冒険者殺人事件
「ガデルからの情報終わりだが
シルド達から情報あるのか?」
「これは噂なんだがな?
スラムの住民が減っているらしい」
「スラムの住民が?集団失踪か?」
「俺よりも孤児院の子供の方が分かるだろうな。
元々スラムの住民だからな?」
「それもそうか…他にはあるのか?」
「1ヶ月以内ではないがゾラム侯爵の反乱前から
複数の冒険者がトキを探してる。
そいつがクランにいるらしい。
どのクランか分からんが色々な人に
行方とどんな人物か探っているらしい。
気を付けろよ?狙われてる可能性あるからな!」
「その情報は助かるな・・・
というかさ?それが一番重要だろ?
今回の件と繋がってるかもしれないだろ?
どんな奴が探してたか分かるか?」
「すまないな…誰かまでは…
しかし当時のべラムに比べたら
不自然な冒険者だったらしい」
「不自然な冒険者?どんなんだろ…」
「剣を携えて胸当てと
雨避け用のコートを着ていた冒険者だ」
「何処に不自然な点があるんだ?」
「べラム出身と騙っていたがおかしいだろ?
仲間に狩りに行こうって言ってて
仲間も胸部、腹部、肩を守る鎧を着ていた。
得物は剣と斧のみだったらしい」
「・・・ん?ああ意味が分かった!
なるほどべラム出身ならおかしい話だな?」
「トキ?シルドの言ってる不自然な点が
見当たらないんだが?」
「ガデル?お前は知ってると思うぞ?
当時のゾラム侯爵領内の反乱前に
べラムで起きてた事についてな?」
ガデルは腕を組んで首を傾げて悩む。
ずっと唸ってるから俺はヒントを出すことにした。
「ガデル?ヒントだ!
ヒント1、ブラッドが関係する。
ヒント2、べラム出身が狩りにいく…
さてなんだろうな?」
「ブラッドと狩りにいくがヒントか?
・・・答えが出そうで出ない…
歯痒さが出てくるだけだな…」
「珍しいな?答えが出ないなんて?
大ヒントな?反乱前のべラムの冒険者の流行。
まあ暫く考えて答えてくれ!
俺はシルド達と話してるから」
俺はガデルに答えに近いヒントを出して
シルド達と話しを続ける。
ガデルは先程と同じ様に唸って悩んでる。
「さて、シルドとマール?
俺と仲間の自己紹介に驚いてたが
ちゃんと説明をした方がいいか?
アーニアとスーサイドのボスとの関係を?」
「それは気になっててな?
アマゾネスって海国の部族だろ?
スーサイドに移住したのか?」
「それは聞いてないな…
スーサイドで幻獣騒動があった時に会ってな?
外で昼寝してたら捕まってな?
危うく飼育されるところだったが
アーニアと戦って勝って付いてきた。
まだ他のアマゾネスは海国にいるんじゃないのか?
いくら有名でも5つの部族に別れてる必要ないしな?
いずれ依頼来るだろうな?
アマゾネスのいる理由を知りたいなんてな?」
「あとは、スーサイドの魔物の事だが
1年半暮らしてる間にフィルが仲良くなった。
それだけだな。他に滅多なことはしてない。
ちなみにアマゾネスとスーサイドのボスの
生息地域違うからな?
川が流れてて手前側がリケラ、
対岸がアマゾネスが住んでるから!」
「トキ?あっさり言ってるが・・・
「先生!大変です! 」」
ヴァイスがノックせずに慌てて部屋に入ってきた。
「どうした?何かあったのか?」
「先生!シルが居ません!」
「ん?シルドなら前にいるぞ?ほら!」
「ん?呼んだか?」
「違いますよ!ケルの子供のシルです!」
「なんだと?何時から居ないんだ?」
「自己紹介して戻ったときには居たんですが。
住民から聞かれて見渡すと居ませんでした!」
「・・・ちゃんと探したのか?」
「部屋の中や門入り口まで探しましたがいません…
全部探したのですが…」
「・・・全部は探してないよな?
この部屋にルティ用の小扉が設置されている。
つまり・・・シル!」
「「呼んだか?」!」
「・・・ヴァイス気づいたか?」
「ええ…名前が似てるとこうなるんですね?」
「そうだな…シルドは読んでない!
シルバ!出てこい!」
「ワン!」
シルは小扉から部屋に入ってきた。
「・・・ヴァイス?仕組んだのか?」
「まさか!違いますよ!
本当に居なくなって探したんですから!
そしたらこれですよ?分かる訳が無いですよ。
呼んだら正面から来るなんて誰も思わないですから」
「だよなぁ?シル今まで何処に居たんだ?」
「ワン!」
「うん。分からんぞ?。
まあ見つかったから良しとしようか」
「そうですね・・・」
「分かった!こん棒か!」
「答えがおせぇよ!しかも場面変わってるからな?
ガデルは今の状況見てなかったのか?」
「状況?ヴァイスがいるのとシルがいることか?
目を瞑って考えてたから見れるわけないだろ?」
「まともに言ってるから指摘できねぇ…
突っ込みが思い付かん・・・」
「いや、突っ込みせんで良いだろ?」
「ワン!」
シルとガデルの言動のお蔭で話が進まないと
感じたトキは今日はお開きと告げて
執務室から全員を出して考える。
トキは執務室にある自分の椅子に座り直した。
「・・・なんで今度はルティがいる?」
「キュイ?」
ルティがトキが座っていたソファーに座っていた。
俺は暫くルティの相手をしていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
べラムの一画にある建物の一室。
昼間から酒飲みながら3人組が話し合う。
「バハハハハ!酒が旨いな!
