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Kallisto Go Around!!  作者: LOV
8/15

弱る娘

 ある日、イオは体調を崩して熱を出してしまい、寝込まざるを得なくなってしまった。元より体力と健康には自信があり、ここ数年来、病気らしい病気などしたこともないイオだったが、ここ数日の寒さに加えて夜更かしなどしていたものだから、見事に風邪をひいてしまったらしい。

「うう~」

 寮はセントラルヒーティングのため、温度設定を最大にしてもホワーンとした暖かさになるだけで、イオはベッドの上、毛布にくるまって震えるばかりだ。午前中にいったん熱は下がりかけたかとも思ったが、やはりというか案の定というか、夕方になると容赦なく上がり始め、イオを苛む。

「うう~! 寒気が……」

「イ~オ~? だいじょぶ~?」

 見舞ったカリストが枕元で心配そうにしている。今日は日曜日であったが、カリストは朝からイオに付きっきりで何かと世話を焼いていた。

「汗かいたかなっ? スポーツドリンク飲む~?」

「う、うん……」

「汗かいたならパジャマ着替えよ~♪ 手伝ったげる~♪」

「バカっ! ひとりで勝手に着替えるわよっ!?」

「そいじゃねぇ、チュッチュってして、わたしに風邪うつすとイイよっ♪」

「なっ、なに言ってるのよっ!? もうっ!」

 イオが弱っているのをいいことに、カリストは好き勝手なことを言っては、狼狽するイオを見て嬉しそうに笑っている。

「あんたさ、元気になったら覚えてなさいよっ!?」

「えへへ~♪」

 カリストはテレテレと笑い、タオルを絞ってイオの額に乗せた。ひんやりとした濡れタオルの感触が心地良い。よくよく考えたら、特に何というわけでもないのに、朝から晩までずっと付きっきりでいてくれるなんて、身内でもそうあることではないだろう。

「ねぇねぇ♪ もしわたしが風邪ひいたら、今度はイオが看病してねっ♪」

「……ま、まぁ、そりゃ、まぁ……」

 気恥ずかしそうにそっぽを向きかけたイオだったが、思い直したように言い放った。

「っていうか、あんた、絶対に風邪なんかひくわけないわよねっ!?」

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