12_A__03_04 第12話 Aパート 分割 3 / 4
第12話 Aパート 分割 3 / 4
【 第12話 概要 】
サブタイトル:計算しないが分数だ。/拍子がおかしい。/(この中から1つだけ採用する)
OP曲前:回想、シメジ婆さんの葬儀。訃報の葉書には、ひらがなで「ほめてほしいことを おしえてください」とある。現在、吹奏楽の先生の家。黒リボンのタロットの後ろの絵は、シメジ婆さん。
Aパート:調律のモアレ模様、テルミン。根音とベース音、分数コード、アッパー・ストラクチャなど表記あれこれ。音符がさくらんぼの形。吹奏楽編曲で和音、偽終止、感動をメモ。トロール将軍のプロポーズ。
CM明け:缶コーラを飲む「コクッ、コクッ」の音が、『かえるの合唱』。
Bパート:『茶つみ』『誕生日』の拍子勘違い。不完全小節は最初と最後を足す。トレモロと、音の交代。トリルに付く臨時記号。2拍子と4拍子の違い。ステラの恋の告白はミッツが代行。ミッツの百合じゃれと恋愛指南。ミッツが泣いた?
Cパート:ハルとステラが、付き合うことを、ヤッ子に報告。
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焚火がゆらゆら。
彼女「絵、描けないの?」
トロール将軍「うん」
彼女「どんな絵?」
トロール将軍「好きな絵が、たくさんあって、あの絵のようなのを、描きたいなって思って。……でも、僕が思い描く絵は、どこかの誰かの絵に似ていて」
彼女。微笑む。「まあ、言葉にすれば矛盾になるけど……」焚火に、次の薪を加える。「……芸術って、苦しくって、楽しくって……」静かな表情。「……困ったもんだね」焚火を見ながら柔らかな笑顔。
トロール将軍「うん」
彼女「あたしには、あんたの悩みがわからないなあ。『魔女の宅急便』での、飛べないスランプって、あんたの「生みの苦しみ(産みの苦しみ)」に似ているのかな?」
彼女。立ち上がって、マシュマロと割り箸を出す。
彼女「悩みを分かち合えなくて、ごめんね。でも、こうして一緒にいること、これがあたしの精一杯っと」
彼女。椅子を少しだけ、焚火に近付ける。座ったまま前屈みで火に手が届くように。
彼女。割り箸を割り、コンビニで売っているような普通の大きさのマシュマロに刺し、トロール将軍に渡す。もう1本、自分に用意する。
焚火で割り箸を使うと熱そうなので、バーベキュー用の長いフォークにすべきか。
彼女とトロール将軍が、マシュマロを焼く。会話しながら、マシュマロを食べる動作。
トロール将軍。マシュマロが融け始めたので、コーヒーカップを下に用意する。少し垂れ下がったが、融け落ちなかった。熱いマシュマロを、涙と鼻水の顔で食べる。
焚火がゆらゆら。
彼女「ねえ、幸せに、絶対に必要なのって、何だと思う?」
トロール将軍。無言。
彼女「お金とか、友達とか、健康とか、適度な生活とか、良い政治とか、戦争じゃないとか、色々考えられるけど、あたしはね、幸せを感じる能力だと思う。もちろん、それ以外も大切だけどね」
彼女「幸せを感じる能力が、幸せに絶対に必要。その能力は、感性だから、学校で、子供達と一緒にいる時は、授業中じゃなくても、幸せを感じる感性を磨けるようにしてるんだぁ」
彼女「子供達が、何に幸せを感じてもいい。あたしは、あたしの得意なことなら、幸せを見付けやすい、そうすることで、子供達の感性も磨ける」
彼女「じゃあ、宮沢賢治の『オツベルと象』のように、騙されているのはどうなんだって話もあるけど、そこまで深くは考えてないから、あはは。難しいことは、わからんっ!」
彼女「大人になって、良かったなあって思うのは、自分が頑張るのも、他人が頑張ってるのを見るのも、楽しいって思えるようになったこと」
