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ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


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12_B__02_02  第12話 Bパート 分割 2 / 2

第12話 Bパート 分割 2 / 2


【 第12話 概要 】

サブタイトル:計算しないが分数だ。/拍子がおかしい。/( )この中から1つだけ採用する)

OP曲前:回想、シメジ婆さんの葬儀。訃報の葉書には、ひらがなで「ほめてほしいことを おしえてください」とある。現在、吹奏楽の先生の家。黒リボンのタロットの後ろの絵は、シメジ婆さん。

Aパート:調律のモアレ模様、テルミン。根音とベース音、分数コード、アッパー・ストラクチャなど表記あれこれ。音符がさくらんぼの形。吹奏楽編曲で和音、偽終止、感動をメモ。トロール将軍のプロポーズ。

CM明け:缶コーラを飲む「コクッ、コクッ」の音が、『かえるの合唱』。

Bパート:『茶つみ』『誕生日』の拍子勘違い。不完全小節は最初と最後を足す。トレモロと、音の交代。トリルに付く臨時記号。2拍子と4拍子の違い。ステラの恋の告白はミッツが代行。ミッツの百合じゃれと恋愛指南。ミッツが泣いた?

Cパート:ハルとステラが、付き合うことを、ヤッ子に報告。


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

ハル。楽譜棚から、シリーズ物の「ピアノ名曲全集」を数冊、机に置き、目次を見て、『結婚行進曲』を探す。


ハル「あ、ほんとだ。最初の小節は、ちゃんと4拍ある。最後の小節も。それから、区切りの小節線もある。さっきの、ギター編曲した楽譜と、同じところと、違うところがある」


ミッツ。ステラに向かって「ほらね、ハルは結構、役立つのよ」楽譜を横取りする。


ステラ。2人がそれぞれ勝手に動くから、先刻の告白の話題に戻れない。


ステラ。心の声。「( )さっきの、勝手な告白代行の話は、どうなったんだろう?)」


ミッツ「それでは、あたしとステラちゃんの将来のために弾くね。でも、久しぶりだから、所々間違えたり、止まったりするのは許してね」


ミッツ。心の声。「( )さてと、ステラちゃんの告白代行はしたから、ウチに呼んだ口実の、演奏をすればOKっと)」


ミッツ。ピアノを開けて、『結婚行進曲』のページを開いたまま楽譜台に置き、演奏する。ちょっと間違ったりする。


ハルは、後ろから楽譜を凝視している。


ミッツ。演奏を中断。「ハル、演奏の邪魔! もっと離れなさい」


ミッツ。演奏再開。


時が飛んで、演奏が終わったので、ハルとステラが拍手。


ハル「演奏が終わって、すぐで悪いけど、ここの所、どうやって弾いたんだ?」Aメロの終わり、左手の交替の箇所を指す。


ミッツ「これは、音の交替で、えーっと、その前に「トレモロ」の説明がいいかな?」


ハル「トレモロ?」


ミッツ「同じ音の連打。音符をたくさん書く代わりに、省略した書き方」楽譜。上段に全音符に線1本、下段に8分音符の連打。上段に全音符に線2本、下段に16分音符の連打。


