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ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


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11_B__02_03  第11話 Bパート 分割 2 / 3

第11話 Bパート 分割 2 / 3


【注意事項:楽典以外の余談に、児童には不適切な生々しい描写や、心的負担の箇所があります】


【 第11話 概要 】

サブタイトル:それ以上でも、それ以下でもない。

OP曲前:ショージの自宅。ドアがゆるりと開かないように、ハルの案で磁石で工夫。

Aパート:幹音の3種類。ダイアトニックコード、主要三和音。導音。転調、一時転調。短音階。アナリゼの解釈は多く、楽譜を変える人もいる。楽典の説明のわかりやすさは、人による。富士山の高さ。仕事には人柄も大切。

CM明け:ヤッ子。砂糖壷の中で固まった砂糖を、踵で崩す。別な日( )別な服装)マグカップに砂糖どっさり。

Bパート:分数和音。転回形和音、ギターではベース音や、ベースのメロディも。ジャンルの特徴と定義は、国境線の無い文化。シメジ婆さんから聞いた、イソップの話と、三人菩薩の話。ミッツが姓の理由。

Cパート:吹奏楽の先生の自宅、子供の頃に書いた絵の前に黒リボンのタロットカード、回想でその理由。

予告:ハルがヤッ子にギターの弾き語りをして、存在しない模様が浮かび上がり、手拍子の数がおかしくなるぞ。ショージ、その手に持っているのは、何だ!


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

父親「ギターでは、左手でちょこっと形を変えると、別なコードにできるけど、ピアノではピョンピョン飛ぶのが大変なことがあるな」


ギターとピアノのコード図。楽譜は1つ。


ギターのコード図で、Cは第5弦から第3弦の「ド、ミ、ソ」、Gは第6弦から第4弦の「ソ、シ、レ」を並べる。鳴っている弦は色を変える。交互に演奏の度に、弦の変色。


ピアノのコード図を並べる。交互に演奏。


ハル「ああ、そう……かな?」


父親。五線ノートに楽譜を書く。左側に「ド、ミ、ソ」と「ソ、シ、レ」のセット、右側に「ド、ミ、ソ」と「シ、レ、ソ」のセット。


父親「ピアノで、左側の和音を交互に連続するのは大変だろ。だから、右側の形で演奏することもある」


父親「こんな風に、演奏の都合で転回形になることもある。こんな場合は、わざわざ「G/B」とは書かないことが多い」


父親「勿論、シをベース音にしてほしければ、わざわざ「G/B」と書く」


ハル「そういうことか」


父親。ギターを抱え、弾き始める。


父親。別な曲。


父親。別な曲。ハルはベッドに座って漫画を読み始める。


父親。別な曲。窓の外は夕方の色。


ハル「いつまでいるの?」


父親「気が済むまで」


ハル「冗談じゃない!」


ハル「ところで、ギターでワルツの曲もあるんだね」


父親「ワルツじゃないぞ」


ハル「でも、3拍子だったし」


父親「ワルツの特徴のひとつが3拍子だが、ワルツ以外でも3拍子の曲はある」


ハル「でも、テレビでは「3拍子だからワルツ」って言ってたよ」


父親「その部分だけを取り出したら誤りだが、前後関係や場面によって、正しいセリフなんだろうな」


ハル「ワルツ以外の3拍子って? 具体的に」


父親「むむむ……」答えに困る。「走攻守の3拍子……、飲む打つ買うの3拍子……」


ここで、妖精ちゃんが助けても良い。


ハル。父親に気遣いして「ロックとロックンロールも、違うんでしょ」


父親「そう。ロックはこうだ」ギターで、パワーコードを多用する。


父親「これは「パワーコード」といって、和音のうち、3度音が無いコードなんだ」


ハル「え? そしたら、長和音か短和音か、わからないでしょ」


父親「そうなんだ。和音には「3度音が必要」という音楽理論があるが、音楽理論の種類によっては、別な音楽理論に反することもある」


父親。ロックンロールを弾く。


ハル「あ、これは知ってる。ロックンロールでしょ。主和音なのに、7の和音でしょ」


父親「そうだ。芸術は自由だから、セブンスなら、主和音ではないという規則は無い」


父親。弾き始める。『ハウンドドッグ』『ベートーヴェンをぶっ飛ばせ( )ロールオーバー・ベートーヴェン)』など。著作権の関係で、既存曲が使えなければ、このアニメ用の、それっぽい曲でも良い。伴奏だけでもロックンロールは表せる。