彼女「必ずしも目標が達成できるとは限らないってのは、最初からわかっている。だから、無駄な努力と揶揄することもない」
彼女「子供達がさ、人生にとって役に立つのかわからない、曲芸のようなことなのに、できるように頑張っているのって、いいなあって思って見てる。成功体験って、嬉しいな」
背景に、小学校の体育の授業風景。トロール将軍の彼女は体育教師。何度も練習している子供に、「いいよ、いいよ。できそうだ。みんなが「おめでとう」と言いたがっている」と励ます。
子供の心の声の「あ、今は脚の向きが悪かった」などを文字で表示する。
トロール将軍の彼女は「手の動きと、脚の動きの、両方に気を付けるのって、難しいよね」
成功した時は、ガッツポーズし、みんなに拍手と「おめでとう」を促す。
彼女「体育に興味の無い子供に無理強いはしないけど、頑張っている子供を見ていると、一所懸命は美しいって思う。見てるだけで、幸せのお裾分けをもらっている」
彼女。首から笛を外して、トロール将軍の首に掛ける。
彼女「まあ、あたしには、あんたの悩みはわからんけど、何か困ったことがあったり、助けが欲しい時は、これを吹いてよ」
トロール将軍。言葉にならない声を出し、頷く。
雨が降って来る。
彼女「うわっ、雨だよ。ニャハハ、まあ、死ぬほどの雨じゃないから、これもハプニング。あんたさ、テントの中から、寝袋を持って来てよ」
彼女。立ち上がって、運転席から、ヘッドライトのスイッチを入れる。ライトバンのトランクを開ける。ライトバンの後ろの席のドアも開ける。
トロール将軍。テントから寝袋を出す。
彼女。食器などを重ねて持ちながら。「後ろを開けておいたから、寝袋を放り込んで!」
焚火台、イス、テーブルなどは残ったまま、車内で使うものは車内に運び終わる。寝袋を並べたトランクは、荷物があって、少し狭い。
彼女は運転席に、トロール将軍は助手席に座る。
ヘッドライトを消す。外灯だけの明るさ。
彼女「良かったね、雨が強くなる前に片づけられたね」
焚火が消えて行く。
彼女「お湯がまだ、残ってる。コーヒーもう一杯、飲もうよ」
彼女。シートを後ろに倒し、車内灯を点け、体を反転させ、俯せになるように手を伸ばし、インスタントコーヒーを入れる。トロール将軍に一杯を手渡す。車内灯を消し、椅子を戻して、前向きに座る。
彼女「よいしょっと」落ち着く。
トロール将軍「ねえ、どうして僕を、好きになったの?」
彼女。口を尖らせて、顔が赤くる。「どうしてって……。そんなことを聞くんだったら、なんであんたは、あたしを好きになったの? それを先に言ってよ」
トロール将軍。真っ赤になりながら、ゆっくりと話す。「君は太陽だよ。地球で、僕達が生き続けていられるのは、太陽がずっとエネルギーをくれるから」
トロール将軍「君は、幸せを見付けるのが上手だ。僕にはわからない幸せもあるけど。幸せを見付けたら僕に教えてくれて、幸せのお裾分けをくれる。君が幸せを感じると、僕も幸せになるんだ」
トロール将軍の言葉の背景に、日常やデートの場面(静止画)を思い出す。
デートでソフトクリームを食べる、自宅で食事中に、彼女は幸せそうに食べる。
高台の階段の上、紫陽花の花壇の近く、雨上がりで閉じた傘の先から雫、遠くの虹を見て喜ぶ。買い物帰りで、手には食材など。
商店街の福引から立ち去る所で、手には3つのポケットティッシュを、トランプを広げたように持って、指し棒で「ポケットティッシュ」と示す。彼女は、残念そうだが、大きな口で笑顔。
ちょっと無言。
トロール将軍「僕は、女の子を楽しませるのが苦手だ。楽しませようとすると、逆に迷惑を掛けてしまう。でも、君は色んなことを楽しみに変える、不思議な化学(ばけがく)、魔法使いみたいだ」
