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説教好きな冒険者~全てに怒れる召喚されし者~  作者: アールエス
第7章 クラン
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屋台

トキ、ガデル、シルが警備隊本部に向かうために

街を歩くとそこら辺の屋台から

買いながらも事件を噂する複数の光景が見えた。


「ほら、出来たぞ!銅貨10枚な!」

「お!これがこの前、相談室に行って出来た新作か?」

「ああ、フィルさんに食べてもらってな?

何かが足りないと思っていたんだが・・・

食べるのが自分だけなら意味が無いし、

お客さんに試作品食べてもらって

変な顔されるの嫌だからな?

フィルさんなら答えてくれると信じたら

その何かを教えて貰い出来た新作の串焼きだ。

べラム周辺に生息しているランクEの鳥型魔物、

ダッシュバードとデイバードの皮だけの串焼き。

まあ、食べてみてくれ!」


「走る鳥と日没までしか外に出ない鳥だよな?

俺ダッシュバードを打ちに行って

速くて当たらないから苛立たせられたんだよ…

デイバードは夕方に一斉に飛ぶから

狙い打ち出来てダッシュバードのストレスが

発散出来るんだよな!

それじゃ頂くとしますか!

此処等に無い濃い味付けだな?

くどく無いし後から香草の香りが出てくるんだな?

口の中が香草でさっぱりしてくれる。

しかも皮のカリカリ感が酒に合う!

これの前でも旨かったんじゃないのか?」

「まあ旨かったが試しに食べてみるか?

比べてみたら俺の考えてたことわかるぞ?」


屋台のねじり鉢巻をしたおっさんが

新しく串焼きを焼き上げて冒険者に渡す。

「なんだろうな?同じ食材なのか?」

「同じ食材だけど違和感あるだろ?」

「ああ…タレは旨いんだよ。

皮がカリカリし過ぎてるから

さっきより固く感じるんだよな?

さっきのはカリカリ感の中に弾力があった。

だけどこれは・・・

カリッじゃなくてパリッなんだよな…」

「それフィルさんからも言われてな?

企業秘密だから言えないが一工夫するだけだ。

違う見方したら出来たんだよ!

凄いよな?考えが凝り固まってたと思ったよ!

今までの肉の串焼きだけじゃなくて

これからはこれも売るから頼むな!」

「おうよ!仲間にも新作伝えとくぜ!

そういやよ?グリドルあの話聞いたか?」

「あの話ってあれかイート?

街で起きた冒険者の話か?

屋台の前でする話じゃないだろ?」


「まあ聞けよ。実は俺、奴等の事知ってんだよ。

奴等は最近来たばかりの冒険者でな?

仕事しないでギルトの酒場で酒飲んでる奴等なんだよ。

そいつらが『クランに入ったお陰で』とか

言葉にしたから酒のつまみに聞いてたんだよ」

「盗み聞きかよ?楽しそうだな?」


「だろ?人の話は面白いからな。

間違ってる事とか言うと楽しくてしかたねえ。

この前なんか『黒狼』の一員がトキを知らずに

煽ってやがってさ?凄かったぜ。

逆に煽り返して襲い掛かる奴等を

蹴りで外に出したんだよ!

冒険者ギルトの入り口って両開きの扉だろ?

綺麗に大人を扉に蹴飛ばして開けたり閉めたり。

同じ姿勢で扉壊さずに飛んで行くのを

見て楽しんで飲んでたよ」

「酒のつまみとしても人の不幸は楽しめるからな?

で、さっきの話の続きは?」


「ああそうだったな。

何でもクランに代行人がいるらしくてな?

そいつらに頼んで仕事してもらってると話してたな?

手数料取られるらしいがクラン専用の制度だとか。

でだ、ちょっと気になって代行人の跡付けたわけよ。

建物に入ったから待って見てたら

外に出たときに奴隷を送り出したんだよ。

そいつも他の奴に頼んでたみたいでな?

自分で請け負って起きながら仕事は奴隷に。

その奴隷が可哀想に子供だった。

流石の俺も子供の死ぬ姿見たくないからな?

