12_A__02_04 第12話 Aパート 分割 2 / 4
第12話 Aパート 分割 2 / 4
【 第12話 概要 】
サブタイトル:計算しないが分数だ。/拍子がおかしい。/(この中から1つだけ採用する)
OP曲前:回想、シメジ婆さんの葬儀。訃報の葉書には、ひらがなで「ほめてほしいことを おしえてください」とある。現在、吹奏楽の先生の家。黒リボンのタロットの後ろの絵は、シメジ婆さん。
Aパート:調律のモアレ模様、テルミン。根音とベース音、分数コード、アッパー・ストラクチャなど表記あれこれ。音符がさくらんぼの形。吹奏楽編曲で和音、偽終止、感動をメモ。トロール将軍のプロポーズ。
CM明け:缶コーラを飲む「コクッ、コクッ」の音が、『かえるの合唱』。
Bパート:『茶つみ』『誕生日』の拍子勘違い。不完全小節は最初と最後を足す。トレモロと、音の交代。トリルに付く臨時記号。2拍子と4拍子の違い。ステラの恋の告白はミッツが代行。ミッツの百合じゃれと恋愛指南。ミッツが泣いた?
Cパート:ハルとステラが、付き合うことを、ヤッ子に報告。
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▽ 場面変更 ● ── ●
理科室。さっきの続き。
ハル。音叉を使って、ギターの調律をしている。
ミッツ「ねえ、ハル。ギターを弾いたら、左手の指先が硬くなるって、ほんと?」
ハル「ああ、ちょっとだけ」指先を見せる。弦の形に、凹んでいる。
ミッツ。ハルの指をつまんでみる。「硬くない。凹んでる。ステラちゃんも来てごらん」
ステラ。ハルの指先を触らず、見るだけ。「本当ですね」
ハル「弾いてる時は、弦の形に凹んで、硬くはないんだ」
ミッツ。ステラに。「硬くないよ、触ってみて」ハルの指をつまんだまま、ステラに差し出す。
ステラ。触ってみる。「普通に柔らかいですね」
ミッツ「これなら、鼻くそをほじるのに、ちょうどいい」自分の鼻に向かって、ハルの指を引っ張る。
ハル。声を出して慌てて、手を引き戻す。
ショージ「仕方ない。ステラちゃんには……あ、いいや」手を、胸の位置まで上げたところで、言うのをやめる。
ハル。ギターの調律を再開する。
ショージ。ステラに説明。「音が合っていないと「ほゎほゎー」が聞こえて、音が合って来るとほゎほゎがゆっくりになって、無くなったら、ぴったりってこと」
ステラ「そうなんだ」
ハル「このほゎほゎを使って、音楽にできないかな」
ヤッ子。にやりと笑う。「あるぞ。テルミンだ」
ミッツ「あ、知ってる」
ハル。ステラに向かって「「テルミン」って、メルヘンの名前っぽいけど」
ステラ「ううん、知らないよ。「ひふみん」は知ってる」背景に、将棋の加藤一二三。
ヤッ子「おじさんには違いないが、テルミンは、一度は死んだと思われて、音楽の教科書にも、そう書かれたが、後に、まだ生きていることが発覚した」
ショージ「気持ちはわかるなあ、隠れて生きていたいって、思ったり、思わなかったり……」
ヤッ子「テルミンおじさんが発明した楽器がテルミンで、音のモアレ模様を使っている」
ハル「モアレ模様って?」
ヤッ子。窓の外を指す。工事現場で、囲う網を取り付けている、または、囲っている角の部分で、網が2枚重なって見える箇所がある。重なって箇所は、ぼんやりした縞模様が見える。
ヤッ子「網が2枚重なっていると、ぼんやりと、縞模様が見えるだろう。あれが、モアレ模様だ」
ハル「調律で「ほゎほわー」と聞こえるのが、音のモアレ模様ですか? それを楽器に利用したのが、テルミンですか?」