トロール将軍「どうして、こんなに幸せなんだろう。君のそばにいると幸せなのは、君がたくさん幸せだから」
トロール将軍「君を、独り占めにできる、君にとって僕が特別でいるのが、幸せ……だよ」
ちょっと無言。
トロール将軍「僕は、君が好きな理由を言ったよ。今度は、君が言う番だよ」
彼女。両手で、顔の近くでマグカップを持っている。彼女の視線は、フロントガラス越しに、車外のテントを見ている。
彼女「あんたは、他人に気遣うことができない。つまり、優しくない」
トロール将軍「優しくないだけじゃなく、気の利いたジョークも言えないし、フェロモンの代わりになるような格好いいことも無いし……」
彼女「確かに、あんたには、女がわざわざ近寄りたくなる魅力は無い」
彼女。目を閉じて、静かに、しかし、はっきりと。「でも、誰の攻撃もしない」
彼女「気遣いができないから、うっかり失礼なことを言ったり、誰かを傷付けることもあるけど、たどたどしい気遣いがかわいいなーって思っていたんだよ」
彼女「不器用だから、失礼や失敗があっても、誠実だから、あたしはあんたを責めようとは思わない。立場を逆にして、あたしが誠実であれば、責められることも無い」
彼女。目を開け、視線は、再び車外に向け、コーヒーを一口。
彼女「顔は恐いけど、何度か会っているうち、「この人は、攻撃しない人なんだ」って気付いた」
彼女。幸せそうに、甘えた声で。「安心なんだよ。あんたの隣ならね。あんたは、顔は恐いけど、安心なんだよ」
トロール将軍「僕と一緒にいても、楽しくないと思うけど……」
彼女。小さく「くすり」と笑う。「ほんとにもう……。何度も言ってるけど、あたしと一緒の時は、そんなの気にしないでぇ。一緒にいるだけで、幸せなんだから」
彼女「攻撃される心配も無い。失敗しないように怯える心配も無い。あたしがあんたを大切にしていれば、何も心配は無い。だって、本当に大切なんだもン」末尾だけ、照れた口調になる。
トロール将軍。どきりとした顔。
彼女「ついでにさ、あんた、嘘を吐けない(つけない)でしょ。嘘と、隠し事と……、エチケットだっけ?」
トロール将軍「嘘と、冗談と、マナー」
この、トロール将軍の作った分類「嘘と、冗談と、マナー」に対し、彼女はそれの意図を理解しながら少し違っている。美術が主軸と、体育が主軸の違いだが、ステレオタイプというより、個人のキャラ設定。
彼女「そうそう、それっ。あたしに心配をかけないようにって、内緒にするってこと、できないでしょ。あたしに話す時、頑張って頑張って……」少し泣き声が混じり、裏声っぽくなる。「……あたしが傷付かないようにしてくれたよね」
彼女。少し気を持ち直しての溜息。「ああーハぁー。色々な「安心」があるけど、あんただけの「特別な安心」ってのが……あるんだョ」
彼女「あたしは、健康のために、努めて笑顔でいるようにしている。でも……」目を閉じる。「……友達が教えてくれたんだ。あんたの隣にいる時だけ、あたしの笑顔が違うんだって」
彼女。コーヒーの香りをかぐ。「義務のような頑張った笑顔じゃない。幸せが湧き出るような笑顔。安心した、素顔のままの笑顔。そのまま眠ってしまいそうな、そんな笑顔なんだって」
例:アニメ『ゆるキャン△』で譬えると、普段は大垣千明のような笑顔、トロール将軍の近くにいる時は各務原なでしこのような笑顔。
彼女「言われて気付いたんだ。あんたは、友達のうちの一人だったんだけど、いつの間にか、恋していたんだなって。あんたが、あたしの帰る家なんだな。辛いことがあっても、泣きながら走って向かうのは、あんたの腕の中なんだなぁって」