話しかけたわけよ。そしたらさ。

『反抗すると死ぬので死ににいきます』だってよ。

あの奴隷は呪刻印入りの首輪を着けさせられてな?

無理矢理付けられた顔されたな・・・

冒険者として遺言あるか?って聞いたら

『恩人に会いたい』ってよ。

健気で普通の奴隷と違う子供が恩人に会いたいなんて

可哀想だなと思ってよ・・・

俺が探してやるからと言ったら泣いて喜んでたよ」

「殺人の割には良い話を入れてきたな?

しかし子供がねえ…可哀想に。

フィルさんに話しても良いんじゃないか?

解決できそうな気がするんだよな?

ほらあそこ、孤児院もしてるだろ?

解決したら暫くみてもらえるか

確認とっても良いんじゃないか?」

「そうだな!この後仕事だから

終わったら行ってみるか!」

冒険者は門の外へと歩き出して

屋台はフィルの相談してからの新作と聞いて

人盛りが出来ていた。



「ガデルそんな話聞いてたか?」

「有ったな・・・皮の焼き方について相談してた」

「あれ全部肉落として皮だけにしてたんだろ?」

「トキ良くわかるな?俺も食べたが固くてな…」

「ワン!」

「ああ、シルのお菓子には使えるとは思ったぞ?」

「だろうな。俺がフィルの言った事言おうか?

『真っ直ぐでは無くて並みに折り曲げて

串に差してみたらどうでしょうか?』だろ?」

「正解だ!良く分かったな?」

「俺が教えた技術だよ。

スーサイドの森の鳥は食いにくくてな?

異世界の技術を使って焼き上げたら食べれた。

そのうちの一つの技術だな。

肉を高熱で焼くと表面がカリカリとしてな?

中にうっすら熱が通って食感が違うんだよ。

その時に肉汁が出て来て旨味となって口に広がる」

「聞いてるだけで腹が減りそうだな?」

「ワウゥ…」

「今度やってやるよ。ヒュドラが残ってるからな。

今は屋台を楽しもう!」

「ワン!」


トキ達は屋台の惣菜を食べ歩きに夢中になっており

前半しか聞いてなかった。

後半の重要な話を聞かずに

通りすぎてしまい調査の事を忘れて楽しんだ。


「お、彼処の屋台は久しぶりに見たな。

フィルの始まりの屋台だ。

彼処の屋台の串焼き食べて食事の感想言ったら

人が波のように集まってな?

そっから屋台の店主が来てフィルが

批評と相談してたら行列が出来てな?

人の集まる屋台だったんだが・・・」

「始まりの場所ってのが良い響きだな。

でもあれはどういう事なんだ?

フィルの相談受けて成功したんだろ?

なのに人盛り無くて店主も顔落としてるぞ」

「ワウゥ…」


「どうせフィルの相談受けて暫く人が増えて

慢心してたんだろ?

そのせいで研鑽しなくなって

ああなった訳だな?

何かに依存するとダメになる。良い事例だな?」

「その通りだな…そういえば来てたな。あの店主。

フィルの相談室に来て何か話してたら

フィルから大きな声で駄目出しくらって

落ち込んで帰った記憶あるぞ?」

「多分今は過去の栄光を引きずって暮らしてるから

暫くしたら潰れるぞ?」

「ワン!」


トキは人盛り溢れる道中で久しぶりに見た屋台を

立ち止まって批評して歩いきだすと

店主がトキに気付いて険しい顔で

後ろから近づいてくる。


「あんたはフィルの主人だろ?」

「ん?それがどうしたのか?」

先程批判していた店主が声を掛けてきて

内心驚いてるトキ。

それを悟らせない様に質問に答える。


「やっぱりか!あんたの所のフィルのせいで

店が潰れ掛けてんだ!どうしてくれんだよ!」

「何に怒ってるかと思えば…

あんたは暫くフィルのお陰で稼いだんだろ?

