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絶対に気づいてはいけないラブコメ~~ハッピーエンドで必ず死亡する鬱ギャルゲーに転生した俺は死にたくないからボッチを貫く~~  作者: 杜宮みやび


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第32話 絶対に起っちゃいけないゲーム転生 みのりサイド

「なんだこれ?」コントローラーを操作するが反応がない。「おい、操作が効かなくなった!」


 ヤバい、今はライブ配信中だ。しかも何千人という視聴者が注目している絶対失敗のできない放送だ。


「マジかよ……配信中に不具合とか最悪じゃん」本気で焦る俺の姿に、相棒の翔も心配そうに画面を見つめる。

 ここでゲームを止めたら配信は大失敗だ。せめてゲームが動けば……


「ちょっと貸してみろよ」こらえきれなくなった翔は俺からコントローラーを取り上げ、コントローラーのボタンをたたく。


「おい、マジでヤバくない?」自分で建てた企画ではあったが、ここにきて恐怖を感じ始めていた。「あの噂……」


 その時、突然画面が眩しい光で満たされた。それはただの映像ではなく、まるで画面から実体を持つ光が溢れ出しているようだった。その光は画面から溢れ出し、部屋全体を包み込んでいく。


「なっ……!?」


 視界が真っ白になり、意識が遠のいていく。最後に聞こえたのは、コメント欄から聞こえてくるような、不気味な笑い声だった。


「ようこそ、『トキメキめめんともり♡』の世界へ……」

 意識が完全に途切れる前に、僕の頭に奇妙な声が響いた。


「命懸けの恋愛ゲーム……始まります」


 この瞬間になって俺はやっと理解した。

 これは——都市伝説ではなかったのだ。


 * * *

 

 目を覚ますと、見慣れない天井があった。

 白い天井に、小さな花柄のステッカーが貼られている。こんな可愛らしい装飾を自分の部屋に施した覚えはない。

 

 俺は上体を起こそうとして、違和感に気づいた。


 なんだこの重さは? 胸のあたりに、今まで感じたことのない重量感がある。

 

 慌てて体を起こすと、長い黒髪が肩に流れ落ちた。


「え?」

 

 思わずこぼれた自分の声に驚いた。高く、透き通るような女性の声だった。聞きなれた自分の声ではない。

 

 ベッドから立ち上がろうとして、バランスを崩す。胸の重みに体が慣れていない。まるで重いリュックサックを前に背負っているような感覚だ。

 

 周囲を見回すと、そこは間違いなく自分の部屋ではなかった。


 壁は淡いピンクで統一され、棚にはファンシーな人形や小物が並んでいる。デスクの上には可愛らしいペンケースや文房具。窓際には観葉植物とアロマディフューザー。

 

 全てが、女子高生の部屋という感じだった。

 

「どういうことだ?」

 

 再び、自分のものではない声が響く。ゲームに取り込まれるという都市伝説は本当だったのか?

 

 そう言えば、翔はどうなったんだろう? 一緒にゲームをしていた親友のことが真っ先に頭に浮かんだ。


 周囲を見回しても、目に入るのはぬいぐるみばかり、中二病真っただ中のようなあの配信部屋の面影はどこにもなかった。


 疑問に思うことは山ほどあるが、いったん落ち着こう。


 まずは現状把握だ。俺はベッドサイドに置かれたスマートフォンを手に取る。画面に表示された日付は、まさにゲーム『トキメキめめんともり♡』のスタート日。入学式の朝だった。

 

 机の上には几帳面に、今日持っていくのであろうカバンなどの準備がまとめられていた。机に置かれた学校のカバンを開けてみる。

 中から生徒手帳を取り出すと、そこには『佐伯みのり』という名前が記されていた。

 

 写真に写っているのは、整った顔立ちの美しい少女だった。おとなしそうな印象の、腰まで届く長い黒髪の女の子。まるで、俺が思い描いていた理想の女性像を具現化したような容姿だった。


 自分の髪を触ってみる。確かに、写真と同じように長く、絹のようになめらかな黒髪だった。


* 


 この部屋では自分の容姿を見ることができない。慌てて洗面所に向かう。鏡に映ったのは、生徒手帳の写真と同じ美少女だった。


 「これが……俺?」


 大きな瞳、小さな鼻、薄いピンク色の唇。華奢な肩、細い腰。そして、フリルが飾られた寝間着の胸部が、男の時にはなかったその存在を主張していた。

 

 恐る恐る、寝間着のボタンに手をかける。


 ボタンを外すと、確かに柔らかな双球がそこにはあった。男性である俺には本来存在しないはずのものだ。

 

「うっ、鼻血出そう……」

 

 思わず呟いてしまう。自分の体なのに、まるで他人のもののように感じられる。まあ、実際他人なのだけど。

 

 試しに手を当ててみる。手のひらから感じられる柔らかな感触と、今まで経験したことのない『もまれている』という感覚が間違いなくそれは自分の胸に存在していることを再確認させた。

 これまで男性として生きてきた俺には理解できない、新しい感覚だった。

 

 男の体であれば、こんな経験をしたら絶対に自己主張を強める息子の存在が感じられない。

 確認のため意を決して下着に手を伸ばした。

 

 当然のことながら、そこに男性のシンボルは存在しなかった。







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あとがき


今回からはもう一人の主人公、みのりの視点でこの世界を語ります。

『絶コメ』今後の展開にご期待ください。


楽しんでいただけたなら、☆で応援よろしくお願いします!

見失わないように、ブックマークも忘れずに!



 小説完結済み、約15万字、50章。

 

 毎日午前7時頃、1日1回更新!

よろしくお願いします(≧▽≦)


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