ハル「ああ、符桁の数と同じ本数の、太い線を書くのか。少し斜めの、太い線だな」


ミッツ「そう。4分音符に付けることもできるの」楽譜。4分音符でドのトレモロ、ミのトレモロ、ドミの重音のトレモロ。


ミッツ「こんな風に」


ミッツ「『エリーゼのために』だって、トレモロの表記にできるよ」楽譜。『エリーゼのために』( )ベートーベン)の、左手連打の箇所。


ミッツ「小節の途中で、使う音が変わったら、こんな書き方」楽譜『エリーゼのために』( )ベートーベン)。


ステラ「トロンボーンでもあった。トゥクトゥクトゥクって、舌の先と根元の両方で」ここでのセリフの発音は、子音の「tktktk」だけで、発声はしない。


ハル「タンギングってやつか?」


ステラ「そっ( )そう)」


ミッツ「リコーダーのタンギング?」背景に、小学校での縦笛の授業。先生が「「フーフー」ではなく、舌を使います。「タンギング」と言います」と言っている。


ハル「「舌」は英語で「タング」だから「タンギング」」


ステラ「そっ。でも、細かく刻むには、舌だけじゃ間に合わないから、舌の付け根も使って、tktktkって」


ミッツ。たどたどしく、舌先だけで。「トゥトゥトゥトゥ……」


ミッツ。舌先と、舌の根を交互に。「tktktk……。ほんとだ、速くできる」


ステラ「楽器は、口の外側にあるから、「トゥ」でも「ク」でも、同じように鳴るの。でも、口笛は、口の中が楽器だから、「トゥ」を使うと、変になるよ」吹いてみる。


ハル「それって、トム・ソーヤの、「口笛の特別な吹き方」ってやつか?」


ステラ「うーん、トム・ソーヤは読んでいないから、わからない」


ミッツ。タンギングで口笛を吹いている。セリフの邪魔にならないように、これまで音量は小さかったが、大音量になり、ハルの耳の近くに寄り、うるさくなる。


ハル。ミッツの顔を押して、遠ざける。


ハル「テレビでは、もっと細かいのもやってたな。いや、細かいのはフルートだったかな?」


ステラ「ああ、それは巻き舌。こうやって吹くの」巻き舌をする。


ミッツ「あ、上手!」


ハル「俺は巻き舌ができないから、こうやって誤魔化す」裏声のような声で、のどちんこを揺らす。


ステラ「口蓋垂( )こうがいすい)ですね」


ミッツ「?」


ハル「鳴らしているのは、のどちんこだ」


ミッツ。納得したように。「あ、ははーん」横目でステラを見る。


ミッツ「ハルが、のどちんこをブルブル」セリフの「ちんこ」を強調。


ステラ。少し赤くなる。


ミッツ「ハルが、小さなのどちんこをブルブル。これから大きくなるのかな?」


ハル「のどちんこが、大きくなるかっ!」


ステラ。音階を歌う。「ドーレーミー」ここで、「レ」だけ巻き舌。ステラは、第10話で、イタリア語の音名の「レ」の巻き舌を練習した。


ハル「「レ」だけ、巻き舌なんだよな」


ミッツ「え? そうなの?」


ステラ「ギターでも、あるんですよね」


ハル「クラシックギターのトレモロは、こんな感じ」弾く真似。


ミッツ。ハルの指の動きを見て。「うわっ、気持ち悪い」


ハル「気持ち悪いって言うな!」


ミッツ「ピアノでトレモロは、こんな弾き方をするよ」1つの鍵盤を、複数の指で、ややゆっくりの連打。「さっきのハルがやった、ギターの弾き方に似てるね」


ミッツ「で、トレモロを示す線が3本になると……」背景に、トレモロの線が3本の音符。「……もう細かくて、きちんと楽譜通りに演奏するっていうより、「とにかく細かく」っていう意味だよ。まあ、2本でも「とにかく細かく」のこともあるけど」


ハル「あ、そうなんだ。で、この音符は? 白玉だから、符桁が付くのはおかしいのに」背景に、全音符と2分音符に、差し棒で「玉が白いから白玉と呼び、長い音価」と記す。


ミッツ「これが、音の交替。ここでは、符桁みたいな、太い線は、ここでは音符の棒と繋がっているけど、棒とは繋がらない書き方もある」楽譜。交替の符桁が、棒と繋がらない例。


ミッツの自宅にある『結婚行進曲』は、繋がる表記なので、ハルが疑問に思った。


ミッツ「符桁は、音符の棒とくっ付いていても、離れていても、同じ意味」


ミッツ「一応、符桁と棒が、繋がらない形で説明するから」


ステラ「お願いします」


ミッツ。2分音符で符桁が1本の交替。2分音符で符桁が2本の交替。符桁が2本の楽譜は、「ド」と「ミ、ソ」の交替。上段に交替の書き方、下段に交替を使わない書き方。


ハル「なるほど」


ミッツ「で、気付いたかな、ここでは交替に2分音符を2つ書いているけど、時間は2分音符1つ分」


ハル「あ、ほんとだ」


ミッツ「ポピュラー曲では、こんな書き方もされてるよ」棚からポピュラー曲の楽譜集を出す。音の交替ではなく、2分音符の和音に3本のトレモロ。


ステラ「え? これって、すごく速く、ダダダダ……って弾くんですか? 和音だから、不可能じゃないですか?」


ミッツ「と、思うけれど、本当はこんな風に、ぐちゃぐちゃに、指が動きやすいように素早く。記譜はトレモロなのに、演奏はぐちゃぐちゃ交替の方法」弾く。


ハル。『結婚行進曲』のトリルを指す。「これはトリルだな」


ミッツ「そう。ドに付いていたら……、あっそうだ、トリルの演奏にも2種類あって、ドから始まって「ドレドレド」と、レから始まって「レドレド」の、どっちか、楽譜を見てもわからない」