ショージ。妖精ちゃんから渡された、2本のゴムの帯を受け取る。透けているので、重ねて透かして見ることができる。2本とも同じ、細かな縞模様。重ねると、縞模様がぴったり合う。
2本のうち、1本を伸ばすと、モアレ模様が見える。
ミッツ。驚く。「わあ、本当にぼんやりの縞模様が見えますね」
ヤッ子「そう。ゴムの帯の、1つ1つの縞模様は、細かくて見えないが、モアレ模様は認識できるだろう」
ショージ「でも、どうやって2つの音を出しているんですか?」
ヤッ子「うるさいなぁ。私といえども、何でもかんでも、知ってるわけじゃない。ネットで探したら見つかるんじゃないか?」
ショージ「それもそうですね」
ステラ「あらゆる答えは、ネットにあるって、誰かが言ってましたよ」何かのアニメで言っていたのを思い出す。
▽ 場面変更 ● ── ●
音楽室。
吹奏楽部の生徒が、音楽の先生に質問している。
吹奏楽部の生徒と、音楽の先生は、生徒席の隣り合った席で、椅子に座っている。机には、生徒が持参した、楽譜などの資料。
生徒「お時間をいただき、ありがとうございます。今日は吹奏楽部はお休みで、でも、早いうちに勉強したかったので」
音楽の先生「いえいえ、お役に立てるのですから、構いませんよ」
音楽の先生。生徒から受け取ったノートを開く。「それにしても、吹奏楽の編曲とは、大変ですね」
生徒「そこで、この教則本なんですが」手渡したのは、『実践 吹奏楽部の編曲』『オーケストラアレンジの方法』といったタイトルの教則本。
以上の書名は、架空のものなので、実在していた場合、別な名前にする。
生徒「ここに、「1つのパートの中で、和音が完結していること」とあるんですが」
音楽の先生「ああ、そうですね。例えば、トロンボーンでしたら、トロンボーンだけで、和音構成音を完結させるようにとは、よく言われます」
生徒「でも、テンションまで含めると、トロンボーンの音域では、とても入り切りません」背景に2段の五線で大譜表。トロンボーンの音域を示し、「この範囲に、和音を入れたい」
生徒「しかも、トロンボーンは低音域なので、密集させると濁るから、散らばるようにするのが良いと」
大譜表のヘ音記号の、第1線のソ、第2線のシに「密集しているから、音が濁りやすい」、第1線のソ、第3線のレ、上第1間のシに「散らばっているから、音が濁りにくい」。
生徒「トロンボーンの人数も、限界はありますし」
音楽の先生「トロンボーンとトランペットを、1つの楽器だと考えては、いかがですか?」大譜表で、トロンボーンの音域と、トランペットの音域。
生徒「え? でも、別な楽器ですよ」
音楽の先生「それはわかっています。でも、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスは、別な楽器でありながら、「ストリングス」という1つの楽器として扱いますね」
生徒「あ、そうか、そうですね」
音楽の先生「バイオリンは、協奏曲などでソロでの演奏方法と、ストリングスとして合奏の中での演奏方法は、異なっています」
音楽の先生「同様に、トランペットも、ソロでの演奏方法、トランペット群での演奏方法、金管楽器での演奏方法があります」
音楽の先生「トランペットに似たコルネットがあり、コルネットとしての演奏方法もあります。では、ホルンはどうなのかといった考慮もあります」
音楽の先生「どの楽器と、どの楽器を、和音のグループにするか。音色が違っていても、和音のグループにしても良いでしょう」
音楽の先生「それから、楽器編成によっては、和音構成音の全部を鳴らすのは不可能なこともありますし、人数が足りていても、和音担当ばかりなら、誰がメロディを演奏しますか?」
生徒「それで困っているんです」
