわしい

ガルバーダメンテ(上品な、優雅な)の思いを

表現しながらハルバードを振るう。

バーサーの戦い方は

ラッドルチェンド(優しく、柔らかく、甘く)で

トキのハルバートで全ての腕が

シェマンド(消えていくように)していく。


「さあ、フィナーレだ!」

ソスピランド(悲しんで、訴えるように)

バーサーは慟哭する。

仲間が消えたからか?腕が無くなったからか?

勝つ事が出来なかったからか?

んな事知らないと

ハルバートの穂先で頭突き、縦回転し斧頭で切裂き、

バックステップして石突きで鳩尾を突く。

そしてハルバードを収納し自分の手足で

リズムを奏でる。最後にバーサーの背後へ

そっと立ち、炎を纏わせた手刀で命を狩る。

スピランテ(息を引き取るように)灯火が

小さくなりパーティー会場は静寂から

賛美に溢れ初めてのパーティーは終わる。


~~~~~~~~~~~~

森の入口で狩りをしていた冒険者達や

周囲の村人達はこの時の事を語る。

『狩りをしていたら急に轟音が響いてさ大量?

いや異常な数の遠吠え?が聞こえてきたんだ!』

『音の方を見ると空に特大の火の玉や

水や岩、魔物が空へ飛んでた!目を疑ったよ!』

『薬草採取してたら突然冷えてきてねぇ

風邪かなって思ってたら次に

異常な熱風が吹いてきてねぇ

こりゃ重症だって慌てて帰って寝たんだよ』

『森の中央の魔物達が出てぐんだど

怯えで暫く寝る事出来なかっだよ…』


後にスーサイドの森での出来事は

最悪の魔物「悪魔」の誕生だと噂し

静かに各村へ浸透していき暫く人は近付かなかった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~


パーティーの後始末に地面を氷らせて

広範囲の溶岩を冷ます。

彩りの柱、演奏楽器、赤い花、肉料理を

纏めて片付けて肥料とし

細かく刻んで灰にして地面にばらまく。

最後に凍結した地面に土と植物を被せて

元の森の姿を真似て戻す。


・・・破壊は一瞬、創造は時間が掛かる。

・・・元の状態に半年も掛かるなんてな…


俺達、当事者全員で後始末して

森を可能な限り復元させる。

パーティーを楽しんでたが我に戻ると

流石に目の前の自分達がやらかした惨状に

全員乾いた笑いをしてしまった。


ようやく粗方片付いてリケラ達に託せる。

俺達は手を振って拠点から外へと動き出した。


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cont_access.php?citi_cont_id=565217839&s お読みいただきありがとうございます。 評価や感想、ブックマーク等して 頂ければ励みになりますので よろしくお願いします。
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