こんなに簡単に仕事が完了するなんてな?」
「これもクラン様のお陰だな!」
「クラン様に入ったお陰で代行してくれるからな!
手数料引かれるが命よりは安い!」
「しかしこんなに簡単に仕事されたら
ギルドは貯蓄なくなるんじゃねえか?」
「お前は依頼先見てねえのかよ?
仲介者としても手数料取ってるから
そこまで響かねぇんだよ!
しかも酒場まで経営してるからな!」
「そうか、金が循環してる訳だな?」
「そう言うことだ!
しかし代行人の噂聞いたことあるか?」
「噂?強い冒険者としか聞いてないが?」
「お前は知ってるそれしか知らないのか?
あれだろ?
代行してる奴がスラムの奴等って話だろ?
噂じゃなくて本当にやってる裏仕事。
暗黙の了解ってやつだな!
魔物の討伐や採取をして細々と
日々の生活を過ごしてるってやつだろ?
今までのFランク仕事が冒険者から
スラムの住民に変わっただけだろ?」
「そうなのか?ランクFの奴等は
小遣い稼ぎが出来なくなった訳か!」
「しかも警備隊にも理解者がいるから
プレートを見せるだけで確認せずに
通させるらしいぞ?
仕事するときに門番が規則に厳しい隊員なら
スラムの住民が各自が秘密にしてる通り道を通って
外に出て仕事してるって話だ」
「へえぇ…上手く生活をしてんだねえ。
代行人の噂は解決したから
酒の続きと行こうじゃねえか!」
「ん?それじゃないぞ?
代行人が子供って噂だよ!
首輪着けて仕事させられてるとか話が
出てるの知らないか?」
「首輪着けてんなら奴隷だろ?
可哀想にな?小さい頃から奴隷だなんて…
酒が不味くなる話を持ってくるなよ!」
「単なる奴隷ならこの話をしねえよ!
その子供は複数いてな?計算が出来るらしい。
商業ギルドでも戦力として使える様な
頭の良さをしてるらしくてな?
戦闘も個人でも強いが集団戦闘が得意。
各クランに共用として使われてるらしいぞ?」
「あら?クランって対立してんじゃないのか?」
「表ではな?裏では繋がってるらしいぞ?
まあ、これも噂なんだがな?」
「あれだろ?代行依頼したクランの
冒険者が他のクランの冒険者に
似ていたって噂だろ?噂が多いな?」
「噂が多いのはいつもの事だろ?
ほら、『白影』が貴族の息子だ?
シルドには隠し子がいる?
反乱軍は王国内の危機感を煽る為とか。
海国に危険度ランクXのヨルムンガルドがいる、
ゾラム侯爵の護衛に魔物がいる、
エンヴァは神の使いだとかな?
住民や俺達冒険者が面白がって
広めた噂だからな?
俺も嘘で言ったことが広まってるぞ?」
「ほうどんな噂を広げたんだ?」
「反乱軍がべラムで暗躍してるってな?
ほら、他の領地では反乱してんのに
べラムだけは起きてないだろ?
だから酒飲んでる時に面白がって流したら
あっという間に広まったよ!
ほら、人って不安を煽る嘘や期待や面白そうな嘘を
直ぐに信じたりするだろ?
だから不安を煽ったら広がってな?」
男は笑いながら酒を飲む。
「成る程・・・嘘から出た真実か」
「ん?誰か言ったか?」
「俺は食べてたからな?」
「俺もお前と一緒に飲んでたろ?」
「俺だよ!どうだクランの活動は?」
「これは勧誘してくれた旦那じゃないですか!
この場所まで与えてくれてありがとうございます」
「いやなに、同じ仲間として当然だ!
お前らが宴会してると聞いてな?
入会祝いの酒を持ってきたから飲んだくれ!」
「これは高級な酒を・・・
ありがとうございます。頑張って働きますよ!」
「クランの為に頑張ってくれよ!
じゃあ俺は仕事だから出ていくよ!
宴会楽しんでくれよ?」
酒を持ってきた男は深々とローブを纏い
扉を開けて外に出た。
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トキ達が戻って3日後にべラムで
3人の死体が見つかった。
遺書があり、内容は・・・
『私達は不安を煽る噂を流して
住民を困らせました。
よって我々命で侘びます。』
互いに手に剣を持ち首を切り取った死体。
警備隊はどんな噂が流れていたのか
知らないためにクルス隊長が
フィルの相談室に来て話を聞き出す。
トキはフィルからクルス隊長の件を聞いて
不思議に思い調査を始める事にした。
冒険者が悔やんで命を投げ出す事が
不思議で仕方なかった。
トキはトキの仲間全員を執務室に集める。
「フィルから聞いたがおかしな事件が起きてる。
不安を煽る噂を流したのを悔やんで
死ぬなんて聞いたこと無い。
ましてや逆に噂を流す連中だからな?
そんな連中が互いの首を跳ねるほどの噂を
流したら酒飲んで大笑いしながら喜ぶだろ?
それに字を書ける奴等なのかも気になるからな?
それで調査に入るが・・・
俺と行動するのはガデルとシル。
フィルとルティはいつも通り相談と愛護だ。
ヴァイスとアーニアはフィルとルティの警護!
4人は情報収集と商売に努めてくれ!
ブラッドは東達とシルド達と協力して
孤児院の守りを固めてくれ!
もし何かあれば連絡するように!」
トキ達は各自が動き出した・・・