彼女。少しの間、小さな吐息の後。「ありがと」その後、声に出さず、口だけ「好き」と動き、字幕の「好き」が添えられる。「好き」の「き」の口の形が、自然と笑顔になる。下唇が、上唇を上に押す。
彼女の妄想。泣きながら走っている。悔しさを堪えきれない表情。やがて、トロール将軍の腕の中で、涙が光ったまま眠っている。
彼女「こんなこと、あるんだな。恋してたってことに、自分では気付かなくって、友達に言われて気付くなんてさ」
トロール将軍「でも、僕が誰かに好かれる理由なんて、からかって遊べるから」
彼女「あたしは、あんたをからかうなんて、できないな」
トロール将軍「どうして?」
彼女「だって、あんたってさ、からかわれたのをきっかけに、楽しい会話に続けることって、できないでしょ?」
トロール将軍「うん」
彼女「だったら、あんたをからかうのは、虐めだよ。苦手なこと、できないことを、からかうのは」
彼女「誰をからかうか、選ぶ基準は、からかわれて面白い話に繋げられる人を選べばいいのに。からかっても反撃されないからって、からかわれて面白い話に繋げられないってわかっているんだから、楽しい場を白けさせる、非生産的なこと」
彼女「みんなを楽しませるために、あんたを犠牲にするのは、あたしは誤った方法だと思うな。それに、あんたをからかうと、楽しい場を白けさせるってわかっているんなら、からかった人の責任。あんたは、悪くないよ」
彼女「からかったことが、場を白けさせる原因なのに、「お前がいると、つまらなくなる」なんて言う人は、「強くてかっこいい人」じゃなく、「無益に人を傷つける人」だもの」
彼女「近付いたあたしも、傷付けられるかもって。だから、怖いよ。恋愛なんて無理。優しく撫でられていても、反対の手が拳になって飛んで来るんじゃないかって、びくびくしてたら、恋愛じゃない」
ここで、彼女が教育実習をしていた頃の話をするのも良い。
▽ 場面変更 ● ── ●
回想の回想。教育実習の話。ダイジェスト。
教育実習では、養護学校に行った。体育教諭を希望していることもあり、人それぞれの特性を、より学ぶため。
病院と併設の養護学校。子供達は夕方から体育館で野球。立ってバットを持って振ることができる子供は、半数もいない。
この野球は「できた」を楽しむもの。勝負ではない。全員が、それを大前提としている。
通常の野球のように、立ってバットを振れるバッターには、ピッチャーはボールを投げる。投げ方も、バッターの具合に合わせて、上から投げたり、下から投げたりする。
床に寝そべるバッターには、ピッチャーは球を床に転がして、投げたことにする。打てれば、代走がすぐに走る。
弱視や全盲の子供が走る場合は、セラピストが1塁から「こっちだよ」と声を出して誘導する。この時、他の人は静かにしている。
全盲なので、1塁ベースの近くを走り過ぎると、ベースを踏んだことにする。セラピストを含め、誰も走るのを邪魔しないで、通り道を空けている。それが信じられるから、全盲でも、声のする方に、全力で走ることができる。
自分で走れるバッターも、外野まで打球が進めばヒットにする。
バットも持てない子供が相手なら、ピッチャーは形式として投げるだけ。キャッチャーは、受け取ったボールを1塁に送球。1塁手が受け取る前に、バッターが、目の前にいるセラピストの手にタッチできればヒットとする。
床に寝そべったままの野手もいる。その野手に打球が当たれば、ゴロであっても、フライを捕球したのと同じく、アウトとする。
楽しそうに笑っている子供もいれば、そのような表情を作れない子供もいる。「子供の喜ぶ笑顔は美しい」というのは絶対ではなく、笑うと顔が崩れる子供もいる。