音楽の先生「あなたは、この楽譜の演奏を、聞いたことがありますか?」教則本の譜例を指す。
生徒「いいえ」
音楽の先生「楽譜と、実際の演奏の両方セットになっているのが、いいでしょう。ジャンルによって様々ですが、アンサンブル、オーケストラ、ビッグバンド、懐メロ、テンションの多いジャズ、クラシック」
音楽の先生「その楽譜は、実際の演奏ではどのように聞こえるか。その楽譜は、教則本の指導内容に従っているのか、従っていないのか。ジャンルや編成の違いや工夫を見付けてみましょう」
生徒「はい。でも、あまりお金を使うことはできないので、どのセットを買うか、迷います」
音楽の先生「あなたが、これから書きたいと思うジャンルで良いでしょう。楽器店、楽譜店、CD店。お店の人に相談するのも良いでしょう」
生徒「なるほど」
音楽の先生「実際の演奏では、インターネットの公式サイトに動画があったりしますから、それを参考にすることもできます」
生徒「ありがとうございます」
音楽の先生「どのお店を推薦するかは、吹奏楽部の先生にお聞きするのが良いと思いますよ。もしかすると、お店に行かなくても、吹奏楽部の先生から、より良いアドバイスを頂けるかも知れませんし」
生徒「そうですね」
音楽の先生「実際の演奏と、その演奏に使用した楽譜が、セットで入手できない場合、コンピュータに演奏させるという方法もありますよ」
生徒「でも、コンピュータの演奏は、耳が悪くなるという話を聞きました」
音楽の先生「そのような意見もあるでしょう。私には真偽がわかりませんが、私の方法は、「もしも、これが、本物の楽器なら」と、想像しながら聞きます」
生徒「あっ、そうですね」
音楽の先生「それから、気を付けたいのは、隠し味の用途の音符もあります。それを強調しすぎると、疲れます」
音楽の先生「紙の楽譜を、パソコンにコピーできるものもあるそうですが、手作業でパソコンに書き写すこともあるでしょう。それも写譜でしょう」背景に「写譜」と、そのフリガナ。説明文「楽譜を書き写すこと」を添える。
音楽の先生「写譜をすると、様々な工夫があることに気付きます。「聞かせどころ」が多いと感じます。それらの全部を、強い音、大きな音で鳴らすと、聞かせどころが多くて、疲れます」
生徒「ううーん、そうかあ」
音楽の先生「料理をできない僕ですが、料理がおいしいお店は、いくつか知っています。その料理の作り方は、プロなら見抜けるでしょう。素人の僕には、料理の隠し味や調理の工夫は知らなくても、おいしいと感じます」
生徒「料理なら、たくさんある調理の工夫の、全部を強調すると、くどいものになりますね。音楽も、くどくならないようにって、気を付けるんですね」
音楽の先生「その通りです。手軽に音の確認ができるので、コンピュータは便利です。模範演奏をコンピュータですることにも使えます。用途に合わせて、気を付けることがあると、覚えておきましょう」
生徒「はい」
音楽の先生「さて、今日は、和音の扱い方が、ご相談の主旨ですので、僕からは2つ、お答えしましょう」
音楽の先生「ひとつは、コードネームは参考ですから、必ずしも、テンションも含めた全部の音を鳴らすとは限りません」
音楽の先生「もうひとつは、和音構成音が鳴っていても、1オクターブ以上の間隔があると、和音の効果が薄れます」
生徒「どういうことですか?」
音楽の先生「コードのCは、「ド、ミ、ソ」ですが、このように離すと、和音の効果が薄れます」大譜表を書く。ヘ音記号の第2間のド、ト音記号の第4間のミ、その上のソ。
音楽の先生「これが、1つの楽器、例えば、トロンボーンとトランペットだとすると、ドとミが1オクターブ以上、離れていますから、この楽器の中では、コードのCの効果が薄れます」