その恩人に対して何の不満がある?」

「そのフィルが大声で私の店の批判をしたんだ!」

「どんな言葉で批判されたんだ?

俺は知らないから教えてくれよ?

ほら、お前の声で人が集まり出したぞ?」

トキが右手の親指で後ろを指すと人盛りが出来ていた。


「ぐっ・・・言えない・・・」

「何故だ?フィルからのお言葉を言うだけだろ?

何を躊躇う理由があるんだ?」

「そ…それは…」

トキはあたふたしてる店主の耳に顔を近づける。

「言えばもっと悪くなるからだろ?

考え無く人に怒るからそうなるんだよ!

怠慢した結果だろ?自業自得だよな?」

「グヌヌヌヌ・・・」

トキは店主の正面に戻って唸ってる店主の肩を

叩いて話を続けた。


「さて?グヌヌヌヌ君?

唸ってるだけなら誰でも出来るんだよ?

言葉は相手に伝える為にあるんだからな?

要らぬ言い掛かりを止めて仕事したまえ。

まあ、フィルから言われた時点で直さなかった

あんたが悪いんだからな?

俺に言ってた進行形が完遂されたな。

見事に反省しない奴の実例を見せてくれたな?

どうしたのかな?何かあるなら言わないとな?」


「う、うるせえ!好き勝手言いやがって!

お前の顔を覚えたからな?絶対に後悔させてやる!」

「俺に後悔させるのは無理だな。

俺に何かあればあんたが真っ先に疑われるぞ?

証人がこんなにいるんだからな!」

俺が両手を広げると野次馬達が店主を睨んでいた。


「そして俺以外の仲間に何かしたなら

俺が真っ先に疑って潰すからな?

逆に後悔させるから諦めろ。

もし諦めないなら・・・

ここでフィルの言った言葉を住民に言おうか?

その方が何故俺が言い掛かりを受けてるか

理解してもらえるからな!」

「そ、それは…勘弁してくれ…諦めるから…」

店主が顔を青ざめてトキに小さな声で伝える。


「え?なんて?話してください?

仕方無いなあ…そんな声じゃあ

回りに聞こえないもんなあ?

理由は・・・」

「すいませんでした!許してください!

もうしませんから!」

店主が膝を地面に付けて手を組んでトキに懇願した。

「え?何に謝ってるのかな?俺分からないな?」

「私があなた様に言い掛かりをしてしまい

申し訳ありませんでした!」

「どんな言い掛かりしたのかな?教えてくれるよね?」

「う、それは・・・店が潰れ掛けてるのを

フィル様のせいにしたからです…」

トキが腕を組んで睨んでるのを見て

本当の事を話すことにした店主。


「まあフィルの言葉を聞かないでおくよ!

俺は優しいからね!今は許してあげるよ。

もし開き直ったり、甘言に甘えて

俺と仲間に何かしたなら・・・

そうだな…冒険者を体験してもらおうか?

スーサイドに投げ入れるからな?覚悟しとけよ?」

「す、スーサイド!?わ、分かりました!

もうこんな真似はしません。

本当に申し訳ありませんでした!」

店主は地面に頭を擦り付けて謝罪して

急いで屋台へと戻っていった。

トキは野次馬に終わりましたから離れてと

告げて警備隊の所に歩き出した。


「トキ?お前口喧嘩で負けた事あるのか?」

「昔から無いな。勝手な思い込みからの

言い掛かりする相手からなら負ける気がしないな。

俺が悪いなら口喧嘩ならずに謝るし?」

「そりゃ連勝するだろうよ。

負けない戦いしてんだからな?」

「ワン!」

「まあそういう事だから思い込みで動くなよ?

今のが実例だからな?テストに出すからな?」

「ひさびさに聞いたぞ?その台詞。」

「ワウゥ?」

「シルはマルバツで問題作るからな?

ちゃんと覚えてないと酷い目にあうからな?」

「ワン!」

トキ達は道中歩きながら

先程の件についてテストに出すと告げて

警備隊の本部へと辿り着いた。

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