そんな経験を友達に話したら、友達から「何が楽しくて、そんなことを……」の返答。その続きのセリフには[ピー]が入る。
彼女は「あたしだって、どんなに長生きしても、どうせ死んじゃうけど、だからこそ、諍い(いさかい)とか、非生産的な時間は、命が勿体無い」と話す。
友達は「ふうーん。あたしは、自分が楽しむことが一番だと思うな」と言う。
彼女は「死んだら、ううん、死ぬ瞬間を想像すると怖い。無になることが怖い。「無であることも、自覚できない無」って、想像するだけで、気が狂いそうになる。だから、命が勿体無い。どうせ死ぬなら、せめて、楽しんで楽しんで」と言う。
友達は、面倒そうな顔。
彼女「きっと、みんな、「せめて、楽しんで楽しんで」って思っているんだろうな」
回想の回想。教育実習の話。ダイジェストの終わり。
▽ 場面変更 ● ── ●
回想の回想が終わり、さっきのキャンプの続き。
画面にはテント。いつの間にか、雨が強くなっていて、「バラバラ」という雨音で一杯になる。
車内の彼女の横顔。雨音は小さい。
彼女「人を評価する基準は、たくさんあるけど、自分に都合よく基準を選択して、他人が劣っている箇所を見付けて、からかっても、時間の無駄、命の無駄……」
焚火は、すっかり冷えている。
彼女「あたしの友達が言ってたのは、「50歳になったら、自殺する」って。「あんな、よぼよぼになって、生きているなんて、怖ろしい」って」
彼女「それを聞いて、あたしが思ったのは、誕生日になって、急に、よぼよぼには、ならない。少しずつ変わって行くのだから、自殺のきっかけは、無いだろう」
彼女「年寄りと話をすると、死ぬってことが、まるで、冬支度のような、必ず来ると実感している」
彼女「子供の頃は、知識で「死ぬ」を知っているけど、遊びや冗談に使う程に、実感が無い。だから、老人と話していて、冬支度のように来たるべく死を話したり、誰かの死を話すと、子供は驚くよね」
彼女「あたしも、年寄りから「若い今のうちから、年を取る準備を」って言われても、今はまだ、実感が無い。友達が言ってた「よぼよぼ」って、実感があったからか、無かったからか……」話は完結せず、余韻を持っている。
ここまで、大正時代の流行歌『ゴンドラの唄』を、BGMにするのも良い。彼女のセリフの声質と、拮抗しない歌声が望ましい。BGMの終わりで、トロール将軍の笛が鳴る。
トロール将軍。そっと笛を吹く。
彼女。視線はまだフロントガラス越しにテントを見ているままで。「どうしたの?」
トロール将軍「大きな音を出したら、あっちでキャンプしている人に、迷惑かなって思って」
彼女「うふふっ。雨の音で、どうせ音は届かないよ」
トロール将軍「この笛で、君を呼んだよ。こっちに来て……」
彼女「こっちにって?」
トロール将軍「僕の部屋に来て。一緒、い、一緒に、結婚して……ごにょごにょ……」口からオノマトペの文字「ごにょごにょ」が出ている。
彼女「一緒に、なあに?」
トロール将軍。再び、小さく笛を吹く。「結婚……しよう? 結婚したい、結婚しよう」
彼女。視線はまだフロントガラス越しにテントを見ているままで、大きな口の笑顔。少しずつ大きな口の口角が下がり、大きく見開いた目に涙があふれる。
外からフロントガラス越しに、彼女の顔のアップ、そこから引いて、フロントガラス全体を透かして、2人を見る画面。彼女がトロール将軍に近寄るが、雨粒のせいでフロントガラス(ワイパーは止まっている)越しにぼやけて、見えなくなる。
彼女。静かに、はっきりと「いいよ」または「ありがとう」または、元気に「うんっ!」
ライトバンの周囲で、ハートマークや花々が舞う。
画面が、キャンプ場の遠景、街明かりが見えるまで引いても良い。
▽ 場面変更 ● ── ●