音楽の先生「それぞれが、勝手に鳴っているように聞こえるとは、言い過ぎですが」
生徒「なるほど。では、密集していた方がいいんですね」
音楽の先生「と思えば、そうではないこともあります」
生徒「どっちなんですか?」
音楽の先生「低い音では、密集すると汚く聞こえるので、完全音程が良い。完全5度、完全8度。1オクターブより少し離れた、10度でも良しとします。低すぎなければ、6度も良いでしょう」ヘ音記号下2線のド、そこから10度上のミ。
音楽の先生「高い音では、密集するとうるさいので、3度のような近いのは、避けたいです」ト音記号上第2線のド、その上のミ。
生徒「おおーっ、確かに」
音楽の先生「ただし、そういった傾向があるので、覚えておきましょうというだけです。禁止などの規則ではありませんので」
生徒「はい、ありがとうございます」
不自然な沈黙。
生徒は、机上の資料を片付けず、音楽の先生を見たまま。
▽ 場面変更 ● ── ●
放課後。美術室。美術クラブ。
教室内には、15人程度の生徒。油絵、幾何学デザイン、彫刻、といった美術クラブっぽいことをしている者もいれば、トランプ、漫才をしている者もいる。
トランプでは、新しいゲームを考案している。
トランプの生徒A「この組み合わせも、セットにできるとしたら、どうだ?」
トランプの生徒B「逆転にはなるけど、ルールが複雑にならないか?」
トランプの生徒A「だったら、さっきのペアにするルールを、無しにするとか」
トランプの生徒B「なるほど」
漫才の生徒A。くるりと回りながら「ここで回ったら、面白くないか?」
漫才の生徒B「うん、いい」
漫才の生徒A「右回りと左回りの、どっちがいいかな」
漫才の生徒B「そっぽを向くってことだから、左回りだな」
漫才の生徒A「わかった」
漫才の生徒B「その時、首を横に傾けながら、上を向いたらいいかな」言葉の通りに動く。
漫才の生徒A「片足を上げてみるか」言葉の通りに動く。
漫才の生徒B「腕は、どっちにする?」肩を上げて、両腕を下に向け、手首だけ曲げて手のひらは下に。胸の前で両肘を付け、両手の指はヒラヒラ動かす。
漫才の生徒A「あ、それいい!」やってみる。
トロール将軍が、折り紙をしている手のアップ。画面を引いて、トロール将軍の顔まで画面内に。
トロール将軍の背景の黒板には、縦書きで「面白く」と書いてある。更に画面を引くと、黒板には3行に分けて「真剣に」「面白く」「工夫する」と書いてある。
根を詰めていた生徒が、休憩で伸びをする。ふと、トロール将軍に目をやる。隣にいる生徒を誘い、トロール将軍に近寄る。2人共、女生徒が良さそう。
生徒「トロール先生」
トロール将軍。顔を上げる。「んー、どーしたのん?」
生徒「先生って、いつもその笛を付けているんですね」トロール将軍の笛を指す。
トロール将軍「ああ、これ?」
生徒「その笛って、何かの思い出があるんですか?」
トロール将軍「うんん、これは、助けが欲しい時に鳴らしなさいって、僕の奥さんが、結婚前に……」言葉が終わらないうちに、回想に入る。
▽ 場面変更 ● ── ●
回想。
大学生時代のトロール将軍。ボロアパートの一室。
髪の毛は、やや短髪。少し無精髭(通常は髭を剃っているから)。背景に、現在の顔を表示し、指し棒で「大学生の頃は、こうです」と表示。これにより、回想が大学生時代とわかる。
急に回想のトロール将軍を表示すると、わかりにくければ、現在の顔から大学生時代の顔に、スムースに変化する方法も良い。
まだ何も描いていないキャンバスの近くの床に、下描きのコピー用紙が散らばっている。
トロール将軍。机に顔を伏せている。絵具で汚れた白衣。
