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0 ー零ー
序章
生まれ持ったものを奪われる絶望。
敵わぬ力の前に為す術のない脆弱な自分。
他のものを略奪し己のものとする我欲。
二度と元に戻ること無い。
何故。
何故。自分が。自分だけが。
ああ、何故かはわからない。訳など無いのだから。
そのことを知っている。わかっている。心はついてはいかないけれど。
同じじゃないことを知っている。
違うことをわかっている。
だから
世界がそこに在るのを知っている
世界がそこに在るのをわかっている
だから
生き続ける
世界の有様を知っていく
ずっとずっと、魂が廻り続ける
私が変わってゆく