小話 18時事件!?
どうもみなさん、まっちゃんです。
今回初めての投稿をさせてもらいました。ところどころ変なところだったり、おかしなところもあると思いますが、温かい目で読んでください。
キーン コーン カーン コーン
「よし、やっと学校が終わったー!早く家に帰って、アニメでも見よう!!」
「そんなことしてて、いいのか受験生?」
自分の状況をわかってないような発言をする友達に、僕はそうツッコンだ。
僕達は中学三年生。そして今は二月だ。来月には高校の入試がはじまる。
そんな状況で、教室で堂々とそんなことを言える友達に、呆れ半分、尊敬半分という感じで僕は友達を見つめた。
・・・いや、尊敬の部分はないか。呆れだけだ。
「お前も、勉強ばっかしてると、入試まで気力がもたないぞ。たまには息抜きが必要だって」
「逆にお前は、いつになったら抜く息がなくなるんだよ」
と、友達としょうもない話をしながら、僕達は校門を出て、それぞれの家へと帰った。
※ ※ ※ ※ ※
「ただいまー、っと誰も居ないか」
両親はまだ仕事をしているし、姉や妹は、それぞれ学校や部活でまだ帰ってきて居ない。
だから、家に帰ってから家族の誰かが帰ってくるまでは、ここは僕の天下である。
といっても、受験生なので勉強以外することはないのだが。
「はぁー。あいつに勉強しろなんて、偉そうなこと言ったけど、勉強するのは怠いんだよなぁ」
しかし、僕は勉強をしなくてはいけないという自覚はあるが、行動を起こすことはできないタイプの人間だった。
今も、問題集を広げた机と二時間ほど向かい合っているが、問題集のページは3ページほどしか進んでいない状況である。
※ ※ ※ ※ ※
そんな感じで、やる気をどうやって上げようと悩んでいると、玄関が開く音が聞こえた。
「ただいまー」
どうやら、部活が終わった妹が帰ってきたようだ。そして、妹はなぜか、僕の勉強部屋に入ってきた。まぁ、とりあえず、返事だけはしておこう。
「おかえり。部活動、おつかれさま」
「うん、ありがとう。お兄ちゃんの方こそ、勉強はかどってる?」
「当たり前だろ。お兄ちゃんをナメてもらったら困るぞ」
妹に堂々と嘘をつく兄。実際は二時間で3ページしか進んでいません。たしかに、こんな奴はナメる価値すらないだろう。
妹は、横から机の上を見てこう言った。
「そっか、はかどってるんだったらよかった。いやぁ、心配したよ。だって、昨日からたった3ページしか進んでないように見えたからさ。」
・・こいつ、僕の勉強の進行具合を記憶してるのか?
「ま、まぁな。そんなことより、どうしたんだ。お前が、僕の部屋に入ってくるなんて珍しいじゃないか」
「あれ?ここ、お兄ちゃんのへやだっけ?てっきり物置部屋かと思ってた」
「たしかに散らかってはいるが、物置部屋はないだろ!!」
「ふむふむ、ここがお兄ちゃんの部屋ということは、ベットの下には例のアレがあるということか」
「言っておくが、そんなものはないぞ。そんな分かりやすいところに隠すような奴は、今の世の中いないと思うぞ」
「じゃあ、三段になってる引き出しの一番下に参考書とかでカモフラージュしてるとか?」
「お前はいつ僕の部屋をしらべたんだ!?」
「えっ?本当にあるの?うわぁー、ナイワー」
「まさかの勘かよ!」
どうやら、僕はかなり分かりやすい奴だったようだ。
しかし、妹にまでバレてしまうなんて・・。
僕がかなりのショックで、床に手をついていると、妹が若干引いた声で言ってきた。
「お兄ちゃん、なにしてるの?・・まさか、ついに自分の醜さに気づいてこの世界に謝罪をしてるの?」
「たのむ、それ以上お兄ちゃんを虐めないでくれ。なんでも、いうことを聞くからさ」
僕がそう言うと、我が妹はその言葉を待っていましたとばかりに、僕に
「じゃあ一つお願いをするね」
と言ってきた。
その言葉の前に小さな声で「よしっ!」といっていたので、どうやら僕は妹に嵌められたようだった。
「い、妹よ。一体なにをお兄ちゃんにして欲しいんだ?」
僕は床に手をついたまま、妹を見上げてそう言った。
なにを言われるのだろう。・・恐ろしすぎる!
「ふっふっふ。私がお兄ちゃんにして欲しいことは・・」
・・・ゴクリ
「私を11時に起こすということだ!」
・・・へっ?
※ ※ ※ ※ ※
そのあと、妹にどういうことかを詳しく聞いてみると、
1・・部活が疲れた
2・・メチャクチャ眠たい
3・・寝たいけど宿題がある
4・・でも、眠たい脳じゃ宿題が終わらない
5・・じゃあ、もう一回寝て、そのあと起きて宿題をすればいいんだ!
ということらしい。
なんだそれ!
いや、わかるんだよ。言いたいことは分かるんだが・・・なんだそれ!!
とまぁ、そんな感じで僕は妹を11時に起こすことになった。
仕方がない。11時まで勉強をして、時間になったら妹を起こすとするか。
※ ※ ※ ※ ※
「はい、というわけで11時になったので、妹の部屋の前にやってきました。いったいどんな寝起きを見せてくれるのか、楽しみでーす」
と、謎のテンションで僕は妹の部屋の前に立っていた。
さーて、妹を起こそうかな。
僕は妹の部屋に入って布団に入っている妹に声をかけた。
「おい、妹よ起きろ。11時になったぞ。起きろって」
「うーん、もうちょっとだけ・・zzz」
「おい!起きろって!お前が頼んだんだろ」
「だから、あとちょっとだけだって・・」
なかなか妹は起きてくれない。普段は僕への当たりが強い妹のこういう様子に僕は少し和んだ。仕方がないなぁ、もうすこしだけまってやるか。
「じゃあ、何時に起こせばいいんだ」
と僕は妹に聞いた。
そうすると、妹は僕の方を見て、めんどくさそうな、眠たそうな声でこう言った。
「うーん・・・
・・5時?」
「お前は兄を徹夜させる気か!!」
我が妹は寝ぼけていても、普段とかわらなかった。
「そんな時間まで起きているはずがないだろ!・・まったく、せめて、もう少し早い時間にしてください」
たしかになんでもすると言ったが、それはさすがに明日の学校がキツイ。
「そうなの?・・じゃあ、4時?」
「たしかに早くなったんだが、それももう徹夜ですよね!?」
こいつ、本当に寝ぼけてるんだよな。なんだ、この掛け合いは。
「真面目に答えろ!」
さすがに、これ以上は付き合いきれない。次、3時とか言ったらもう起こさないからな。
「さぁ、答えろ」
「あーもう、わかったよ!!
・・18時!!」
「もう、学校おわってるよ!!!」
※ ※ ※ ※ ※
さて、その後の話。
僕は、一旦は妹の部屋から出て、もう無視をしようかと思ったのだが、結局、11時半にもう一度妹を起こしに行った。
その時の妹は、普通に起きて「ありがとう」と言って、宿題を始めた。
しばらくして、妹にこの日のことを訪ねてみたが、まったく覚えていなかった。
「どうせ、お兄ちゃんの変な妄想でしょ」
・・あの時に、動画を撮っていなかったことをとても後悔している。
END
最後まで読んでくださりありがとうございます。この話は、私の友達が実際に体験した話を、私が脚色したものです。
変なところがあったかと思いますが、この話を読んでくださった皆さまが、楽しんでいただけたらうれしいです。