孔子のハプロ
最近孔子の子孫のハプロの調査が完了した。3系統に分離され困っていた。だが宋家の子孫から得られたハプロから歴史上宋家から孔子は出たとの話があり、その一致から1つの系統に絞られた。宋家と言うのは最後の殷王の兄の子孫が周によって封じられた国の王家となる。ただこれは孔子の自称であり貧しい家の出身だった孔子の自称がそれほど信じられるか?は怪しいものが有る。
ただ孔子は周を理想国家としていたため、周が打倒した殷王族の末裔ってのを晩年まで隠していたらしい。そういった事情を考えると王家の出としてハクをつけたようなものは無いような気がする。それに候補となった3つの系統のうちQ系統は孔子の弟子の系統と同じだったため、その縁で養子にでもしたのではないか?と言われている。
もう1つはO2で、これはザ中国人ぐらいありふれたものなので、詐称じゃないか?と言われて候補から外れている。しかも一番数が多いのは宋家と重なるC2C系統になる。中国ではありふれたハプロなので、偶然の一致もありうるが、孔子が晩年漏らした殷王族の末裔って話しはこれで一応正しかったとなる。
何故ハプロを調べるのか?でこういった部分がやっぱり面白い。歴史的に怪しい系統について調べるのにDNAの系統チェックはかなり便利な方法。徳川家康も源氏だと自称していたが、怪しいとされていたが、実際そうじゃないか?と見られている。ただし天皇家がD1b系統だと推測されるからが大きくて確定したものじゃない。
ハプロからずれて紀家や、宋家と言うのは、杞憂や、まちぼうけなど、どうもあまり良い意味じゃない逸話が多く残っている。おそらく家より、この2つの方が有名じゃないかと思うほど。まだ夏王朝の存在が確定じゃないが、他にも越王が夏の末裔などの話があり越王の支配地域はO1Aが多くて、夏王朝も同じだったのではないか?と言われている。紀家のハプロが分かるとこういうのがすっきりするのだけど。
ちとずれる話になるが、唐の王家である李家のハプロが最近調査されていて、李家滅亡から隠れて在野に下った家が後に商人として成功して子孫(胡雪巌)が反映したとある。これを調べるとN系だったらしい。それなりにはポピュラーだがC2Cほどじゃない。李家といえば、遊牧民の家系、Nは中国本土より遊牧民に良く見られる系統になる。Nが中国を作ったのだが、すっかり中国国内ではマイナーハプロになってしまっている。
Nはアジア文明を興したような系統でありながら母系らしくて、父系はあまり残ってない。Nが多く残ってるのは、フィンランドやロシアと言う西洋諸国になる。アジアではマイナーハプロになってしまっている。今回のケースは歴史の謎を紐解くとしてはあまり有効じゃない。ただ他に李家の子孫がいないと歴史のこぼれ話じゃ信憑性が薄い。
このあたり別の子孫から調査したような話しもあるのだが、定かじゃない。伝説は真実だったような話があるため、比較する王家の子孫のハプロが分かって無いといけない。
李成桂や箕子と言う朝鮮の王家がこれらのハプロから実は問題になる。これらの2家の末裔とされる朝鮮の家系のハプロは鮮卑族に多いとされるO2a2b1a2系だとされている。尤も箕子は古すぎて当てにならないと言うのがある。孔子が超メジャーなのでそれでまあ信頼できるが、当時の子孫ってのは大半信用できない。その点孔子は別格とも言える。古い家で中国でも信頼できる家系らしい。そこが最近まで3系統を絞れなかったので、他はどうなの?ってのがある。
鮮卑はかなり重要で、日本に関係する百済の元になった扶余族と関わっていた東湖の末裔となっている。現在はカザフや内モンゴルに多いのだが、元々は朝鮮の付近の内モンゴルの東にいたらしい。カザフが起源地だと見られてるが、私は違うと思ってる。歴史上でも朝鮮に近い場所に住んでいて東湖崩壊で内モンゴルカザフまで広がったとの話がある。それゆえに朝鮮で、O2a2b1a2が出るのはあの地域ではありふれたハプロでだと見ている。
鮮卑はC2CとO2a2b1a2の他にも東北地方に多いO2a2b1a1も含まれている。それと言うのも過去に遺骨を調査した時は大半C2Cだったとされている。箕子は殷王の叔父とあるが、あの付近の遊牧民の中で有力部族が王家に複数でなったとするとすっきりするのだが、実際殷は複数の王家が交替で収めていたらしい。
だが問題は叔父というのはさすがに明確な血縁関係を指している。おそらくそうなると朝鮮の方が間違っているんだろうな。
殷は東夷であり遊牧民だったのでは?って話があり、鮮卑と似たハプロが出るというのは、東夷と遊牧民が両立出来る事になる。最近の予測がこれで多少裏づけされたのんじゃないか?と考える。
中国はおそらくO2系は孔子の詐称であるが、中国の家についてはかなり信頼できると思う。それで間違ってるのはどっちだ?ならやはり朝鮮なんだろうな。確定は出来ない。それでも蓋然性や妥当性って意味で朝鮮の伝承が間違っているんだろうな。