父親。別な曲。


父親。別な曲。


ハル。ベッドに寝そべって、漫画を読む。窓の外は夜で、カーテンを閉める。


ハル「いつまで歌うの?」


父親「気が済むまで」


ハル。ちょっと呆れて、溜息。「じゃあ、ジャズは?」


父親「音楽のジャンルは、国境線の無い文化のようなもんだ。街並みや食文化で、ここはあの国かと思ったら、隣の国だった」


父親「国境線があれば、ここはどの国かと決まっているが、国境線が無ければ、何となくあの国っぽい、この国にも似ていると感じる。近隣国では文化が似ることはあるだろう」


父親「かと思えば、和洋折衷というように、ずっと遠い国の文化を取り入れられていたり」


父親「音楽のジャンルも、ジャズっぽいなとか、ロック調だとか、そんな感じに思っておけばいいんだよ」


ハル「ジャンルには、定義は無い?」


父親「あったり無かったり。3拍子のマーチ( )行進曲)もあるくらいだから」


ハル「行進曲なのに?」


父親「そう」


ハル。ショージを思い描く。ショージが「3拍子でも、3本脚では歩かないよ」と言っている。


父親「ジャンルは、大雑把なところもある。「広い意味では」とか「狭い意味では」とか、言うことがあるだろう。狭い意味での特徴を言って、広い意味の名前を言ったら……」


ハル「広い意味の名前?」


父親「そうだなあ。フリージャズとかの、狭い範囲での特徴として、楽譜が無くて、アドリブが多いという特徴を言って、広い意味の「ジャズ」と言ったら、ジャズに詳しい人にとっては、訂正したくなるんじゃ、ないかな」


ハル「じゃあ、アドリブが少なくて、楽譜にしっかりと書かれているジャズって、あるの?」


父親「ビッグバンドジャズが、そうだな。テンションを多用した和音を、しっかり考えて楽譜を書く」


ハル「へえ、ジャズも、大雑把な呼び方もあれば、細分した特徴の名前もあるんだ」


父親「ただし、ビッグバンドでも、ソロやアドリブも演奏するから」


ハル「うん。ジャンルの定義って、「それは外れている」って思われるような言い方は、気を付けるようにって、教わった」


父親「定義と言えば、アニメに使われていたらアニメソング。だけど、昔のヒット曲をアニメが使ったら、その曲は、途中からアニメソングになるだろう」


ハル「あっそうか」


父親「こんなアニメソングもあるぞ」ギターでエンディング曲を弾く。


▽ 場面変更 ● ── ●


エンディング曲。


父親がエンディング曲を弾いているところで、場面転換し、翌日のハルとステラの下校の場面と重なる。エンディング曲なので、クレジットが表示されている。


セリフと歌声が混じると聞きにくいので、メロディは別な楽器でも良い。ギターとメロディ楽器のアンサンブル。


エンディング曲が続いているまま、翌日になる。


ハルとステラの下校途中。歩きながら話している。


この場面の途中まで、父親のエンディング曲でも良い。


ハル「……ということがあって、父さんがギターを弾き始めると、止まらなくて」


ステラ「そうなんですか。楽しそうですね」


ハル「嬉しいけれど、過ぎたるは及ばざるが如し」


ステラ「ふふっ」


ハル「あ、でも、ヤッ子先生も、父さんも、迷惑じゃないからな」


ステラ「わかってますって。早坂さん、いつも楽しそうですし」


この場面で、ステラは軽い敬語だが、同級生なので、平易な言葉遣いでも良い。ステラがハルに片想いしているので、どのような話し方が良いか未定。


ハル「うん。父さんは意地悪でギターを横取りしたんじゃないし」


少しの間。


ここで、シメジ婆さんから聞いた話をするのは、2種類を用意している。『三人菩薩は修羅となる』と、イソップ童話の『狐と鶴』の、どちらかを使用する。


イソップ童話の『狐と鶴』は、第5話の「虐めの構図」と似ているので、重複を避けて、『三人菩薩は修羅となる』でも良い。


▽ 場面変更 ● ── ●


『三人菩薩は修羅となる』を話した場合。


ハル「父さんと、ヤッ子先生と、それぞれが丁寧に教えてくれる。父さんも、ヤッ子先生も、どっちも、うーん、お父さんはヤッ子先生の教え方を否定しないし、ヤッ子先生もお父さんの教え方を否定しない」