ステラ「どっちなんですか?」


ミッツ「どっちが正しいかは、曲によって違うから、多分、先生に聞けば教えてくれる」


ハル「え? 先生だけに内緒で受け継がれる、秘伝書があるのか?」


ミッツ「そうじゃなくて、ドのトリルの場合、クラシック曲では1つ上のレから始まることが多くて、ポピュラー曲では音符のドから始まるのが多いとか」


ハル「いい加減だな」


ミッツ「ショパンの『英雄ポロネーズ』も、解釈で演奏方法が変わるよ」


ミッツ。書棚から楽譜を出す。『英雄ポロネーズ』「A'メロ」の1小節目の、左右の手がオクターブユニゾンで「ミ♭→ラ♭」の部分を指す。


ミッツ「ここ、左右の手は似ているけど、右手にはトリル「tr」があるでしょ。これは、「ミ♭」の音符にあるから、ミ♭から始めるか、1つ上のファから始めるか」


画面に、この1小節の右手だけの楽譜を、3つ上下に並べて表示する。それぞれ( )1)( )2)( )3)とする。


楽譜( )1)オリジナル。前打音を、ぼんやり緑色で囲む。「tr」と対象の音符を、ぼんやりの赤色で囲む。


楽譜( )2)普通の音符で表現。前打音だったミ♭をぼんやり緑色で囲む。「tr」だった音符はファから始まり、ぼんやりの赤色で囲む。全部が符桁で繋がっている。補足で「「tr」がファから」を添える。


楽譜( )3)普通の音符で表現。前打音だったミ♭をぼんやり緑色で囲む。「tr」だった音符はミ♭から始まり、ぼんやりの赤色で囲む。全部が符桁で繋がっている。補足で「「tr」がミ♭から」を添える。


この、3つの楽譜の画面内で、ミッツとステラとハルの会話は、先生ちゃんのように、顔だけにする。


ステラ「( )1)が元の楽譜ですよね。それを演奏するなら、( )2)と( )3)の、どっちなんですか?」


ミッツ「きっと、( )2)の演奏で、1つ上のファから始める。というのは、小玉、装飾音符で、わざわざミ♭が書かれているから」


ミッツ「もし、( )3)の演奏で、トリルがミ♭から始まるなら、ミ♭を2回連続することになる。だから、トリルはファから始まると思う」


ハル「それは、諸説ありますのひとつか?」


ミッツ「きっと、そうだよ。どこかの高名な研究者なら、別な解釈があるのかも」


ハル「ミッツのピアノの先生は、何て言ってるんだ?」


ミッツ「ミ♭は無くてもいいって」


ステラ「どっちでもいいってことですか?」


ミッツ「詳しくは、聞かないでね」


ハル。ステラに向かって。「「諸説あります」で、いいだろう」


3つの楽譜の画面が終わる。


ミッツ「ターンもそうだよ」背景に、ドのターンの、裏表の2種類を左右に並べる。


ミッツ「この2種類は曲がり方の通りに弾くけど、最初の音が無い状態から始める場合もあるの」ターンの下に楽譜。どちらもドから始まる。


ターンは、「S」を寝かせたものと、「S」を裏返しにして寝かせたものの、2種類。


ミッツ。演奏する。まずはドを弾き、「これにターンがあれば」弾く。「ドレドシド」と「レドシド」の2種類、裏返しも含めて4種類。弾いている小節をピンクで強調。


ステラ「これも、どちらでもいいんですか?」


ミッツ「そうよ。自分が信じた通りに!」親指を立ててウインク。


ハル「何なんだよ、そのウインクは」


ミッツ「この記号を、もしも音符として書いたとしても装飾音符だから、曲のテンポを変えないで、細かく紛れ込ませる演奏になるよ」背景に「装飾音符」と、そのフリガナ。


ハル「音符として書いても、音は鳴らすけど、装飾音符だから音価の足し算に含めないってもんだな」


背景に、『春の歌』( )メンデルスゾーン)の楽譜と、ちょっとの演奏( )BGM)。装飾音符には、指し棒で「テンポを崩さないように、そっと紛れ込ませる」を添える。


ステラ「飾りの音符ですね」


ミッツ「トリルにも、ターンにも、臨時記号が付けられるよ」背景に臨時記号の説明文「調号で音階スライドに選ばれなかった音を出すために、音符の左側に書く、♯や♭やナチュラル」を表示する。