玄関が解錠され、トロール将軍の彼女が入って来る。
トロール将軍の彼女。小学校の体育の先生。仕事が終わって、そのまま来たので、ジャージ姿に、首から笛をぶら下げている。
トロール将軍の彼女は、第7話のテレビ番組の収録と、第8話の妊娠発表の時に登場。第7話と第8話の、現在の顔を表示し、指し棒で「結婚前の頃は、こうです」と表示。
彼女「どうしたのー? 今日はバイトでしょ。そろそろ着替えないと」
トロール将軍「うん。だけど、休みたい」
彼女「休んでも、大丈夫なの? あんたそれでも、頼りになってるんでしょ」
トロール将軍「うん。だけど、いなくても何とかなる」
彼女。精神的に苦しそうなトロール将軍を見て、心配になる。
彼女「……じゃあ……、休んじゃう?」
トロール将軍「でもみんな、僕が来ると思って、仕事をしている。仕事とは関係無い、僕のプライベートの悩みだし……」
彼女「アルバイトとはいえ、接客業でしょっ! そんな落ち込んだ顔見せたら、お客様に失礼よ」トロール将軍の髪の毛を、ワシワシと撫でる。
彼女。散らばっている下描きの紙を拾い集める。しゃがんで歩き、集めながら。「精神的な落ち込みはぁ、よいしょっと、ごまかしを続けていると、定着しちゃうよ」
彼女。片膝でしゃがんだまま、トロール将軍の方を見る。「一日くらい、いいじゃない。休んじゃえ、休んじゃえ。そりゃ、気紛れに休んでばかりなら悪いけど、いつも真面目なんだから、体調不良ですってことで」
トロール将軍。口が思い切り「へ」の字になり、ボロボロと涙を流す。「うん……」職場に電話する。
トロール将軍「電話した」
彼女「よっしゃー。じゃっ、行くよっ」電化製品をオフにし、火の元を確認する。その他、絵の道具を簡単に片付ける。
トロール将軍「え? どこに?」
彼女。トロール将軍の手を引く。彼女のライトバンに、二人で乗る。トロール将軍のアパートには、このライトバンで来ていた。ライトバンは、所々、凹んでいる。
ライトバンの後部座席は、前に倒していて、車内の後部は広くなっている。
彼女「キャンプに行くよー。まずは、道具を持ってこよう」
キャンプは、地域と季節の影響が大きい。アニメ化の際は、違和感が無いようにする。結婚前の思い出なので、本編の季節とは無関係。以下のキャンプの場面に相応しい季節にする。
彼女の家に寄り、道具を積み、キャンプ場に向かう。夕暮れ。
彼女「この時間からでも受け付けできるキャンプ場があるんだ。さっき電話したら、今からでも間に合うって」
キャンプ場に着いた頃には、夜になっている。管理棟の前で停め、受け付けを済ませる。
彼女。車に乗り。「この時間からでも、キャンプできるって」
トロール将軍「良かったね」
彼女「あんたが幸運の女神ってことだよ、ありがと」
外灯もある場所をサイト(テントの設営場所)にする。
ライトバンのヘッドライトに照らされながら、彼女の先導でテントなど、あれこれ設営。設営が終わり、ライトバンのライトを消す。外灯だけの明るさ。
椅子は低いもので、脚を伸ばして、後ろにもたれて座る。トロール将軍は大柄なので、がっちりした商品、または、手作りでも良い。
焚火台の火を見ながら、コーヒーを飲み、のんびりと話し合う。外灯と焚火だけの明るさ。
彼女「なんだかさ、こうして無理矢理、あんたを休ませて誘うってさ、アニメ映画の『魔女の宅急便』みたいだね」
彼女「スランプになった魔女に対してさ、パン屋のおソノさんも、友達のトンボも、軽く考えている。親身になって寄り添ったのは、森の絵描きの、ウルスラだけだったね」
この「ウルスラ」の名は、映画では呼ばれていないので、代わりに「森の絵描きさん」が良いかも。
