神のまちがい
「大変、大変!どうしよう?」
白い部屋で机の上にある
幾つものモニターを見ながら一人の男の子が椅子に座って騒いでる。
「どうかされたのですか?主様?」
男の子の隣で佇んでいた初老の男性が声をかける。
「見てよ、この世界!
召喚システムが作動して
異世界人が複数召喚されている!
しかも2ヵ国同時に!なんで??」
男の子があるモニターを指差して
初老の男性に教える。
「あぁ、この世界ですか…
召喚は主様のせいですよ?
一昨日、主様が従下神3人とゲーム中に
白熱し間違えて神託マイクをONにしてしまい
「これはまずい」と言ったのが
聞こえた世界だと思いますよ…
あの後、訂正しなかったのですか?」
「訂正はしたよ…ハァ…ちょっとログ見てみるよ…」
男の子はモニターに付属しているキーボードを触り確認する。
一昨日のログの中に
「これはまずい!危険だ!」が表示されている。
訂正は各国に渡ってるようだ。
「どういうこと?訂正してるのに召喚してるよ?」
「多分ですがこの2国は訂正の神託を
無視若しくはあえて召喚したのでしょう…
ほら、この2ヵ国は軍事国と神聖国なので
この機会に召喚したかったんじゃないですか?
軍事国は戦力として神聖国は信仰として…」
初老の男性が肩を竦める。
「えぇ…どうしよう?
このままだと召喚された世界の神から
怒られちゃうよ…」
「仕方ありませんな…
召喚陣内の時間を長くして
早く召喚起点確認し
召喚人数確認してその中から
一人か二人確保しましょう!
召喚場所の神に連絡して
潔く怒られるとしましょう!
私も一緒に怒られますから…
そしてどうするか話し合いしましょうか…」
「分かった!
こうなってはどうしようもないしね。
召喚陣の時間の流れを遅めて
召喚起点確認、人数確認っと…
なんだこれ?どういうこと?」
「どうされました?確保出来ましたか?」
「人数確認と人の確保と時間の流れは出来たけど
召喚起点の場所ってランダムの筈なのに
偶然同じ場所になってる。
広い砂漠の砂粒を別場所から
スタートして同時に見つけて拾い上げたぐらいの
確率なのにどうして?
普通はこんな事あり得ないよ!?」
「色々と偶然が重なってしまったんでしょうな
とりあえず今の状態で世界も固定して
召喚起点となった世界へ連絡とりましょう」
子供は急いで起点場所の世界神へ連絡をとり
経緯を伝えた。
こっぴどく怒られたがこれからの事について
長い時間の中で話し合いをして行う事を確定した。
そして召喚された中から一人を選別し
話し合った結果を伝え手伝ってもらうことにした。
最早、神とてしても賽を投げてしまいどうなるか
分からない状態に成ってしまった。
剣と魔法の世界エクサクロスで
新たな異世界人の物語が
今始まる。
主人公は無事依頼を成し遂げるのか
自由気ままに旅するのか
荒ぶる荒野を突き進むのか
これからの物語でご覧しましょう。
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