ハル「トリルもターンも記号だろ。音符の玉が無いんだから、左側に書いても、わからんだろう?」


ミッツ「左じゃないよ、上下に書く。これは、トリルもターンも、同じ規則だから、ターンで説明するよ」ラの音符に、ターン。ターンの上に♭、ターンの下に♯。


ミッツ「この場合、ラのターンだから、上に書いてあるのはシに♭が付く。下に書いてあるのはソに♯が付く」弾く。


ミッツ「楽譜にすると、こうなる」


楽譜。臨時記号が付いたり付かなかったり、♯だったり♭だったり、いくつかの例。上下の2段とし、上段はターンの表記。下段は普通の音符で表現。


ハル「臨時記号が無かったら、ナチュラルを弾くのか?」


ミッツ「いやいやいや、そうじゃない。臨時記号は調号に逆らうから、何も無ければ調号に従う」楽譜。調号に逆らって、ナチュラルを使う例。


ステラ。ミッツを見て。「すごいですね」音の出ない拍手の仕草。


ミッツ。ハルに向かって、得意気な顔で。「どうだ、ステラちゃんから、すごいって言われたぞ」


ハル「何で俺に威張るんだ」


ミッツ「まあ、いいじゃないか、付き合え!」ハルの背中を、軽く叩く。


ハル。一瞬、声が詰まった後。「え? どこに? 何を言ってるんだ」


ミッツ「ステラと付き合え」


ハル。急に赤くなる。「さっきから、何を、いきなり、いきなり、何を。ふざけた冗談だろうと思ったら」


ミッツ「そう、いきなり恋愛対象にしろってのは無理だが、まあ、付き合ってみろよ、な!」


ステラ。顔面が、福笑いのように、目鼻口が移動している。動きが激しくなり、口が弾き飛ばされる。


ミッツ「色恋沙汰って、面白いじゃないか。ウキャキャ! 誰かがくっ付いたとか、離れたとか、ワクワク最高潮!」よだれを拭く。


ハル「面白半分に言うな!」


ミッツ。ステラを呼ぶ。「ホレ、握手」


ミッツ。大声で元気付けるように、笑顔で。「握手しろ!」


ステラ。床に落ちた口を拾う。驚きでガクガクする口を、気持ちが混乱しているから、誤って額に付ける。すぐに拾えなくて、何度か床に落とすのも良い。口が顔から滑り落ちて、手の甲に載り、手の甲の上で口がガクガク震える。


ホラーっぽい効果にするなら、目が手の甲に落ちても良い。顔から目が落ちる手法も、ホラーの効果はあるが、配慮が必要かも。


ハルとステラ。握手する。


ミッツ「まあ、恋愛経験の無いあたしが言うのもおかしいが、付き合い始めたら、多くの時間が必要になる。楽しいから一緒にいる時間が増えるが、相手の時間を奪って良いのではない」


ミッツ「他の友達との、青春時代の思い出作りの時間は、恋愛のせいでほとんどが奪われる覚悟を持て」


ミッツ「それから、相手を攻撃しない、攻撃されることをしない。相手を大切にして、ワガママを無理強いしない。恋愛は信頼で成り立つから、嘘や隠し事は絶対に御法度!」


ミッツ「相手が味方だから一緒にいて楽しい! 相手が敵になった時が恋の終わり! 恋が終われば、それまでの永遠の誓いも終わり! 意外と身近にあった運命の出逢いは、面倒でも、別な誰かと」


ミッツが言っている間、ミッツの部屋の中の、あちこちが画面に映される。BLものを含め、様々な恋愛関係の書籍( )マンガ、ロマン小説など)、DVDなどがある。


ミッツ。一気にまくしたてた後、一息。


ミッツ「まあ、同じ学校の中で、別れたら気まずいが、これまで通り遊んだって、いいだろう! 楽しいことを減らすのは、あたしの望みじゃない!」


ハル。心の声。「(付き合い始めの時に、別れの話か。結婚式のスピーチは、誰も頼まないだろうな)」


ミッツ。偉そうな表情。唇を上に移動し、顎が大きく見える。口角が上がっている。腕組みするか、握り拳を腰に当てる。


ミッツ「ということで、お祝いだ」


ミッツ。くるりと振り返り、ピアノの椅子に座る。振り返る動作は、腰が先に周り、スカートがひらり。次に脚。顔が最後。この、回る仕草の時間は、髪の毛で目が隠れている。


ミッツ。『結婚行進曲』を演奏する。Aメロから、そのままコーダに続く。


ミッツ。弾きながら、ピアノの壁に映る2人を見る。ピアノの壁の大きさで、後ろに立っている2人の顔は見えないが、ステラが少しかがんで、ハルの胸に顔を押し付け、甘えている様子。その後、キスをしているらしい。


ステラがハルの両手を取り、軽く振る。ステラが、くるりと回る。などなど。


ピアノを弾いているミッツは、ステラにとって後ろ向きなので、好き勝手をしているようだ。


ハルとステラの、身長差に注意。ステラの方が、少し背が高い。


ピアノの壁には、ミッツの顔も映る。下唇を噛む、上の歯が見えている。髪の毛で目が隠れている。カメラワークの移動で、ピアノの壁の、小さな汚れ、または傷が、ミッツの涙のように見える。


