部長と僕
僕はしがない一部員だ。
だから言える。
この部活はおかしい。
まず初めに、なんでこんなに散らかってるんだ!?一昨日片付けたばかりなのに!
そして掃除をしようと思って掃除用具を取り出したらペンキが流れてくるトラップが仕掛けてあった。なんでだ!僕は今話題のイカじゃないんだぞ!ペンキをぶっかけられても喜ばない!
極めつけに、掃除をしてる最中に大きな音が聞こえたと思ったら、空気砲でドアがぶっ壊された!先輩が外で実験でもしていたのだろう。だけどなんだ!なんで空気砲で部室のドアが吹っ飛ぶ!?威力を高めすぎだ!!!
ん?なんで僕がこの部活にいるかって声が聞こえた気がする。まあ僕も意志が強ければこんな部活。今すぐにでもやめているだろう。しかしこれには訳があってだな。
「お?理くんじゃん。また片付けてくれてんのか?ありがとな!」
そう、あの人こそ我が科学部部長、そして我が校初の女性生徒会長、猫川 化歩瑠さんだ。超絶美人。成績優秀。そしてさばさばした性格から女性にもファンクラブがあると言われる。そんな部長から直々に誘われたのだ。入らないわけにはいかなかったんだ。うん。不可抗力。決して勧誘の時は部長がそんな人だってわからなくて恋したとかそんなんじゃない。断じて違う。
そんなこんなで僕の青春は終わっていくのだろう。多分。きっとこの恋…いや違う。科学部への思いはどうなることもない…んだと思う。例えばいきなりあの部長が変な団体を立ちあげるとか、宇宙人や未来人、超能力者が集まったりとか。例えば、僕の頭に選択肢が浮かぶなんてことになったりだとか。例えば、部長が実は僕の幼馴染みで昔婚約した仲だったとか。そんなことがあればきっと変わるのかもしれない。だがそんなラブコメ展開は文字の中だけだろう。うん。
いやなんかしろよ作者!こんだけフラグを建てたんだぞ!何か1つくらい起こるだろ普通!
ん?何かがこちらに飛んでくる…?あれは…部長じゃないか!うわすごい勢いでうわああ!
「お?いいところに理くんが!実はさ手伝って欲しいことがあって!」
「部長…まず僕から降りてください…。」
「ああ!ごめん!で、手伝って欲しいことってのはさ!」
降りてはくれたものの謝ってくれない。酷くないか?
「昔、仲がよかった友達がいてな?そいつを探したいんだ。そのために部活も作ることにした!」
…ん?
「で!そこに理くんにも入って欲しいんだ!」
ピコン!僕の頭の中に効果音がなり響き選択肢が表示される。…は?
「ちなみにその友達はこのストラップを持ってるはずなんだが…」
差し出されたのはハートの半分のようなストラップ。
……持っている。俺が。こんなリア充みたいな代物いつ手に入れたんだと思っていたんだ。
「もちろん手伝ってくれるよな!理くん!」
僕の頭の選択肢はひとつしかない。
…はぁ。作者よ。
「俺はこんな全部のせ。望んでねぇぇぇぇ!!!!!!」
僕と部長 完
とりとめのない話でした。
ちなみに理くんのフルネームは学科 理くんです。名前だけで部長はスカウトしたんですね。