回想が終わり、さっきの放課後、美術室、美術クラブの続き。
トロール将軍。生徒が近くにいるのに、ぼーっとしている。
生徒「トロール将軍、どこかに行っちゃったままだね」
生徒「呼び戻そうよ」
生徒「先生、先生、トロール先生……」
トロール将軍「あ、あっ、ごめんなさい」
生徒「奥さんが、結婚前に、何ですか?」
トロール将軍「ああ、結婚前にくれたんだ。助けが欲しい時に鳴らしたら、いつでも助けに来てくれるって思ったら、安心するんだ」揉むように笛をつまむ。
生徒。顔を見合わせる。
トロール将軍「知ってるかい、マシュマロを焼くと、美味しいんだよ」
生徒「マシュマロを、焼くって?」
トロール将軍「要するに、マシュマロを温めればいいから、電子レンジでもいいけど、マシュマロを割り箸に刺して、ガスレンジの火で焦げないように炙って、柔らかくなったら食べるの」
背景に説明図。大きめの皿に、チョコビスケットをいくつか並べ、その上にマシュマロを載せる。電子レンジで温める。熱がりながら食べ、マシュマロは口から延びる。
背景に説明図。膨らんだマシュマロが転がるので、アイスキャンディーの棒(板、ヘラ)を刺してから温めると、転がらない。
背景に説明図。マグカップに、数個のマシュマロと、数個のチョコレート(「アルファベットチョコ」のような、親指大の廉価なもの)を入れる。電子レンジで温めて、スプーンですくって食べる。
背景に説明図。割り箸に刺したマシュマロを、ガスレンジで焼く。マシュマロが燃えて「やばい」と、口で吹き消す。再び焼いて、割り箸から落ちるが、用意していた小皿で受け止めて「Good」などの文字。
生徒「キャンプでするような、大きくて特別なマシュマロですよね。どこに売っているんですか?」
トロール将軍「普通のマシュマロでいいよ。口にポイポイと入れるだけじゃないよ。融けて垂れてくるから、小皿を用意してね。あと、食べる時は熱いから気を付けてね」
トロール将軍「こびり付かない、フライパンを使うのもいいね」
トロール将軍「それから、一番大切なのは、火を使うから、髪の毛とか、服装には気を付けてね。セーターのような、ふわふわした服は、火が燃え移りやすいから」
生徒「ふわふわしていなければ、大丈夫ですね?」
トロール将軍「ふわふわしていなくても、袖口が広いとか、色々気を付けることはあるよ」
トロール将軍「意外なことだけど、袖が飛び出ていたら、火が燃え移りやすいから」
背景に説明。セーターを着て、指し棒で「ふわふわ」と記し、燃えたマシュマロから火が点く。
背景に説明。袖がひらひらの服を着て、指し棒で「ひらひら」と記し、ガスレンジから火が点く。
実際に事故になった視聴者への考慮(事故を思い出すことへの考慮)として、コミカルな単純な絵で、クイズの不正解のブザー音など。
トロール将軍「電子レンジでも、オーブンでも、器が燃えたりしないように気を付けてね。電子レンジとオーブンは、違うものだからね」電子レンジ用のお皿を、オーブンで使って、皿が燃える。
生徒。心の声。「(なぜ、いきなりマシュマロの話なんだろう?)」トロール将軍って、やっぱり面白いという顔で、生徒同士が目を合わせる。
その他、マシュマロの料理の例をいくつか。マシュマロは、電子レンジで温まって膨らむ。その熱で、お菓子から良い香りが出る。
皿の上に、食パン、または、切れ込みを入れたコッペパン。その上にスライスチーズ。その上にマシュマロを並べる。その上にドライフルーツ。
源氏パイのような、ザラメ砂糖。または、グラニュー糖。
お菓子作りが好きな人からの、実践したものを紹介するのも良い。
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