ミッツは、「決まった相手との恋愛」というより、「仲良く遊ぶ」の構図の変化に、動揺している。「ミッツの涙のように見える」の表現により、失恋のように視聴者に思わせ、恋の相手が、ハルなのかステラなのかを想像させる。


▼ Cパート。   ▼──   ──▼


昼休み。理科準備室。


ヤッ子。コーヒーを飲んでいる。


ハルとステラが入って来る。戸を開けた理科室の内側から見ると、ハルとステラの向こうに、廊下を歩いているショージが見える。


ハル「失礼します。あ、ヤッ子先生、ちょっといいですか?」


ヤッ子「どうした? 揃って」


ハル「ええ、昼休みに、職員室にも音楽室にもいない日は、いつもここでコーヒーを飲まれるので」


ステラ。ハルが話している時に、後ろ手で戸を閉める。


ヤッ子「用件を言いたまえ」


ハル「あの、僕ら、付き合うことになりました」


ヤッ子。少し考えて「なぜだ」


ハル「いや、なぜって……」


ハルとステラ。互いに目を合わせる。二人は、ヤッ子の「なぜだ」の意味を、「なぜ、付き合うのか?」と思う。


背景に、いくつかの言葉が飛び交う。「どうして、付き合うようになったのか」「ミッツの話をしようか」「すぐに、キスしましたよね」「俺の、どこがいいんだ?」


ハルとステラは、なぜ付き合うことになったのかを、どうやってヤッ子に説明するかを、思案している。


ここで、ハルとステラの、これまでの様子を、思い出のように、短時間の動画の連続、または、いくつかの静止画を表示しても良い。


ステラの転校前日の引っ越し。学校のグランドから、ショージが見染める。


ステラが、トロンボーン先輩の隠し撮り写真を、校門の内側で見ている。


ハルが紙飛行機を飛ばす。


ハルに、ショージ、ミッツ、ヤッ子が抱き付く。


ステラが自宅玄関前で泣き、その向こうを、ショージが去る。


トロンボーン先輩が、ムギと下校。


美術の写生で、ミッツの手が震え、泣きながら去って行く。


ミッツが、ハルにコブラツイスト。


ステラの自室のコルクボードに、空きスペースができて、ハルからの電話をスマホで受けながら、ハートマークなどが輪舞する。


オルゴール館での待ち合わせに遅れたステラが、走って来る。


オルゴール館の、オートマタの室内で、泣いているステラに、ハルがポケットティッシュを手渡す。


オルゴール館の帰りのバスの中で、スマホで記念写真を見ている。


ミッツの部屋で、楽譜を見ているハルに、ステラが近付き、わざとらしく手を触れる。


ミッツの部屋のピアノの壁に、ハルとミッツが映り、キスをしている様子。


ヤッ子「なぜだ」


ハルとステラ「なぜって……」


ヤッ子「なぜ、そんなことを、私に報告する」


ハル「へ?」


ハル。心の声。「( )報告?)」


ステラ「そう……いえば?」


ハル「なぜ……だろう?」


ヤッ子「私はシメジ婆さんではないぞ」


3人、ちょっと沈黙。


ヤッ子「まあ、恋愛経験が豊富な私が言えるのは……」


ハルとステラ。ヤッ子が言い終わらないうちに、声をそろえて言う。「相手の時間に気遣い、ワガママを無理強いしない……」


ショージが、廊下の、理科準備室の前に来る。ハートマーク付きの封筒を持っている。


理科準備室の中。ヤッ子。2人が言い終わらないうちに「それもそうだが、セッ……」


妖精ちゃんが戸が開ける音で、ヤッ子の声が消される。ショージが現れる。ショージの鼻が、瞬時にバラの花束になる。


▼ 1コマ漫画。   ▼──   ──▼


「ありがとうございました」


数枚の集合写真。


第4話で、吹奏楽の演奏に参加した、プロの演奏家。


ハルの父親のギターなど、単発で演奏した、プロの演奏家。


声優を含め、スタッフの集合写真。これだけで、枚数が多いかも。


先生ちゃんとして登場した、ピタゴラス、ジョン万次郎などの歴史上の人物。


ED曲の背景も、アニメ制作の集合写真やスナップ写真を用いる。


関係者の全員は無理でも、できるだけたくさんの「人物( )アニメ制作の関係者)を主役とした写真」を使用する。


原作者から「お疲れさまでした、ありがとうございました」


【終わり】



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