4時限目 衝撃
3時限目の続きです。三人に起こされた暁美は食堂で―――
「というわけで、とりあえず暁美ちゃんの所に来た訳だけど、どうするぅ?」
「中にいるのかどっかに行っているのかわからんからなぁ。全く、世話のやける奴だぜー」
「中にいるんでしょうか」
「う〜ん」
三人は考えこんだ。
ガチャ
ドアを開ける音がした。しかし、それは暁美の部屋のドアではない。
三人はその音の方へと振り向いた。
音は近くで鳴っていた。
「あら、どうしたの?・・・あなた達は、・・・うん、リミナさんとフィルロスさんと清風さんね。そんなとこで何してるの?」
彼女の姿を見た途端に、清風の目が光った。
「おー、ちょうどいいところへと来てくれた。ちょっと頼みたいことがあるんだけどさ」
「・・・え?何?」
「実はさ、―――――」
清風は彼女に何やらゴニョゴニョ話しかけている。
リミナはフィルロスに話しかけている。
「・・・フィルロスさん、思ったんですけど清風さんはわざわざ彼女の耳に手を当ててコソコソ話す必要があるのでしょうか?」
「ないんじゃない〜?」
―――
「・・・ふう、全く、暁美さんは・・・」
そういうと、彼女は暁美の部屋のドアの前に立ち、中を見据えた。
彼女、忍目 理恵は超能力『サトリノメ』【状況把握能力・透視能力・動向察知能力】の持ち主で、その能力を使えば周りの状況を的確に把握し、見た相手の名前や年齢、性格等の情報を大まかに知ることができる。また、透視能力もある。その能力の中でも彼女の十八番は動向察知能力だ。これは、最大五秒先までの相手の行動がわかるというものだ。
「・・・あ〜、やっぱりぐっすりですね。爆睡して寝言を言っているようです」
「おう、わかった。サンキュー」
―――
「よーし、じゃあまずはインターホンでも連打してやるか」
―――ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ・・・ピンポーン―――
「・・・・・」
「む、無反応・・・」
「・・・ならば手段その2!イタ電しまくる!」
・・・プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル、・・・
「・・・う〜ん、何?」
「・・・やっと起きたか」
「清風さんって結構子供ですねー」
「そうだねー。大体さぁ、インターホン連打してダッシュしないなんて人じゃないよねぇ(元々人間じゃないけど)」
「・・・・・」
―――
「・・・あはははは、ごめん。寝ちゃってた」
「・・・・・」
三人の周りには黒いオーラが漂っている。
「・・・すいません・・・」
―――
今、暁美達は食堂にいる。
寮の大食堂はとても広く、そこには軽く500人くらいは入れそうであり、天井はとても高かった。
10人掛けくらいの細長いテーブルがなん十個も食堂に整然と並んでおり、メニューは和食から洋食、中華までなんでも揃っている。
「・・・そうそう、ちょっと三人に聞いておきたいことがあるんだけど」
暁美が三人の食べている様子を見て話しかけた。
三人共『何?』というような顔をした。
「・・・ねぇ、あんた達は一応吸血鬼に狼女にドラゴンなんでしょ?食べる物、なんか普通だね。・・・なんかさ、私の中のイメージと違うからさ・・・」
―――因みに清風は洋食を、フィルロスは中華を、リミナは和食を食べている。―――
そこで三人が口を開いた。
「ま、それは単なるイメージだから。確かに、たまには血が欲しくなるときもあるけどさ、それはホントにごく稀だしそれは我慢すれば大丈夫だからさ、普段はあんま関係ねぇんだよ」
「あたしの場合はもっと関係ないよー。少なくとも、あたしは普通に人間の食生活でも生きていけるし〜」
「あ、実は私も清風さんみたいに、たまには生肉も食べたいと思うんですけど、それは我慢すれば乗りきれますから」
「・・・ふ〜ん」
暁美にとっては半分驚き、半分納得の答えだった。
「それにしてもさ、賑やかだね、ここはさ」
「そうですねー、ここは唯一と言っていい程の、男女が会える場所ですし」
暁美は周りを見渡した。ところどころに男子が混ざっている。そして、ちらほらだが、カップルで食事をしているのも見受けられる。
暁美は思い出した。
そうだ、夢幻学園は一応共学だったんだ・・・そして、男子の能力者もいるんだ・・・と。
暁美は食堂内を再び見回した。ふと、ある人物が目に入った。
暁美は時が過ぎるのも忘れて彼をじっと見つめていた。
「暁美ちゃん、彼氏探しでもしているのかい?」
フィルロスのニヤニヤしている言葉に暁美は少し顔を赤らめて我に返った。
そしてすました声で言った。
「ははは、そんな訳ないじゃない。ただボーっとしてただけだよ」
「ホント〜?」
「ホントだってば〜」
その後、四人は一緒に風呂に入った。
寮では各部屋に風呂は一応付いているのだが、その他に大浴場がある。
大浴場はちょうど大食堂の上の階に位置する。
あの巨大な食堂の上の階全面を使っているので、この浴場もまた巨大である。浴槽の種類は一年中入っていても飽きない程いくつもあり、広々とした風呂はまるでプールの様でもある。サウナや露天風呂も存在し一流の旅館も敵わない程の浴場である。その凄さは、毎日入ってもそれに慣れることはできないくらいだ。
「やっぱり、いつ入っても凄いよな」
「最初なんか、あまりの大きさに圧倒されました〜」
「女子と男子それぞれが下の食堂の広さの半分が使える訳ですから、更衣室を抜いても十分にスペースはとれるんですよね」
「・・・」
暁美は風呂に入ったときもあまり他の事を考えられずにいた。風呂から出て部屋へと戻った後もそれは変わらなかった。
暁美はただ一つの事しか考えられずにいた。
〈あの人は誰だったんだろう・・・〉と。
妙な伏線を作ってしまいましたが、これを使う時が来るのかは不明です。―――――引き続き、超能力者・人外の者のアイデア募集中。