ステラ「教える人が、何人かいたら、喧嘩になりそうな気もするけど、そうならないのは、嬉しいですね」


ハル「うん」ちょっと、間が開く。


ハル「シメジ婆さんが、3人が象を触るって話をしてくれたんだ」


ステラ「その、シメジ婆さんって、誰なんですか? 時々、話を聞くけれど」


ハル「産婆さんだよ。もう亡くなったけれど、とっても子供好きで、……優しかったな。子供達は、みんなシメジ婆さんが大好き」


ステラ「わあ、会いたかったな……」


ハル「シメジ婆さんの家は、小さな子供達の遊び場でもあったんだ」


ハル「その、シメジ婆さんが話してくれたんだけど、珍しく、ちょっと難しい話をしてくれた」


ハル「いつもは、まだ学校に行っていない、小さな子供が多いけど、その日はたまたま、みんな小学生だけだったんだ」


ハルの話に合わせ、画面は、紙芝居、ペープサート、影絵といった、昔話の表現。時折、画面の隅に、ハルやステラの顔が表示される。


ステラ「象って、アフリカゾウとかですか?」


ハル「そう。世界中のあちこちで、同じ話があって、解説や、お説教の方法に、いくつかバリエーションがあるらしい」


ステラ「どんな話ですか?」


ハル「ああ。えっと、その前に、シメジ婆さんの話の結末は、みんな、良いことを望んでいるのに、憎み合ってしまうってこと」


ステラ「そんなこと、あるんですか?」


ハル「だから、気を付けようってのが、シメジ婆さんの話」


ハル「昔話で、目の見えない人が3人いて、3人が象を触る。Aさんは「象はロープのようだ」と思い、Bさんは「象は柱のようだ」と思い、Cさんは「象は壁のようだ」と思った」


ステラ「聞いたことがあります」


ハル「そして、お説教としては、一部を知っただけでは、全体はわからないとか、あとは、昔話だから、視覚障がい者を「劣った人」と扱って、「普通の人だって、仏よりも劣っている」とか、各地で様々な話のバリエーションがあるらしい」


ステラ「なるほど。でも、良いことを望んで、憎み合う話ですか?」


ハル「シメジ婆さんは、この話には、続きがあるって、話してくれた。後になって調べたら、どうやら続きの話は、シメジ婆さんの創作らしい」


ステラ「そうなんですか!」


ハル「『三人菩薩は修羅となる』って話なんだ」


ステラ「日本の昔話ですか?」


ハル「よくわからないんだ。「菩薩」ってのは、他人を思い遣る気持ちだって。何かを頑張って練習するのは、自分を大切にすることで、そこからもっと成長すると、他人を思い遣る菩薩の気持ちだって」


ステラ「その菩薩が3人なんですね。さっきの、象を触った3人」


ハル「そして、「修羅となる」ってのは、「修羅場」っていうように、戦いの気持ちが修羅の気持ちだって」


ステラ「なるほど。でも、おかしいですね。他人を思い遣るんなら、戦うことってしないでしょう」


ハル「それがな、3人は象の家を作ることになって」


ステラ「象に対する、菩薩の心ですね」


ハル「そう。ところが、柱のような動物が住みやすい家を作っていたら、「それでは、象が住みにくいだろう」と言われる」


ステラ「あ、確かに」


ハル「やがて3人は、憎み合う。あんな家を作ったら象が困るだろう、象の幸せを邪魔することは、やめさせるべきだ」


ステラ。残念がる声。「ああ……」


ハル「象の一部だけを触ったという自覚があっても、「少なくとも、この部分は、良くないのは、事実だ」がある」


ハル「人間でいえば、赤ちゃんのお世話をする人は、柔らかいべきだ。骨のような硬い部分が、体内に隠されているのは評価できる。しかし、爪という硬い部分が表面にあるのは、少なくとも、その部分は悪い。赤ちゃんのお世話をする資格が無い」


