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僕らの --  作者: 甲一
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冴えない男子の中学生活の始まり--

拙い文章ですみません。

校舎2階の廊下の東端は、全く人気がなく、恐ろしく静かだった。僕は、その東端にある図書室の前に立って、そこに入るか入らざるかを考えていた。おそらく今、中には誰一人いないだろう。もしいたとしても、この静かさだ、とても入りにくい。せめて、中が騒がしかったら入りやすいものなのだが......。

悩んだあげく、勇気を振り絞ってドアのぶを回し、中に入った。

**********

校門から校舎を見る。空は、雲に覆われ鉛色で、地面は腐った桜の花びらで埋め尽くされていた。今日から始まる中学校生活のことを思い、憂鬱になった。また、煩わしい集団生活を送らねばならないのか......。だが、義務教育だしな......。

結局は、これから中学校生活をともにする他人がうじゃうじゃいる教室を目指して歩き始めた。

中央玄関に張り出されていた用紙によると、僕がこれから一年間を過ごすこととなる教室は校舎三階の西の端の方にあるらしい。階段を上がっていると、数人かの先生とすれ違った。その全ての先生が朗らかに挨拶をしてきた。僕は下を向いて口をごもごもと動かして、それをやり過ごした。

しばらくすると、僕が所属することとなった13ホームルームの教室の前にたどり着いた。ドア越しに中の騒がしさが伝わってくる。少しそれに圧倒されながらも、ドアを開けた。視線が一瞬僕に集中して、またもとに戻った。

ちらりと見ただけだが、僕と同じ小学校の出身者がクラスの半分を占めていそうだ。知っている顔を見て少し緊張がほぐれた。

僕の席はどこだろう。困って入り口で突っ立ってる僕に同じ小学校の人が席を教えてくれた。僕の席は廊下側のもっとも後ろの席だった。机のすみには夜露死苦という文字が彫られている。

椅子に座ると、かばんから小説を取りだし読書を始めた。しだいに意識が読書に集中していき、周囲の音が聞こえなくなっていった。

「こんにちは」

いきなり声をかけられ、少々驚きながらも本から目線をはずし、ゆっくりと前を見た。そこには、テレビの中でしか見ないような顔の整った美少年がいた。

「兵庫から来ました。斎藤仁と申します。どうぞよろしく」

彼はそう言って握手を求めてきた。今まで生きてきたなかで握手を求められたことなど一度もない。そんな非日常に気を失いそうになりながらも、なんとか握手をした。仁の手はとても白くひんやりとしていた。

「あの、お名前をおうかがいしてもよろしいでしょうか」

「あっ、はい。津田陰影です。こちらこそよろしくお願いします」

あまりにも動揺して、名前を名乗るのも忘れていた。

そんな僕の動揺には気づかなかったのか、気がつくと彼は前の席の人にも同じようなあいさつをしていた。ほっと一息つき、また読書を始めた。

しばらくしてから、先生が教室に入ってきた。

「はい、どうも。今年、このクラスの担任を任されました坂本誠です。じゃ、体育館にいきましょうか」

重い腰を上げて廊下に向かう。東西に100メートル伸びる廊下に88人ほどの新入生が並ぶ。みなそれぞれに前後左右の人と話をしている。

しばらくして、列が動き出した。まわりを見るといろんなやつがいる。ずーっと下を向いているやつもいれば、あちこちに目を向けてキョロキョロとしているやつもいるし、前に視線を向けて体軸をぶらさずに歩いているやつもいる。

前のやつの背中を見て歩いていると知らないうちに体育館に入っていた。中には教師、生徒、保護者も含め約400人いる。

各々の新入生が席に着席し、厳かな雰囲気で入学式が始まった。入学式の間中、僕は口を開けて、爆睡していた。何度か立ち上がらなければならないときがあったけど、それはなんとかやりすごした。だから、いまいち入学式のことは覚えていない。唯一覚えていることといえば、生徒会長のことぐらいだ。その人は、田舎では、絶対に見られないような堂々とした風格と、自分が生徒のトップにいるという傲りを感じさせない謙虚さ、そして、誰からでも好かれそうな清さを身にまとっていた。

入学式が終わると、一旦教室に帰って事務連絡をしてから放課となった。僕は直ぐに家に帰ることにした。正直言って騒がしさと人の多さに辟易していた。

教室を出る直前、誰かに名前を呼ばれたような気がしたが、無視して帰った。家に帰ってからは、速攻で寝た。思っていた以上に心身ともに疲れたのであった。

読んでくださって、ありがとうございます。

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