彼女「あたしは、絵を描くこともない、作曲をすることも無い、芸術の創作をしないから、実感できていないけどさ、飛べなくなった魔女の苦しみは、「生みの苦しみ(産みの苦しみ)」なのかなって」
彼女「だから、森の絵描きさんだけが、寄り添えたのかな」
彼女「あんたがさ、なーんだか、落ち込んでるみたいだからさ、こりゃ、あたしが寄り添わなきゃ……。なーんて、思ったってわけさ」
彼女「もしもこれが、怠けてのわがままだったらさ、バイトを休めなんて、言わないからね」
ここで、第4話OP曲前の、大学生時代のヤッ子と彼氏との場面を、少し表示しても良い。
木々の向こうに、焚火が見える。別なキャンパーがいるらしい。
彼女「キャンプってさ、なんでか知らないけど、わざわざ不便をしに来るんだよね」
トロール将軍「うん」
彼女「不便を楽しめる生活。爆弾が飛んで来る心配も無い……こんなに平和を享受できるんだ、わざわざ他人と戦うんじゃなく、わざわざ不便を楽しめるって……」
彼女「世の中の全部の楽しみのうち、あたしが経験していない楽しみもあるけど、一生のうちで全部は享受できない。でも、好きなキャンプができる。不便を楽しめる」
彼女「精神的にも、経済的にも、困っていない。好きなことができるって、幸せだね」
第1話の、音楽の先生のセリフ「好きなことがあるのは、幸せですね」に、申し訳なさそうな表情だったステラが、明るい笑顔になって「はい!」と言う場面を表示する。
彼女「食べ物を作るための、第一次産業って、広い土地が必要だよね。それを、こうしてキャンプに使えている」
彼女「世界中で、地域ごとの「まちづくり」は、自然災害対策と、人間による攻撃への対策も、少なくなかった。安穏とした生活のための「まちづくり」が少なくなかった」
彼女「平和ボケと言われてもいい、人間がさ、何千年も何万年もかけて、やっと得られた、安心でいられる日常……」少しの間。「……いいよね」
彼女「豪華な設備があるグランピングも楽しいし、あたしには管理棟があって受付とトイレだけがあればいいって感じ」背景に「グランピング」「グラマラス・キャンピング」の文字と、それで楽しむ様子を表示する。
彼女「やっぱり、トイレは欲しいな。あたしは一応、女だからさ。サバイバルって程じゃないけど、こんな中途半端な不便も楽しいって、変な趣味だね」
彼女「命の危険がある天候の時は、キャンプしない。平穏でいながら、この不便さ加減がいい。しかも、いつでも何かしらのハプニングがある」
彼女「こうして、中途半端に不便な一夜を過ごすと、日常の生活は、完璧を前提にしているんじゃないかな……そう思ったりする」
彼女「誰も風邪をひかない前提で、スケジュールを組んだり、あらゆることが、運良く、最も理想的だった場合を前提にしてたり。運が悪いことなんて、当たり前なのにさ」
背景に、東日本大震災と、原子力発電所を示唆する画像を表示する。
彼女「「乙だね」って言葉の語源は知らないけど、もしかしたら、「甲乙丙丁」の、自分にとっての一番いい「甲」じゃなくて、2番目の「乙」でもいいじゃないかってことかなって思う」
彼女「もちろん、最も理想的な「甲」を目指しているけど、「乙」を悪いとしないってこと。人生の、あらゆることで、自分の限界を基準とした完璧以外が「悪い」んなら、あたしは、たくさんの「悪い」を持っている人だな」
彼女「まあ、もしもあたしが、運が悪くって、悪いことばーっかりの人生だったら、完璧じゃないことを嘆くよりも前に、せめて人並みにって願うんだろうね」
この、「ばーっかり」の部分は、しかめっ面だが、笑顔。
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