ステラ「無茶苦茶です。……でも」


ハル「ん?」


ステラ「もしかすると、「嫁と姑( )しゅうとめ)」って、思い遣りなのかもって」


ハル「そうか。ヤッ子先生に、どうしてアドリブができるのかって聞いたら、「よくある手法」をたくさん覚えて置く、これを「引き出しが多い」って言う」


ステラ「その知識というか、情報というか、それが、お嫁さんと、お姑さんで、違うから、意見の食い違いで、菩薩の心で修羅になるのかも」


ハル「知識の違いかあ」


ステラ「昔は、ひじきには鉄分が含まれているって言われていたけど、実は、鉄分が無いってわかったの」


ハル「どういうことだ?」


ステラ「食品成分表とか、何か知らないけど、食材に含まれる栄養素とか、カロリーとかは、時々、はかり直すんだって。そしたら、ひじきに含まれていたと思っていた鉄分は、鉄鍋が理由だったのではないかって」


ハル「へえ、そんなことが、あるんだ」


ステラ「そこで、栄養を重視するか、味を重視するか、見栄えや、あれこれ、料理には大切にしたいことがある」


ハル「なるほど。冷蔵庫の食材で、名前の無い料理をすぐに思い付くのも、すごいよね。ヤッ子先生の「引き出しが多い」で、瞬時に、料理も演奏も「これからするべきこと」を思い付くのは」


ハルとステラで、話したいことに、少しズレがある。


ステラ「自分が知っている事実を、相手は知らないから、相手の判断が誤りだと思ってしまうんですね」


ハル「事実ではあっても、一部だけで全部の判断は、危険だって、教えてくれた」


ハル「シメジ婆さんは、自分の知識だけで、他人を悪人の証拠にしてはいけないよって、教えてくれた。違っていても困らなければ、笑いながら「認識が違うねえ」で済むし、違っていたら困るなら、それなりに話し合いができたらいいねって」


ハル「ことわざの「船頭多くして船山に上る」っていうのがあるけど、あれは、困った状況になるという話。シメジ婆さんは、崇高な思想を持った人が憎み合うこともあるって、教えてくれた」


ハル「父さんも、ヤッ子先生も、俺にとっては迷惑じゃない。人付き合いって、「この人は、意地悪に決まっている」と思っても、もしかすると何かのすれ違いかも知れないって考えたら、気持ちが楽になるかもね」


ハル「本当に意地悪なのか、他人の心はわからない」


ステラ「そうですよね。親友や恋人なら、冗談で意地悪っぽいことをしても、本当は味方だって信じられるから、安心できる」


ステラは、ミッツとハルの仲の良さを思い出す。ファストフード店で、ミッツがハルの鼻にポテトを突っ込もうとし、ハルが食べる。オルゴール館で、ミッツがハルに「お帰りください、ご主人様」と、手で追い払う仕草。


ハル「でも、騙されているのかもね。信じていたら騙されていたって、結婚詐欺やグルーミングでもあるから」


ステラ「グルーミングって、猿の毛づくろい?」


ハル「ああ……」言い淀む。「……大人が子供に対して、「自分こそが、君にとっての唯一の理解者だ」と思わせたり、優しい人と思わせて、騙して、実は性暴力が目的だったり……。これも、シメジ婆さんが教えてくれた」


ハル「まあ、シメジ婆さんは、「グルーミング」とは言わなかったけど、信頼して、性暴力や、行き過ぎたら殺されても後悔しないという気持ちは、おかしいと言っていた。自分を殺そうとする人は、信頼できないって」


ステラ「早坂さんが素敵なのは、シメジ婆さんのお陰なんですね」


ハル「うん。みんな、シメジ婆さんが大好き。ステラにも会わせたかったな」



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